私は先週、東京乗り換えで、台湾に帰りました。台湾へは新型コロナ禍以降、帰っていませんでした。東京は往路と復路で1泊ずつしました。本格的なインバウンドが再開されてから日本に帰るのは初めてなので、印象的でした。
今回のインバウンドは前回の中国人の爆買いと違って、米国からの観光客が多いです。やっぱり円安はかなり魅力的です。
シアトルで普通の中華ランチセットを食べると2900円ほどもかかる!
シアトルで普通の中華のランチセットを食べると、18ドルかかります。支払うのが義務に近い20%のチップを入れると、22ドルほどになります。今の為替で日本円に換算すると2900円ほどになります。
一方、日本では500円で弁当を食べることもできます。ロイヤルホストみたいなレストランでも1000円ぐらいでランチが食べられますが、これは内容的には先ほど書いたシアトルの2900円相当のランチと同じぐらいのレベルだと思います。日本の生活費は圧倒的に安いです。
日本に住んで、海外で稼ぐのはとてもいいFIREのやり方、あるいは生活モデルになると思いました。
そして、一般的な人が海外に住まないで海外で十分稼ぐ方法は、外国株に投資すること以外あまりないと思います。その中で、米国株はいい投資先だと思います。
米国の1人当たり収入は日本よりもなぜ大きく伸びたのか?
米国の1人当たり収入は、物価調整ベースで考えると、1990年には日本より17%高かったのですが、今は54%高いです。
なぜそうなったかというと、米国経済は日本よりももっとダイナミックで、変化しているからです。その代わり、社会的に不安定なところがありますが、イノベーション促進、生産性上昇のためにはその方がいいのです。
このようなことから、20年前に1万ドルをS&P500に連動するETF(上場投資信託)「SPY」に投資していれば、今は6万7869ドルになっています。当時の米ドル/円レートは119.5円でした。今は134円です。円換算すると、20年前の119.5万円の投資が909.4万円になる計算です。20代でその1万ドルを投資していれば、それが900万円になった時、まだ40代です。
この過去の経験からわかることは、長期保有の重要性です。短期で大儲けするストーリーは魅力的ですが、成功する確率は低いです。宝くじに当たるのが魅力的というのと同じようなものです。宝くじを買うような感覚で投資をやるのではなく、時間をかけて投資して、お金を稼いだ方が確実です。コツコツ働いてお金を貯めるのと同じような感じです。
以上、外国株、そして米国株に投資する意義について説明しましたが、さらに、なぜ個別銘柄に投資するのがいいのか、ということを説明したいと思います。
インデックス投資の弱点とは?
S&P500のようなインデックスは時価総額加重平均で構成されています。株価指数を構成する、ある銘柄Aがあったとしましょう。銘柄Aの株価が上がると、インデックスにおける銘柄Aの比重は高まります。
そんな時にそのインデックスに連動するインデックスファンドを買えば、銘柄Aについては比重が高まっている分、多く買うようなことになります。しかし、このような時はマルチプルの上昇によって、株価が企業価値より高くなっている場合が多いのです。そうなると、銘柄Aを割高なタイミングで買うことになります。
銘柄Aの株価が下がって時価総額が縮小している時は、インデックスにおける銘柄Aの比重が低くなっていますので、そんな時にインデックスを買っても、銘柄Aについてはあまり多く買わないことになってしまいます。つまり、割高になっているものを多く買い、割安になっているものをあまり買わない傾向となってしまうのです。
個別銘柄を買って、ポートフォリオを自分で構成すると、以上のような効果を防ぐことができます。
あと、銘柄選定により、インデックスに対してプラスαのリターンが取れます。これは決して簡単ではないですが、しっかり勉強して、いい会社を選んでいれば、毎年安定的に数%指数に対して勝つことは可能だと思います。
米国株、世界株、そして個別銘柄に投資しましょう。
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
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