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【1】今日の株式相場早わかり!
米経済指標で引き締め警戒、半導体決算さえない
日経平均株価は反落! 終値としては10月3日(2万6215.79円)以来の安値を付けた。22日の米国市場では主要株価指数が3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は2%超の下落。7~9月期国内総生産(GDP)の上方修正などで金融引き締めへの警戒感が強まった。また、半導体のマイクロン・テクノロジーの決算で厳しい事業環境が確認されたことも投資家心理を冷やした。本日の東京市場もこうした流れを引き継いで軟調な展開となり、特にレーザーテックや東京エレクトロンといった半導体関連株が大きく下落した。
今日発表された日本の11月消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.7%とおよそ41年ぶりの伸び率を記録。今晩の米国でも、連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する11月のPCE(個人消費支出)コアデフレーターに注目したい。
【日経平均】26235.25円↓↓(-272.62円)
【マザーズ指数】707.23↓↓(-14.46)
【NYダウ】33027.49ドル↓↓(-348.99ドル、22日)
【ナスダック】10476.119↓↓(-233.251、22日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
GX基本方針、原子力・再エネ…関連銘柄は?
今日の取引では東京電力ホールディングスが+3.01%、関西電力が+5.28%と大きく上昇。政府のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議が22日、GX実現に向けた基本方針(案)をまとめた。環境やエネルギー安全保障の観点から原子力・再生可能エネルギーを活用していく姿勢が示され、電力大手は原子力発電所の再稼働による採算改善の思惑から買いが入ったようだ。電力大手のほかにも関連銘柄を下表にまとめた。
原子力については、次世代革新炉の開発・建設に取り組むことや、現行制度と同様に運転期間40年、延長20年の制限を設けたうえで、一定の停止期間に限り追加延長を認めることなどが盛り込まれた。次世代炉の開発では、12月22日号で2022年の大型株値上がり率ランキングトップとして紹介した三菱重工業が注目銘柄。今日は利益確定売り優勢だったが、防衛力強化、航空機需要の高まりと追い風への期待は強い。日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の合弁会社などでも、次世代炉の開発状況に注目したい。
また、水素・アンモニアの導入拡大に向けて制度構築やインフラ整備を進めることも示されたが、先に供給企業への支援策が伝わって人気が再燃しているのは岩谷産業。国内トップサプライヤーとして、水素ステーションなど供給網の整備を進める。重工大手では川崎重工業が世界初の液化水素運搬船を開発するなど、水素活用に注力している。
■岩谷産業株価チャート/日足・6カ月
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
全般に堅調発進! スカイマークは大口需要家も
来週29日のスマサポまでIPO(新規株式公開)ラッシュが続くが、ひとまず1~21日に上場した14社の結果を振り返りたい。22日以降の11社も別の機会に取り上げる。
16日のフーディソンが公開価格と同値だったが、初値の公開価格割れはなく、全般に堅調な出足だ。14日の大栄環境とスカイマークは10月のソシオネクストに次ぐ大型IPOだったが、そろって公開価格を上回る初値を付けた。逆に株式需給(売りと買いのバランス)が引き締まりやすい小型IPOでは、上場初日の気配値上限水準となる公開価格の2.3倍前後まで初値を伸ばしている。日銀の金融政策決定会合の結果を受けて株式相場は大きく崩れたが、IPO銘柄の初値形成にさほど影響は出ていない。
約8年ぶりの再上場で注目されたスカイマークだが、14日は東証プライム上場の安定感や環境関連のテーマ性からか大栄環境に買いが向いた。ただその後、スカイマークも追随する形で上昇。22日には米運用大手キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーがスカイマーク株の大量保有報告書を提出した。IPO株の海外大口需要家が改めて確認できたことは明るい材料だ。また、不安定な市場環境で価格算定能力の高い機関投資家にIPO株を販売する際は、上場までの市場変動リスクを十分に織り込んだ保守的な価格設定になっていると考えられ、投資機会として狙っていきたい。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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