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不動産投資で融資を受けやすい人、融資を受けにくい人の違いは?

2022年5月10日公開(2022年5月9日更新)
八木 エミリー
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 不動産投資をはじめる人が、まず苦戦するのが取り引き金融機関の開拓です。今回は、不動産投資で融資を受けやすい人、融資を受けにくい人について説明します。

イラスト :tiquitaca / PIXTA(ピクスタ)

不動産投資で融資を受けやすい人、受けにくい人の違いとは?

 不動産物件は高額なので、基本的に金融機関から融資を受けることが前提です。いわば「借入金」を加味して、家賃収入と運営経費の支出など、全体として利益を生み続ける仕組みづくりが不動産投資の肝となります。私が1棟目に購入した物件は、不動産会社が紹介してくれた金融機関から融資を受けましたが、2棟目以降は自分で金融機関を開拓しなければなりませんでした。

 しかし、不動産会社と同じで、金融機関からも最初はまったく相手にしてもらえなかったのです。それはやはり、私が20代半ばの女性だったことも大きいでしょう。当時の私と同じように業界最大手の証券会社でバリバリ働いている男性だったら、同じ属性でも金融機関からの融資には苦労しなかっただろうと思います。

 不動産投資の融資枠の上限は、年収・勤務先・勤続年数などの属性によって差がありますが、だいたいの目安は年収の最大10倍程度です。例えば、年収500万円の人は5,000万円の融資を受けられる可能性があります。もし2,000万円の住宅ローンが残っていたら、そのぶんを差し引いた3,000万円までの融資が上限になるというイメージです。

 たとえ属性が低くても、保証人になってくれる家族や配偶者が大企業の正社員だったりすると、話は変わってきます。保証人の属性が高ければ、審査が通りやすくなるのです。私の経験からすると、金融機関の融資で女性は不利になります。しかし、パートナーが高収入の上場企業の正社員や弁護士・医師などの士師業だと、金融機関の対応も違うでしょう。独身女性の場合は、国家資格をはじめとする“稼げる資格”を取得していると有利です。自営業でも安定的に高収入を得られる事業を継続していれば、検討してもらえる余地はあるかもしれません。

融資を受けにくい人

・女性(女性の場合は結婚しているか、子供がいるか、資格を持っているかも見られる)
・非正規社員、自営業、フリーランス
・安定収入を見込める資格を持たない
・自己資産(預貯金・株)が少ない
・自宅の住宅ローンがある
・各種ローンなど借金がある
・クレジットカード会社のブラックリストに載ったことがある
・保証人がいない

融資を受けやすい人

・男性
・医師、弁護士、税理士など高所得「士師業」
・大企業の正社員と公務員
・勤続年数が長い
・自己資金が多い(預貯金・株・その他で数千万円以上)
・すでに担保価値の高い不動産を所有
・不動産投資の目的、ビジョンが明確
・保証人がいる

【ポイント:金融機関の融資を有利にするため“稼げる資格”をゲット】

 私は証券会社時代に営業力を鍛えられたので、金融機関の開拓は比較的苦にはなりませんでした。その開拓法は、証券会社時代と同じ“ローラー作戦”です。まずは自分が住んでいる街や、物件を買いたいエリアにある金融機関を片っ端からリストアップして、連絡先をエクセルにまとめます。そして、上から順番に電話をかけてアポ取りしていくのです。注意しなくてはいけないポイントは、「不動産投資」という言葉を「不動産賃貸業」と言い換えることです。金融機関の担当者に電話をする際は、「不動産賃貸業の融資を受けたい」と言うことが必須です。金融機関は「投資」には融資ができないので、「投資」という言葉は使わないようにしましょう。

 私は、金融機関への面談のアポ取りを想定した「鬼の電話外交作戦」をつくって、機械的に電話をかけていきました。作戦の内容は書籍『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』に詳しく書いていますので、気になる方はぜひチェックしてくださいね。

融資を断られても、どうすれば融資を受けることができるかをヒアリング

 最初の頃は、50件電話してアポイントメントがとれるのが10件ほど。そのうち実際に話が進んだのは3件で、最終的に融資を受けられたのが1件でした。成功確率は50分の1です。融資を受けられただけで大成功ですが、まずは「数を打つ」ことを覚悟して取り組んだほうがいいと思います。「アポがとれたらラッキー!」くらいの感じで、断られてもいちいち落ち込まないことです。ただし、たとえ断られたとしても、あっさり引き下がってはいけません。どうすれば融資を受けることができるかをヒアリングするのです。

 ヒアリングのポイントは、自分の属性や購入予定の物件の条件と、金融機関の融資の条件のどこが合わないのかを細かく確認することです。私は「地元(愛知県)に法人を置いたら融資してくれますか?」ということまで確認しました。そんなふうに気になることは、1つ残らず聞き出すつもりでヒアリングしてみると、あとで役に立ちます。電話が苦手な人もいるかもしれません。でも「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の精神で、何度断られてもくじけず、地道に電話をかけ続けてヒアリングを積み重ねていくと次の一歩のヒントが見つかるはずです。

【ポイント:金融機関には「不動産投資」ではなく「不動産賃貸業」という】

 今回は不動産投資で融資を受けやすい人、融資を受けにくい人というお話をしました。これから不動産投資を始めたい人は、「たとえ属性が低くても、“稼げる資格”を取得していると融資を検討してもらえるかもしれないこと」「金融機関に電話するときは「不動産投資」ではなく「不動産賃貸業」ということ」を、ぜひ頭に入れておいてくださいね!

 

●八木エミリー  投資家。野村證券に入社後、新人で東海地区の営業成績ナンバーワンとなり、最年少講師に。26歳で辞めた後は、不動産投資を開始し、7棟の不動産を所有(購入額7.5億円)。不動産投資の自己資金は徹底した節約で貯めたもの。現在はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として中立の立場で金融商品のアドバイスなども手掛けている。20代30代を中心に経済的自立を目指すお金ビギナーを救う活動を「マネ活」としてメルマガ配信などを行なっている。著書に『今からはじめれば、よゆうで1億ためられます!』『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』(ダイヤモンド社)。最新刊は、『放置しておくだけでふつうにお金が増える投資術』(ビジネス社)

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