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FTXが巨額の顧客資産を流用したあげく破綻!
情報格差によって、多くの人が騙された。
金融の情報格差はどうやって埋めればいい?

2022年11月17日公開(2022年11月16日更新)
ポール・サイ
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金融の情報格差はどうやって埋めていけばいいのか? 

  それにはある程度の分析ツールを手に入れて、あとは自分で勉強するしかありません。

 金融は他人の話を鵜呑みにできない分野です。この連載では、ツールと情報を提供しています。この連載で取り上げた話を鵜呑みにするよりも、それが合理的かどうか、自分で判断できるようにしてみてください。自分で考えなければいけないのです。

 私が配信しているメールマガジンでは、この連載では書けない話を書いています。情報格差、分析能力の格差を縮めるのをお手伝いしています。読者のみなさんがある程度の判断が簡単にできるように、消化しやすい形で情報と結論を提供しており、結論だけを述べるのではなく、必ず理由を説明しています。

暗号資産交換業者のFTXは情報格差を利用し、たくさんの人たちを騙した。そして、巨額の顧客資産を流用したあげく、破綻した

 このたび起きたFTXの破綻はある意味、情報格差を利用して不正に儲けを得た格好の事例になっています。

 暗号資産(仮想通貨)はややこしく、数も多く、一般人には理解しづらいところがあります。そして、規制も不十分だったのです。この情報格差を利用して、FTXはうまくマーケティングを行い、たくさんの人たちを騙しました。

 FTXは暗号資産交換業者ですが、金融機関の顧客資産の管理という観点から、その存在を一言でたとえれば、銀行ではなく、証券会社のようなものと言えます。

 銀行は顧客から預かった資産を貸し出しに回しますが、証券会社は銀行ではないので、顧客の許可なく勝手に預かり資産を貸し出してはいけません。

 しかし、FTXは関連会社のヘッジファンドに問題が生じたので、禁じ手を使ったのです。FTXは顧客資産を流用し、関連ファンドに貸し出しました。そのファンドの投資失敗によって、FTXも連鎖的に損失を被り、破綻したのです。負債総額は数百億ドル(数兆円)とも言われています。これだけの資産があっという間に消えました。

 ただ、今のところ、ここから連鎖的な金融危機が起こることは幸いにもなさそうです。

暗号資産を買うとしたら、それは投機・ギャンブルだと認識しておかないといけない

 FTXは主要メディアとセレブを使って、安全、安心のイメージを作り上げていました。しかし、それらはすべてウソでした。

 この事件から学ぶべきことは……

(1)暗号資産はリスクが高すぎます。ビットコインのドローダウンは2017年以降、80%以上が2回ありました。一方、S&P500指数のドローダウンは1994年以降、最大で50%、普通は20%台です。

ビットコイン価格の推移2017年以降のビットコイン価格の推移。80%以上ものドローダウンが2回ある。

(2)投資のリスクはその投資商品について考慮しているだけでは不十分です。カウンターパーティーリスク(取引先リスク)も考えなければいけません。

(3)ビットコインなどの暗号資産に根源的な価値はありません。それを認識した上で、バブルに乗ろうと投機的な取引をすることは「あり」ですが、その取引については、場合によってすべてを失う可能性があると覚悟しておかなければいけません。

(4)複雑な商品は何かを隠そうとしているのかもしれません。

(5)おそらく暗号資産価格はこの事件が起きたことで、回復しづらくなったと思います。また、暗号資産が普及するためには、規制がしっかりしている必要があります。そして、政府は現在ある暗号資産の普及を望んではいません。通貨の発行とコントロールはその国の国力の根源であり、国家以外の勢力に自由にさせることはないでしょう。

(6)売り込みをすごく積極的に行っている金融商品に対しては疑いを持つべきです。FTXは広告宣伝に非常に積極的でした。

 以前の連載でも暗号資産への投資はお奨めしないと書いたことがありましたが、その理由を詳しく挙げれば、以上のようなことになります。暗号資産を買うとしたら、それは投機・ギャンブルだと認識しておかなければいけないでしょう。

推奨ポートフォリオは13.6%ほどのプラスリターン。同期間のS&P500指数を21.37%上回る

 投資では情報が重要です。お陰様で、メールマガジン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」では結果的に読者のみなさんへいい情報を提供することができています。

 推奨ポートフォリオは、スタートとしてから足元まで、ドルベースで13.6%ほどのプラスリターンとなっています(11月14日現在)。同期間のS&P500指数はマイナス7.77%でしたから、それを21.37%も上回っています。お奨めした10銘柄のうち、8銘柄はプラスのリターンです。

 引き続き分析ツール、分析のベースとなる情報、私の投資判断などを提供し、読者のみなさんがFIREを実現できるよう、お手伝していきたいと考えています。

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

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