成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

アメリカがイランのウラン濃縮施設を爆撃。しかし、戦争は拡大せず、外交交渉に向かう可能性が高い。一時的に売られた優良銘柄があるなら買いの好機だ

2025年6月25日公開
ポール・サイ
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

アメリカがイランのウラン濃縮施設を爆撃

 2025年6月、トランプ大統領はイランのウラン濃縮施設への爆撃を命じました。

 本人は「成功だった」と主張していますが、被害の全容やその深刻度についてはまだ確認されていません。とはいえ、イランの核開発計画が遅延したことは確実です。

 そして、今後もイランの核開発計画の進行をもしも抑えようとするなら、継続的な攻撃が必要になるでしょう。

アメリカがイランを攻撃しても株式、為替、原油価格など金融市場の反応は限定的

 注目すべきは、金融市場の反応が非常に限定的だった点です。

 S&P500は小幅な下落にとどまり、円相場もそれほどは動きませんでした。

S&P500 日足S&P500 日足 出所:TradingView
米ドル/円 日足米ドル/円 日足 出所:TradingView

 原油価格は一時的に急上昇したものの、その後、大きく下落しました。

 アメリカによるイラン攻撃の前には、イスラエルがイランを攻撃し、イランが反撃するということがあったわけですが、原油価格は最初のイスラエルによるイラン攻撃前の水準ぐらいまで下がっており、今は落ち着いた動きになってきています。

WTI原油 日足WTI原油 日足 出所:TradingView

 また、アメリカは現在、石油の純輸出国となっており、かつてのように原油高が経済に与える影響は小さくなっています。

戦争拡大は考えにくく、最終的には外交交渉に向かう可能性が高い

 また、アメリカ国内では戦争に対する否定的な世論が根強く、トランプ大統領自身もエスカレーションを望んでいないと見られます。

 アメリカとしては戦死者の発生を避けたい意向があり、イラク戦争のような地上戦への拡大は考えにくいでしょう。一方で、イラン側にも明確な勝ち筋はないと見られます。

 今は停戦に向けた情報が出てきつつも、その内容が錯綜しているような状態ですが、最終的には外交交渉に向かう可能性が高いと考えられます。

ロシアや中国がイランの件に軍事的介入を行う可能性は低い

 さらに、ロシアや中国はイランとの関係は主に経済面が中心ですので、この件に軍事的介入を行う可能性も低く、地政学的リスクが中東以外に波及する懸念も現時点では小さいと見られます。

 むしろロシアは、この隙を利用してウクライナ戦争で有利に動こうとするかもしれません。また、中国はこの機会を利用して、アジアなどでの中核的な利益、たとえば台湾などについて、有利な方向へ持っていこうとすると思います。

トランプ政権が掲げるスローガンに反するようなイラン攻撃だが、投資の観点からは「ノイズ」に過ぎない。一時的に売られた優良銘柄があれば買いの好機

 総じて見ると、今回の件は、トランプ政権が掲げる「アメリカ・ファースト」(アメリカ第一主義)という孤立主義的な傾向や「MAGA」(Make America Great Again、アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)のスローガンからしてみれば、方針転換とも言える動きです。

 しかし、投資の観点からは今のところ「ノイズ」に過ぎないというのが妥当な見方でしょう。

 むしろ、今回のニュースで一時的に売られた優良銘柄があるなら、それは買いの好機と捉えるべきです。

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。


ダイヤモンド・ザイのお得な定期購読はこちら!
ダイヤモンド・ザイのウェブ会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! マネックス証券の公式サイトはこちら 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

株主優待
人気株500激辛診断
最新理論株価

11月号9月20日発売
定価990円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[株主優待/人気株500激辛診断]
◎巻頭特集
優待の達人へのアンケートでランキング!
目的別株主優待カタログ88
●桐谷さんは優待新設ラッシュをどうみる?&
実際に買った優待新設株35銘柄

●2大優待賢人ようこりん&桐谷さんが語る
暮らしも投資もトクする株主優待の魅力」
●ようこりんが大盤振る舞い!
株主優待BIGプレゼント
<家計応援優待>食品/日用品/買い物
●<プチ贅沢優待>グルメ/レジャー・エンタメ/リッチ雑貨

◎第1特集
買っていい高配当株は98銘柄!
<2025年秋>
人気の株500+Jリート14激辛診断
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
業績の初速好調で上ブレ期待/株価出遅れで上昇余地大/値上げが順調などインフレに強い
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
第1四半期の進捗率が高い/アナリストが強気/配当利回りが高い/初心者必見の少額で買える/理論株価より割安
●2025年秋のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株393/新興株86/Jリート10

◎第2特集
関税の影響は?AIってどこまで浸透?
人気の米国株150激辛診断[2025年10-12月]

●米国在住プロのリアルレポート
●GAFAM+αの8銘柄を定点観測

●買いの注目優良株&高配当株
●人気の124銘柄の買い売り診断
ナスダック49/ニューヨーク証券取引所
●株価10倍を狙う!米国IPO株

◎第3特集
大幅上昇を狙う!
未来を変える革新的な企業を買う投資信託

●テーマ型投信に投資するメリットと注意点
●最新テクノロジーはすべての土台!半導体/AI

●次世代を担う最有力テーマ!宇宙/ロボット
●いま勢いのあるテーマに乗る!暗号資産/エンタメ/サイバーセキュリティ

【別冊付録】
増益予想で割安な株は1501銘柄
上場全3889社の最新理論株価

◎連載も充実
​●読者参加型企画・1カ月で上がる株を当てろ!
「エア・ウォーターが1番!任天堂は利益確定売りで失速」
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.14
「後払い決済のトラブルに注意」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.09
「大相場を生む『要人発言』」
●おカネの本音!VOL.39 小川コータさん
「マイクロソフトにフリック入力を売却した発明家の稼ぐ思考法」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.107
「添い遂げる!? 生成AIと米国企業」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「大幅値上げは不可避!日本の水インフラは深刻な危機」
●人気毎月分配型100本の「分配金」データ!
「株価上昇や円安で利回り10%超が16本と急増!」


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報