日銀のマイナス金利の導入などで日本の株式市場は乱高下したが、今後の本格的な上昇には企業の成長に向けた自助努力が必要とフィスコの佐藤勝己さんは話す。今後もっとも変化が期待できるという自動車部品業界で勝ち残り、株価上昇の期待も高い企業をフィスコアプリを使いながら選んでもらった。

金融政策頼みの上昇は限定的!
企業本来の実力評価が重要に

 原油市況の下落、中国景気の先行き不透明感などを反映して、年明けからきつい下げが続いていた株式市場ですが、欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁の追加緩和策実施の示唆を受けて下げ止まり、その後は日本銀行の追加緩和策の実施を受けて、反発力を強める展開が一時見られました。

 とりわけ、日銀のマイナス金利導入は想定外の緩和策としてサプライズを呼ぶ格好になりました。デフレ脱却に向けた日銀の強い意思が確認される形となったほか、金融緩和策の限界懸念が払拭される状況となり、株式市場ではポジティブな反応が示されました。

 ただ、株式市場ではこうした金融政策頼みといった見方があらためて強まり、不安定感も高まる状況となっています。現在の株価水準は、これまでの大規模な金融政策の結果、押し上げられてきたものとも捉えられてしまいそうです。今後、ファンダメンタルズが好転しても、金融緩和策への期待が剥落する分、日本株の上昇余地は限定的なものになる可能性があります。タイミング的には、労使交渉直前となる今回の金融緩和は、ベアにつなげる狙いもあるでしょうが、仮に、明確な賃金上昇が見られない場合は、効果は長続きしないものと考えられます。

トヨタ自動車のダイハツ子会社化など
自動車部品再編関連の高ROEを狙え!

 こうしたなか、トヨタ自動車(7203)のグループ再編など、企業サイドでのポジティブな動きが顕在化してきました。政策頼みでない、企業の自助努力による株価の上昇要因として注目度を高めるべきだと考えます。とりわけ、自動車業界は国内では海外企業に対して数少ない競争力の高い産業と位置づけられています。自動車業界の再編は、他の国際競争力が低い産業の再編進展の呼び水になっていくものと考えたいところです。自動車業界向けのサプライヤー産業では、主要ユーザーの規模拡大に伴って、スケールメリットを追求するような再編に打って出る必要性が高いと考えられます。2016年は業界再編の動きの活発化に期待したいところです。

 こうした流れが表面化すれば、株式相場の上昇も本格的なものとなっていくでしょう。なお、トヨタのダイハツ工業(7262)完全子会社化が正式発表された直後、鉄鋼最大手の新日鐵住金(5401)による同4位の日新製鋼(5413)の買収検討が明らかになっています。

 今回は、フィスコアプリにおいて以下の要件をスクリーニングしています。

(1)自動車業界向けのサプライヤー業種(繊維製品、化学、ゴム製品、鉄鋼、非鉄金属、輸送用機器)

(2)ROEが8%以上

(3)PBRが1.3倍以下

(4)フリーキャッシュフローがプラス

 収益性が高く割安な銘柄は、買収する側の企業にとって企業価値の向上につながるため、プレミアム付与を伴っても買収対象になりやすいと考えます。

 結果、10銘柄がスクリーニングされましたが、このなかで、日信工業(7230)河西工業(7256)八千代工業(7298)の3銘柄をピックアップしました。(フィスコ・佐藤勝巳)

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