ポール・サイさんが「WORLD MARKETZ」にゲスト出演。テスラ、GAFAの決算や今後の見通しを解説!
元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。
今回出演したのは1月31日(火)放送回。前回、1月17日(火)の放送では、2017年からのテスラユーザーであるポールさんが、テスラは昨年(2022年)大きく下落したけれど、悪い会社ではないとの見方を披露した。テクノロジーは中長期で成長する分野であり、テスラに限らず、強みを持つハイテク銘柄が長い目で見て回復するのは自然なことだから、安くなったところをピックアップするのがいいとのことだった。
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今回の放送では、前回取り上げたテスラに加えて、GAFA(※)の決算や、今後の見通しを解説。シアトルの自宅でニワトリを飼育したり、年末年始はハワイで過ごしたりしているポールさんが、今度はカリブ海に旅行する話も飛び出すなど、硬軟織り交ぜた内容となったので、早速チェックしていこう。
(※GAFAとは、グーグル(現アルファベット)、アマゾン、フェイスブック(現メタ)、アップルの頭文字をとったもの)
シアトルで話題になっているのは、新しい教育長の就任。シアトルと日本のかかわりは、今も昔もある
トーク冒頭、アシスタントの木村カレンさんに、シアトルで話題になっていることを聞かれたポールさん。
ポールさんが住んでいる街、ベルヴューでは、新しい教育長が2月から就任することが話題になっているとのこと。コロナ禍での生徒数減少に伴い、コストを削減するため、学校を3つ閉鎖する案が出ていて、それに住民が反発していることから、新しい教育長の手腕に注目が集まっているという状況のようだ。
ちなみに、その新しい教育長は日系5世だそう。シアトルにいる日系人の多くは、新しい移民ではなく、1900年代に農家として移民してきた日本人の4世や5世とのことだった。ポールさんの家の周辺で、一番大きなアジアのスーパーは「宇和島屋」という名前で、日系人が経営している中小企業もあるなど、シアトルと日本のかかわりは、今も昔もあるようだ。
インフレが緩和しているので、FRBの利上げは思ったようにいかない
続いて、スタジオMCの渡部一実さんが、2月1日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が出ることに言及。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ見通しと比べて、市場は高い利上げを織り込んでいないことについて、ポールさんに意見を求めた。
ポールさんは前回の放送で、インフレが落ち着いていることや、「HOPE(※)」で景気を見ると、不景気のサイクルに入っていることを話してくれたのだが、今回も同様に、インフレが緩和しているので、FRBの利上げは思ったようにいかないと、市場が織り込んいるとの見方だった。
(※「HOPE」の「H」は住宅の「Housing」、「O」は受注の「Order」、「P」は利益の「Profit」、「E」は雇用の「Employment」で、それぞれの頭文字をとったもの)
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一方で、FRBの立場的には、利上げへのメッセージを緩めてしまったら、市場のマインドも緩和的になってしまい、ゴール直前で失敗する可能性もあるため、これまでの姿勢はギリギリまで変えられないとのこと。
いずれにしても、市場が織り込んでいる利上げのピークの水準と、FRBが目指している水準の差はそこまで大きくないため、重要なのは、利上げのピークの水準よりも、利下げのスピードだと結論付けた。
また、「HOPE」の中で、住宅の「Housing」が悪化していることを、ポールさんも肌で感じているようだ。
ポールさんが住んでいるシアトルのベルヴューは、住宅価格が割と高い地域なのだが、最近は250万ドルだった家が150万ドルに下がったりしているそう。取引も、昔は数日で売れていたものが、1カ月以上かかることもあって、金利が上昇した悪影響が住宅に来たと話してくれた。
アップルに注目せず、アマゾン、グーグル、メタに注目する理由は?
そして、「HOPE」の話の流れから、利益である「Profit」、決算発表が次の話題に。
アップル、アマゾン、グーグル、メタの決算発表を直前に控え、ポールさんが注目したのはアマゾン、グーグル、メタだった。
つまり、ポールさんはアップルの決算に注目していないことになるわけだが、その理由は、株価がそこまで下落していないからということだった。
前回の放送でも、強みを持つハイテク銘柄が安くなったところをピックアップする方針を示していたポールさん。アップルの株価はあまり下落していないため、投資妙味が薄いと判断したのかもしれない。
メタの注目ポイントはTikTokの行方。PERは15倍で比較的安いのもいい
続いて、メタの注目ポイントとして、ポールさんが挙げたのがTikTokだ。
中国資本のTikTokは、セキュリティの問題で米政府から危険視されており、EU(欧州連合)でも訴訟を抱えていることから、TikTokの競合サービス「リールズ」を提供しているメタにとってはプラスとのこと。
不景気で広告収入は減少するものの、リストラによるコスト削減で利益をどれくらいサポートできるかもポイント。
また、メタのPER(株価収益率)は15倍で、比較的安いことも、ポールさんの評価につながっているようだ。
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