
プラチナカードのインビテーションが届いたが、「これは申し込んだ方がいいのだろうか? 年会費が数万円アップするメリットって何だろう?」と悩むも多いだろう。そこで今回は、
・ブラックカードやプラチナカードといった“プレミアムカード”を
持つべき人とはどんな人か?
・ブラックカードやプラチナカードを保有するメリット・デメリットは
どこにあるのか?
について書いていこうと思う。
ブラックカードやプラチナカードのメリットは
意外にわかりにくい

通常のクレジットカードのステータスは、「一般カード」、「ゴールドカード」、「プラチナカード」、「ブラックカード」となっており、ステータスが上がるにつれ年会費はどんどんアップし、保有者はどんどん減っていく。プラチナカードの保有者はクレジットカード保有者全体の3%程度、ブラックカードの保有者にいたっては1%未満となるだろう。
当然、ブラックカードやプラチナカードを持っていると、周囲から「おっ」っと思われることがあるかもしれない。とはいえ、「見る人が見ればわかる」という話であり、カードフェイスだけで一目置かれることはほとんどない。
ブラックカードやプラチナカードになると、ショッピング枠が増えるのもメリットだ。プラチナカードなら、初期設定で限度額が300~500万円程度にはなっているだろう。ただし一般カードであっても、数年間保有すればショッピング枠は100万円以上になるし、コールセンターに電話をすれば一時的にショッピング枠を増額することも可能だ。つまり、ショッピング枠が増えたからといって、それほど大きなメリットとは言えないだろう。
さらに、ブラックカードやプラチナカードだからといって、一般カードやゴールドカードより多くのポイントが貯まる、特別な商品に交換できる、ということはほとんどない。一部のプレミアムカードでは、一般カードの2倍のポイントが貯まったり、マイルの還元率が高かったりする場合もあるが、高額な年会費を考えると2倍のポイントが貯まってもメリットはほとんどない。
これまで、ブラックカードやプラチナカードのメリットを否定するようなことばかり書いてきた。では、どんな人であればブラックカードやプラチナカードを保有する意味があるのだろうか?
ブラックカードやプラチナカードを保有すべきは
中小企業の代表や個人事業主
ブラックカードやプラチナカードを保有する大きなメリットは、付帯サービスが一気に増えることだ。
プレミアムカードには、コンシェルジュサービスやダイニングサービス、旅行&ホテルの優遇、空港ラウンジサービスや海外旅行時の手荷物無料宅配サービスなど、数多くの特典が付帯している。クレジットカードによっては、プレミアムカード保有者専用のラウンジに入室できたり、ホテルの上級会員が付帯していたりと、実に様々な特典を享受することができる。
しかし大企業の役員などの場合、そもそも海外出張時の飛行機はビジネスクラスであり、そのチケットでラウンジの利用が可能だったり、ホテルはクラブフロアと決まっていたりする。また、出張手配は秘書が行ってくれるため、コンシェルジュサービスを使うこともない。プレミアムカードのサービスで利用できるものは、海外出張時の手荷物宅配サービスくらいだろう。それだけのために数万円の年会費を支払う必要はない。
したがって、ブラックカードやプラチナカードを保有すべき人は、筆者のような中小企業の代表や個人事業主となるだろう。そうした人たちは秘書がいないため、出張手配などは自分で行う必要がある。しかしブラックカードやプラチナカードを保有していれば、コンシェルジュデスクで日程を説明し、希望する宿泊施設の立地・金額などを伝えるだけで、出張手配は完了だ。
例えば、年会費2万円(税抜)の「MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」で考えると、1カ月1800円で秘書を雇っているのと同じことになる。年会費が13万円(税抜)の「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード」であっても、1カ月にすると1万円ちょっとだ。
■MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | ||
還元率 | 0.5~1.0% |
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発行元 | 三菱UFJニコス | |
国際ブランド | AMEX | |
年会費(税込) | 2万2000円 | |
家族カード(税込) | あり(1人目は年会費無料、2人目以降は3300円) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
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還元率 |
0.33~1.5% (※ポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算) |
![]() |
発行元 | アメリカン・エキスプレス | |
国際ブランド | AMEX | |
年会費(税込) | 14万3000円 | |
家族カード(税込) | あり(4人目まで年会費無料) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
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家族カードでも本会員とほぼ同等のサービスが受けられる
では、大企業の役員などには、ブラックカードやプラチナカードを保有するメリットはないのだろうか? 筆者は、彼らにも保有メリットはあると考えている。それは、本会員が受けられる8~9割程度のサービスを、家族カード会員も受けられることだ。
「プライオリティ・パス」だと家族カードは申し込み不可の場合もあるが、コンシェルジュサービスやラウンジサービスなどは、本会員とまったく同じように使うことができるプラチナカードが大半だ。
例えば、本会員が出張中に家族だけで帰省する場合、家族は自分たちで旅行の手配をしなければならない。しかしプラチナカードの家族カードを保有していれば、本会員がいなくてもコンシェルジュデスクに電話し、旅行の手配を依頼することが可能となる。
また、JCBのプラチナカード「ザ・クラス」なら、本会員が忙しくてディズニーリゾートに行く時間がなかったとしても、家族カード会員がラウンジチケットを依頼し、家族カードでラウンジを利用することも可能となっている。
(関連記事⇒JCBのプラチナカード「ザ・クラス」保有者向けにディズニーシー内に設けられた特別ラウンジを公開! 東京ディズニーリゾートの“都市伝説”は本当だった!)
