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2017年7月4日 ザイ編集部

橘玲さんに聞く「幸福な人生」を設計する方法とは?
お金が増えるだけでは「幸福」になれない理由と、
「幸福」に必要なお金以外の2つの「資本」を紹介!

橘玲さんに聞く、経済合理的に「幸福な人生」をつくる方法とは?

ダイヤモンド・ザイ8月号では、「経済合理的に『幸福な人生』を設計する方法とは?」というテーマで、橘玲さんにインタビュー。詳しくは、橘さんの新刊『幸福の「資本」論』で解説されているが、インタビューではそのキモとなる考え方を聞いている。

橘さんによると、誰でも努力次第で億万長者になれる時代になったものの、人の幸福度はある一定の年収を超えると上昇しなくなるのだという。一体それはどういうことなのか? その理由を橘さんが“経済合理的”な観点から解説する。

お金が増えるだけでは「幸福」にはなれない!?
「幸福な人生」の基礎となる3つの要素とは?

橘玲(たちばなあきら):作家。金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)でデビュー。 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』 『「言ってはいけない」残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。毎週木曜日配信のメルマガ「世の中の仕組みと人生のデザイン」も人気。
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――「幸福な人生」を“経済合理的”に設計する、とはどういうことですか?

橘さん 論理的に「幸福な人生」とは何かを定義して、その定義に沿ってどうすれば幸せになれるか考えてみよう、ということです。

――幸福の尺度は人それぞれではないでしょうか?

橘さん 確かにそうです。幸せな人生とは、ある人には「巨万の富」を得ることであり、ある人には「大きな仕事を成し遂げること(自己実現)」であり、「愛する家族や仲間(共同体=絆)」を守ることだという人もいるでしょう。でもおおよそ、その3つに要素は絞られるのではないでしょうか。そうすると「幸福な人生」の基礎となる要素(インフラ)が見えてきませんか。

――ザイ読者は「巨万の富(金融資産)」をめざす人が多いと思います。

橘さん 金融資産が重要なのは「自由」を得られるからです。金融資産があれば、ツラい仕事はしなくてもいいし、欲しいモノは手に入り、時間を気にせずやりたいことに没頭できます。では、いくらあったら幸せになれるでしょう?

――金融資産は“あればあるほど”いいと思うのですが。

橘さん 本当にそうですか?「限界効用」という概念があります。お金が増えると最初はとても嬉しいですが、その幸福感はだんだん減っていきます。ある調査によると、年収800万円を超えると、幸福度のカーブは変わらなくなります。

――ビールは1杯目がいちばんウマい、というのに似てますね。

橘さん お金のことを気にすると幸福感が下がることも分かっています。個人で年収800万、夫婦で世帯年収1500万円というのは、家賃や生活費や子どもの教育費など、諸々の支払いに悩まず、かつそこそこの贅沢ができる額だということではないでしょうか。

――しかし、やはり「億万長者」に憧れる人は多いと思います。

橘さん 大卒サラリーマンの生涯収入は、3億~4億円と言われています。共働き世帯の生涯収入が6億円として、15%を貯蓄していれば、それだけで9000万円になります。年1~2%で運用できれば、退職までに1億円は超えているでしょう。

―― 「億万長者」は意外と現実的な目標なんですね。

「金融資産」「人的資本」「社会資本」のうち、
どれか2つがあると幸福は安定する

橘さん 日本や欧米などの先進国は、「誰でも億万長者になれる」ゆたかな社会を実現しましたが、寿命には限界がありますから、お金を貯めることばかり考えていては人生を楽しめなくなってしまいます。また、金融資産だけでは不安はなくなりません。経済情勢次第で、価値が失われてしまうかもしれないからです。

――株は時に暴落しますし、不動産は地価が下落するかもしれません。預金はインフレが怖いし、国債にもデフォルトのリスクがあります。

橘さん そのとき「裸一貫でも金を稼げる仕事がある」とか「いざとなったら必ず助けてくれる仲間がいる」と幸福度は安定します。仕事を通じて富と幸福を生み出す手段を「人的資本」、家族や仲間などとの絆によって幸福がもたらされる関係性を「社会資本」といいます。

 金融資産、人的資本、社会資本の“3つの資本”は、幸福な人生を構築するインフラです。ザイの読者なら1つはすでにある(サラリーマンなら仕事=人的資本)でしょうから、いかに2つめを手に入れるかが人生設計の基本戦略になるでしょう。

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橘玲さんのインタビューの続きは、ダイヤモンド・ザイ8月号で!

発売即重版決定! 幸福の「資本」論(橘玲著) 好評発売中

 今回は、現在発売中のダイヤモンド・ザイ8月号から、橘玲氏のインタビューの一部を抜粋して紹介した。「幸福の資本論」の考え方の基本について触れてきたが、インタビューの続きでは、「金融資産」「人的資本」「社会資本」という3つの資本の組み合わせによって、人生パターンが8つに分かれることをグラフ付きで解説。

現在の自分がどのパターンに当てはまり、どこを目指していきたいかがわかりやすいので、気になる人はダイヤモンド・ザイ8月号をチェック! さらに詳しく知りたい人は、『幸福の「資本」論』のほうも手に取ってみてほしい。