成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

AIは本物で、これから一気に発展する!恩恵を受けやすいのは、大型テック株やテスラ。これから先、3年、5年、10年と長いテーマになる!

2023年6月16日公開(2023年6月16日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

AIは本物で、これから一気に発展する! 大型テック株やテスラなどが恩恵を受けやすい

 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

 前回の放送では、5月に時価総額が1兆ドルを超えたNVIDIAに注目。NVIDIA急騰の背景や今後の見通し、周辺の会社でオススメできる銘柄などを教えてもらった。
【※関連記事はこちら!】
NVIDIAの時価総額が1兆ドル超え! 現在のAIはインターネット初期と同じ感覚で、これから先は長い! 周辺の注目銘柄は、大きいソフトウェアの会社

 そして、今回の放送ではまず、ポールさんの息子さんがこれから入学する高校の、PTAの銀行口座に、なぜか大金が預けられているという話題に。また、放送直前に米CPIの結果が発表されたことを受けて、FRBがインフレと金融政策をどう考えているのか、ポールさんの見方を披露。注目しているAI関連銘柄や、来年の米大統領選についても語ってもらったので、さっそくチェックしていこう。

高校のPTAの銀行口座に4200万円の預金! 短期金利が5%になっていることを知らない主婦のPTA役員

 番組は、アシスタントの木村カレンさんが、ポールさんの最新情報を紹介するところからスタートした。

 ポールさんには、6月に中学を卒業した息子さんがいて、ポールさん自身も中学のPTA会長をやっていたのだが、息子さんがこれから入学する高校の、PTAの役員にもなるとのこと。

 高校の新年度が始まる前に、ポールさんはPTAの役員会に参加したのだが、そこでビックリしたことがあったという。

 なんと、PTAの銀行口座に30万ドル、日本円で4200万円ほどの預金残高があったというのだ。

 これには木村さんも、番組MCの渡部一実さんも「えっ!」と声を上げて驚き、そんな大金がなぜPTAの銀行口座にあるのか、興味津々の様子。

 その理由は、PTAが開催するフリーマーケットにあるとポールさんは教えてくれた。

 PTAのフリーマーケットでは、子供が成長して小さくなったスキー板を売買しており、年間15~20万ドルほど儲かっているそう。スキー板のフリーマーケットとしては、ワシントン州で最大の規模であり、儲けに対する税金もかからないため、お金が貯まっていく一方のようだ。

 ここで渡部さんが、ポールさんは投資のプロなのだから、アメリカの大学が資金運用しているように、高校のPTAの4200万円を運用してはどうかと、冗談半分に提案。

 ポールさんとしても、なんとか助けてあげたいけれど、高校のPTAの資金はずっと運用されていないから、遠慮しているとのことだった。

 ただ、PTAの役員は主婦が中心で、短期金利が5%になっていることを知らなかったそう。30万ドルの5%は1万5000ドル、日本円だと二百数十万円と、割と大きな金額になることをポールさんが教えてあげたら、金利がゼロの地銀から、預金を移動しようという話になったそうだ。
【※関連記事はこちら!】
日本人は、台湾と中国に近いという意味で、分散投資する価値はある! 債務上限問題や地銀問題があっても、米ドルは比較的安全で、金利も4.7%あっていい

インフレが緩和するトレンドは変わらない。FRBが金利をビックリするほど引き上げることはなさそう

 そんな金利の話の続きで、今度はFOMCの話題に。

 放送直前に発表された米CPIは、ほぼ予想どおりの結果となり、FEDウォッチを見ると、6月のFOMCでは利上げはせず(※)、7月に0.25%利上げするとの見方が多くなっていることについて聞かれたポールさん。

(※6月14日(水)のFOMCでは、政策金利の据え置きが決定され、1年余り続いた利上げがいったん停止した)

(出所:WORLD MARKETZ)

 このCPIの数字は、インフレが緩和している数字で、FRBは少し安心しているとポールさんはコメントした。

 なぜ安心しているのかというと、このCPIが出る前まで、FRBは難しい選択を迫られていたからだそう。金利を引き上げすぎて、インフレが高く出てしまうと、さらに金利を引き上げられなくなる可能性があった。

