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【1】今日の株式相場早わかり!
2万9000円台回復! 明日は連休など控え注意
日経平均株価は3日続伸! 終値で昨年8月以来となる2万9000円台を回復した。4月28日の米国市場では主要株価指数がそろって続伸。決算が市場予想を上回った半導体のインテルなどが買われた。また、3月の個人消費支出(PCE)価格指数などがインフレの根強さを示す一方、当局による救済観測が報じられたファースト・リパブリック・バンクが急反落し、安全志向の債券買いが金利低下を促した。先週末に日銀が金融緩和策の維持を決めたことも相まって、1ドル=137円近くまで円安が進行。週明けの日経平均株価は米株高・円安を受けて2万9000円台を回復してスタートすると、その後も堅調に推移した。
決算発表銘柄の動向はこの後の注目株コーナーで取り上げる。今晩の米国ではサプライマネジメント協会(ISM)が4月の製造業景況感指数を発表。また、明日の取引は5連休前であることや、欧米の金融政策決定会合が控えていることに注意したい。
【日経平均】29123.18円↑(+266.74円)
【マザーズ指数】741.72↓(-3.52)
【NYダウ】34098.16ドル↑(+272.00ドル、4月28日)
【ナスダック】12226.584↑(+84.346、4月28日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
決算でメルカリ・NEC急伸! レーザーテック軟調
先週末の4月28日は月末、さらに大型連休前とあって比較的多くの企業が決算発表した。主要企業、注目度の高い中小型株など、売買代金上位で値動きの目立った決算発表銘柄を下表にまとめた。
株価が+15.75%と急伸したのはメルカリ。2023年6月期第3四半期(7~3月)の営業損益は115億円の黒字(前年同期は46億円の赤字)に転じ、新たに開示した通期の営業損益予想も135億円の黒字(前期は37億円の赤字)とした。グループ全体に投資規律が浸透したことなどから、想定以上の利益を確保できる見通しとなったことが好感された。なお、通期の流通総額(GMV)はフリマアプリなどの国内「マーケットプレイス」事業で前期比9%程度の増加、米事業で12%前後の減少を見込む。
また、NECは前期決算、今期予想とも市場の想定を上回った。幅広いセグメントで改善を感じさせ、2026年3月期の調整後営業利益3000億円達成への期待が高まったようだ。2024年3月期の配当予想は1株あたり年120円(中間・期末とも60円)とした。
一方、レーザーテックは朝高後に伸び悩み-3.29%。決算発表前まで下落が続いただけに、大幅増益決算を受けて買いも入ったようだが、受注再拡大の兆しが見出しづらかった。4月28日号でも速報したソニーグループは前期業績の上振れ(営業利益予想1兆1800億円に対し1兆2082億円で着地)を評価する声が多かったが、株価は決算発表前に上昇。今期減益見通しも相まって、利益確定売りが先行したようだ。中小型・新興株では、かねて成長期待の高かったM&A総研ホールディングスやソシオネクストが急落した。
■メルカリ株価チャート/日足・6カ月
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【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
連休中にFOMCなど、市場は悲観か楽観か?
先週の日経平均株価は+292.07円(+1.02%)。ファースト・リパブリックなど米銀をめぐる不安が再燃したが、国内外で主要企業の決算発表が本格化し、個別物色中心となって相場全体としては方向感に欠ける展開が続いた。ただ、週末の4月28日(金)に植田日銀として初の金融政策決定会合で緩和策の維持が決まり、円安・株高に傾いた。
週明けも買いが先行したが、3日(水)から5連休のため、明日の東京市場は持ち高を傾けづらくなりそうだ。海外では2日(火)~3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日(木)に欧州中央銀行(ECB)理事会、5日(金)に米4月雇用統計の発表と、連休中に重要イベントが相次ぐ点にも注意したい。FOMC、ECB理事会とも0.25%の利上げを決めるとみられており、焦点は市場の期待通り利上げ打ち止めが示唆されるかになりそう。
もっとも米国では賃金インフレの根強さを示すデータも散見されるため、週末発表の雇用統計が金融政策の先行きへの見方を一転させる可能性もある。市場予想は非農業部門雇用者数が前月比18万人弱の増加(3月は23.6万人増)などとなっている。経済情勢をめぐってはISMの発表する景況感指数も注視したい。
米銀の貸し出し厳格化などが報じられているが、4月3日号の当コーナーでも予想した通り、シカゴ連銀の発表する全米金融環境指数は4月に入り緩和傾向(=資金が取りやすくなる)が続く。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)が節目の20を大きく下回っていることからも、各種報道とは裏腹に市場は楽観ムードとみた方がいいかもしれない。ただ、緩和的な環境で強いはずの新興株の伸び悩みに信用不安がくすぶっていることも感じられる。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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