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2015年11月1日 ザイ編集部

下流老人→老後破産に陥らないために
60歳までにクリアしておきたい4条件とは?

60歳が定年退職という会社はまだまだ多い。アナタは60歳以降にどんな生活を送ろうと考えているだろうか。そして、「60歳になったら、もう仕事はほどほどにして、悠々自適に暮らしたい」という声をよく耳にするが、実際にそんなことが可能なのだろうか。下流老人にならないための60歳までにクリアすべき条件とは?

54歳以下の男性は60~64歳の5年間の
年金額の合計約1000万円がゼロに!

 親の世代では60歳で定年退職をして、自宅で“毎日が日曜日”という暮らしをする例も多かった。しかし、その世代と現在50代以下の世代では決定的に違うことがある。

 それは、親の世代は年金支給が60歳からだったということだ。現在、年金は65歳支給への移行が着々と進められており、男性の場合、昭和36年(1961年)4月2日以降生まれの人(現在54歳)は、年金の支給開始が完全に65歳からになる。つまり、60歳で定年退職すると65歳までのまる5年もの間、原則年金ゼロ(無収入)となってしまうのだ。

 ざっと1年間の年金収入を夫婦2人で200万円としても、親の世代とは、それだけで200万円×5年=1000万円もの収入の差がついてしまうことになる。

 そこで、まず重要なのが、この差を最小限にとどめることだ。そのために必要なのが、次から挙げる4つの条件だ。

 その第1は、60歳時点で健康で働こうと思えば働ける体力があること。病気がちだと、費用がかかるし、せっかくの老後生活を元気に活動できなくなってしまう。

 第2の条件は、60歳の時点で子どもが手離れしており、教育費の負担がゼロということ。特に大学費用は、私立大学4年間の場合、平均で449万円(学生納付金は文部科学省調べ・平成21年度、修学費、課外活動費、通学費は日本学生支援機構調べ・平成20年度)が必要。この費用を60歳以降に、捻出していかなければならないのは、かなりの痛手だ。

 第3の条件は60歳時点で住宅ローンの残債がゼロということ。住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」(2014年度)によると、マンション1戸当たりの購入価額の全国平均は3968万円、借入時の平均年齢は約40歳となっている。この条件でローンを組み、60歳時点で残債をゼロにするには、こまめな繰り上げ返済が不可欠だ。

 最後の条件は、60歳時点での貯蓄残高が約3000万円あること。当然のことだが、60歳受給開始だとしても年金だけでは到底老後を生き抜くことはできないからだ。

60歳までに増やした資金3000万円を
64歳まで働きながら3%の運用で増やせ!

 そこで、これらの4つの条件を満たす、退職金1700万円と貯蓄1000万円の合計の2700万円の老後資金がある定年退職予定の59歳の男性が、5年間の年金ゼロ時代を乗り切って、貯蓄が底をつかず無事に老後生活を送るとどうなるのか、シミュレーションをしてみた。

 その結果からは、年金受給が始まる65歳で貯蓄を使い果たし、65歳から受給が始まった年金だけでは生活できず70歳の時点で650万円の赤字になってしまうという、衝撃の事実が浮き彫りとなった。つまり、60歳の定年退職からの無年金の5年間で、2700万円を使い果たしてしまうのだ。

 ここからわかる最大の事実は、60歳で定年退職しても、65歳までは何らかの形で働いて収入を得るのが正解ということだ。実際、60歳から5年間、月28万円で働くと、65歳で底をつくはずの老後資金を81歳まで維持することができる。そして、さらに貯蓄を3%で運用できたら、一生涯の老後資金が用意できるのだ。

 下流老人になるかならないかは、まずは60歳時点の資産額、そしてその後の働き方と資産運用に掛かっているのだ。