 けれど、今回はインフレが高く出ず、金利を引き上げる必要もなくなったため、少し安心しているということだった。

 さらに、いろいろな指標を見てみると、インフレが緩和するトレンドは変わらないようだ。

 石油や肥料の値段が、トレンドとしては下がっていて、家賃も値上げが緩和しているとのこと。

 特に家賃は、アメリカの不動産情報検索サイトRedfinの資料によると、昨年3月のピーク時が前年比17.5%上昇だったものの、今は前年比マイナス0.6%まで下がっているという。

 また、家賃の更新契約の統計を見ると、こちらも下がっており、これから1年間は家賃が上がらないと考えていいようだ。

 そして、経済活動の指標の1つである段ボールの出荷は、3カ月移動平均の前年比がマイナス0.3%と、割とスローダウン。

 賃金は5月が少し強く、前年比6%上昇していて、過去の平均である前年比3~4%からすると高いものの、経済活動、家賃、石油、肥料などはある程度落ち着いており、FRBが金利をビックリするほど引き上げることはないのではないかと、ポールさんは結論付けた。

S&P500は強気相場入りしたが、AIの恩恵を受けた7~10の大型テック株だけすごく上昇している

 次は、注目している株のセクターや銘柄の話題に。

 前回の放送で、NVIDIAはAIを材料に上昇していることを紹介したが、ポールさんは最近、文章を書くときにAIを使って添削したり、自分でやると大変な、ストレートな表現を丁寧にするための、かざりをつける作業を、AIにやってもらったりと、AIの進化を実感しているようだ。
【※関連記事はこちら!】
NVIDIAの時価総額が1兆ドル超え! 現在のAIはインターネット初期と同じ感覚で、これから先は長い! 周辺の注目銘柄は、大きいソフトウェアの会社

NVIDIA 日足 (出所:TradingView)

 そして、こちらも前回の放送でポールさんが話していたことだが、現在のAIは、インターネットの初期に似ていて、恩恵を受けやすいのは大型テック株だという。

 実際に、S&P500は安値から20%上昇して強気相場に入ったけれど、AIの恩恵を受けた7~10の大型テック株だけすごく上昇していて、ほかの銘柄は横ばいに近く、そこまで上昇していないとのこと。マクロ経済はすごく悪いわけではないが、そんなによくもないようだ。

S&P500 週足 (出所:TradingView)

 また、1月や2月の放送で取り上げたテスラをもう一度見てみると、昨年12月に100ドルだったテスラが、今はもう250ドルまで上昇しているとポールさん。
【※関連記事はこちら!】
テスラの上昇を的中! 次の上昇銘柄はアマゾン? グーグル? メタ? ChatGPTが将来、グーグル検索を代替する恐れアリ!?
景気は「HOPE」で判断せよ! テスラユーザーのポール・サイ氏のテスラ株の見立ては「長期では買い!」

テスラ 週足 (出所:TradingView)

 テスラの上昇もAIが材料なのだが、それとは別に、フォードとGMがテスラの充電規格を使うことになり、充電のネットワークが充実するといった材料もあったようだ。

現在のAIはインターネットの初期に似ているが、AIはインターネットより大きい。パズルのピースがそろい始め、発展が一気に加速する

 ここまで書いてきたとおり、ポールさんは基本的に、AI関連では大型テック株とテスラなどがよさそうだと考えている。

 ポールさんは、AIが本物だと確信しており、そんなAIが本格的に話題になったのはたった数カ月前で、これから先、3年、5年、10年と長いテーマになると見ているようだ。

 先ほど、現在のAIはインターネットの初期に似ていると書いたが、インターネットが人類を終わらせるという話はなく、インターネットの開発を止める動きはなかったとポールさん。

 一方、AIの開発を止めないと人類は終わりという話もあり、AIはインターネットより大きいものと捉えているようだ。

 また、ビットコインがあったから、NVIDIAのプロセッサーが進化していったように、インターネットや仮想通貨がないと、AIは始まらなかったとのこと。

 人類の進展は、いくつかのものがたまたま組み合わさって、世界中で同時に発明が出てくることが多く、AIはパズルのピースがそろい始めており、これから発展が一気に加速すると、ポールさんはにらんでいる。

アメリカ社会はこれから5年、政治的に不安定な状況に

 最後は、来年の米大統領選の話題に。

 共和党はトランプが圧倒的だけれど、起訴されてしまったことについて聞かれたポールさん。
【※関連記事はこちら!】
前大統領トランプ起訴! でも白黒つけるのは難しい。トランプ当選か、落選か、有罪か、無罪かによって、考えられるシナリオは?

