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【1】今日の株式相場早わかり!
米地銀の預金流出を懸念、ハイテク大手決算は好感
日経平均株価は3日ぶり反落! 25日の米国市場では主要株価指数がそろって下落した。決算で預金流出への懸念が再燃したファースト・リパブリック・バンクが急落。調査会社コンファレンス・ボードが発表した4月の消費者信頼感指数も低下し、景気の先行きに警戒感が広がった。一方、ハイテク大手のアルファベットやマイクロソフトは決算を受けて時間外取引で上昇。今日の東京市場では米株安の流れを引き継いで売りが先行すると、朝方こそ下げ渋るも後場に一段安となる場面があった。
イオンによる子会社化を発表したいなげやは買い気配のままストップ高比例配分。一方で12日上場のispaceは月面着陸に失敗し、ストップ安比例配分となった。決算発表銘柄ではコメリが急伸、シマノが急落した。今日はファナックやキヤノンが決算を発表。米国では3月の耐久財受注やボーイング、メタ・プラットフォームズの決算が発表される。
【日経平均】28416.47円↓(-203.60円)
【マザーズ指数】738.57↓↓(-12.26)
【NYダウ】33530.83ドル↓↓(-344.57ドル、25日)
【ナスダック】 11799.157↓↓(-238.047、25日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
建設株で株主提案相次ぐ! 増配・自社株買い求める
今日は海外ファンドから株主提案が出たことが伝わった大林組や戸田建設、自社株買い発表の清水建設が買われ、業種別騰落率でも建設業が値上がり率トップ(+1.58%)となった。株主提案の内容や建設セクターの株価の状況を確認してみよう。
大林組に対しては、英シルチェスター・インターナショナル・インベスターズが1株あたり12円の特別配当を実施することを提案したと伝わっている。大林組は2023年3月期、年42円(中間・期末とも21円)の配当を計画しているが、PBR(株価純資産倍率)の低さなどを理由に追加還元を要請した格好だ。また、戸田建設は仏ファンドから発行済株式(自己株式を除く)の約10%相当を上限に自社株買いを実施する株主提案があったことを発表した。当該ファンドは「物言う株主(アクティビスト)」として知られる米ダルトン・インベストメンツが実質的に運用しているとみられる。シルチェスターは増配提案の実績が多いが、直近の変更報告書によれば戸田建設株も約9%保有しているようだ。
建設セクターの時価総額上位で、PBRが「解散価値」とされる1倍を割り込み、ROE(自己資本利益率)が市場の要求水準である8%を下回る銘柄は上の表の通り。ゼネコンでは大林組や戸田建設のほか、清水建設、奥村組などが顔を出している。清水建設は今日の午後、業績修正とともに自社株買いの実施を発表した。きんでんや関電工など電設工事会社も目立つ。
東証が上場各社にPBR1倍割れの是正を要請しているが、建設セクターでは「株主からの要求」も強まってきた。6月の定時株主総会ではゴールデンウィーク前後が株主提案の期限(総会日の8週間前)となるため、今後も同様のニュースが出てくる可能性はありそうだ。
■大林組株価チャート/日足・6カ月
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【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
公的年金はどのように資産運用しているの?
(ご質問)
国民年金や厚生年金はどんな資産にどのような割合で投資しているのでしょうか?
(答え)
国内外の株式や債券に25%ずつ分散投資しています。分散投資の効果も覚えておきましょう!
国民年金と厚生年金の積立金を運用するのは、厚生労働省所管の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という組織です。現在の基本ポートフォリオは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式にそれぞれ25%ずつとなっています。せっかくなので、複数資産に分散投資する意味を考えてみましょう。
分散投資の重要性を説明する際、昔から使われる言葉に「卵を1つのカゴに盛るな」というものがあります。資産によって値動きが異なるのはイメージしやすいでしょう。ある資産が下がっているときは、他の資産が上がることでリターンが安定し、価格変動リスクを抑えることができます。もう少し踏み込んで言うと、分散投資によって「リターンは各資産の平均になる一方、価格変動リスク(標準偏差)は各資産の平均より小さくなり、リスクとリターンの関係が改善する」わけです。
GPIFは「名目賃金上昇率を差し引いた実質的な運用利回り=1.7%の達成」を長期的な目標としています。大事な国民の年金資産を預かる以上、より価格変動リスクを抑えた運用で目標達成を目指すのは責務で、複数資産への分散投資はその手段です。各資産25%ずつというのも、一見「えいや」で決めたように見えますが、検証を重ねた上で決めた、最も効率的なポートフォリオなわけです。
個人向けの投資信託でこうした資産分散の考え方を取り入れたのがバランス型ファンドです。最近は「のむラップ・ファンド」シリーズのように年金に近い運用手法を活用する投資信託も増えています。
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