■JCB ザ・クラス(THE CLASS) | ||
還元率 | 0.5~2.5% | |
発行元 | JCB | |
国際ブランド | JCB | |
年会費(税抜) | 5万円 | |
家族カード | あり(無料) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
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ブラックカードやプラチナカードは、仮に本会員に使い道がなくても、家族が同等の付帯サービスを利用できることが最大のメリットではないだろうか。
もし「プレミアムカードのメリットが感じられない」と考えているのであれば、家族のことを考えてみると良いだろう。それでも「年1回の帰省の手配のためだけに、年会費が高額なプレミアムカードを保有する必要はない」と考えるのであれば、カード会社から来たインビテーションに申し込む必要はない。数万円の年会費をその帰省のために使ったほうが、よっぽど優雅な旅行ができるはずだ。
逆に「自分はほとんど使わないが、家族が利用できる付帯サービスが多い」と考えるのであれば、ブラックカードやプラチナカードの保有を前向きに考えてみればいいだろう。
ブラックカードやプラチナカードを保有するには、どれだけの付帯サービスを使えるかが重要だ。本人も家族も決済にしか使わないのであれば、ブラックカードやプラチナカードを保有するメリットはない。しかし付帯サービスを十分に理解し、本人や家族が使い倒すのであれば、高額な年会費を差し引いてもブラックカードやプラチナカードは非常にお得なクレジットカードとなる。
以上、ブラックカードやプラチナカードを保有する意味についてまとめてみた。ブラックカードやプラチナカードに憧れる人は多いが、「本当に自分に必要なクレジットカードか」を慎重に考え、申し込むかどうかを決めるようにしよう。
ザイ・オンラインでは、他にもブラックカードやプラチナカードを紹介する記事を掲載しているので、興味のある方は参照して欲しい。
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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◆dカード | ||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
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【dカードのおすすめポイント】 テレビCMでもおなじみの「NTTドコモ」のカードだが、auやソフトバンク利用者でもお得! 通常還元率1%と高還元で、2019年9月16日以降の申し込み分から年会費が永年無料になり、ますますお得なカードに進化! さらに「dカード」で貯まる「dポイント」は携帯電話料金に充当できるほか、JALのマイルなどにも交換可能で、ドコモユーザー以外でもお得なクレジットカードだ。 |
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◆アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード |
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1.5%~ | 1万1000円 | AMEX | Suica ICOCA |
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【アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードのおすすめポイント】 「マイル系最強カード」との呼び名が高いクレジットカード。対象航空会社・旅行会社28社で航空券代金やツアー代金を決済すると通常の3倍のポイントが貯まるので、航空会社発行のカードよりもマイルが貯まりやすいのが魅力。さらに、貯まったポイントは提携航空会社15社のマイルに自由に交換可能で、しかもポイントは無期限で貯められるのも大きなメリット! 「長距離+ビジネスクラス」の特典航空券に交換すれば、還元率は1.5%よりも高くなる! |
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◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~3.0% | 永年無料 | JCB | QUICPay |
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【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 年会費無料で通常還元率は1.0%、「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」のセブン-イレブンやAmazonなどでは還元率2.0%、スターバックスでは還元率3.0%になるお得なカード。しかも、大手カード会社のクレジットカードだけあって、ポイントの汎用性も抜群! |
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◆イオンカードセレクト | ||||
0.5~1.0% |
永年無料 | VISA JCB Master |
Suica ICOCA WAON |
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【イオンカードセレクトのおすすめポイント】 一般的な「イオンカード」ではポイントがつかない「WAON」チャージでポイントが貯まり、「ポイント2重取り」ができるのが最大のメリット。また、「イオンカードセレクト」の保有+月1回のカード(または搭載のWAON)決済+ネットバンキングに登録という3つの条件を満たすだけで「イオン銀行Myステージ」の「シルバーステージ」に到達し、「イオン銀行」の普通預金金利が通常の30倍=0.03%になる(こちらの記事を参照)。メガバンクの定期預金金利が0.002%の今、普通預金金利が0.03%になるのはお得!「イオンカードセレクト」以外の「イオンカード」保有者はすぐ切り替えよう! |
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◆au PAY カード | ||||
1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
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【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! さらに、スマホ決済の「au PAY」へのチャージでも1.0%分のポイントが貯まり、「au PAY(コード払い)」の利用時に0.5%分のポイントが貯まるので、合計還元率1.5%でPontaポイントを2重取りできる! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! (※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料) |
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