 まず、トランプの起訴は悪い前例だとコメント。「韓国や台湾では、大統領がやめたあとにすぐ牢屋に入る」と、アジアの例を引き合いに出し、アメリカもそういう風になってくると、いいインセンティブが働かないと心配していた。

 ただ、トランプが起訴されても、支持率が下がるわけではないようだ。

 起訴された事項も、違反は違反だけれど、書類の扱い方が乱暴だったといった細かいことだそう。どの政治家でも、バイデンでも、同様のことで起訴されていないことを考えると、アンフェアだと思うし、司法の政治化はアメリカにとってよくないとポールさん。

 バイデンが相当弱いから、トランプを恐れて、司法に頼らざるを得ないと思っているのか、トランプが大統領になっても怖いし、無罪になっても司法のメンツが潰れるしで、いずれにしても、アメリカ社会はこれから5年、政治的に不安定な状況に入ると、ポールさんは懸念していた。

 ここまで、6月13日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に電話出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオを見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

(ザイ投資戦略メルマガ)

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガ「米国株&世界の株に投資しよう!」を配信中

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。Youtubeチャンネルも開始。


ダイヤモンド・ザイ 2024年12月号好評発売中!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

お金が減らない高配当株
NISAお悩み相談室
株トレ

12月号10月21日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[お金が減らない高配当株78銘柄]
◎第1特集
死ぬまで使える資産がつくれる!
お金が減らない高配当株 厳選78

●武藤十夢と一緒にマスター!高配当株なら資産がつくれてお金が減らない!
●優良高配当株を持ちっぱなしで増やす

・勝ち組のワザ!
立川一さん
「増配傾向の株に投資」
なのなのさん「利回り4%以上に注目」
・10年以上増配が続く株
・配当がド安定の株
・増益基調の増配株

●割な安高配当株を売買しながら増やす
・勝ち組のワザ!
御発注さん
「高配当株の人気化を待つ」
配当鳥さん「高配当株を逆バリで買う」
・高利回りの景気敏感株
・成長期待の高ROE株
・キャッシュリッチな中小型株


◎第2特集
オルカン積立続行でOK?
持ち株をズバリ診断!
NISAのお悩み相談室

●NISA人気NO.1投信「オルカン」積立て続けても大丈夫?
●NISAの使い方&投信お悩み相談
●アナタの持ち株ズバリ診断!
●今さら聞けないNISAのギモン14にすべて答えます


◎第3特集
NISAで買えて長く持てる!
注目テーマの好成績投信27

●テーマを選ぶコツ&注意点
●テーマ別好成績投信
ハイテク全般/半導体/インフラ・製造業/エコ・ESG/AI(人工知能)/ロボット・クラウド

 

◎第4特集
円安も円高もビッグチャンスに!
今すぐ儲ける!FX入門

●マンガでFXの魅力を理解!
●儲かる仕組み:為替差益/レバレッジ
●儲けるコツ:チャート/政策・指標
●FX口座の選び方


【別冊付録】
累計15万部のベストセラー
一問一答の株ドリル!買っちゃダメな株がスグわかる!

株トレ出張版 ファンダメンタルズ編

 

◎連載も充実!

◆NEWS:東京メトロが10月23日に上場!これから買うならいつが正解?
◆連載3回目:ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「年金だけで老後暮らせる? 老後にもらえる年金額を知ろう!」
◆10倍株を探せ!IPO株研究所「上場日集中で買いが分散!銘柄により明暗!」
◆マンガ恋する株式相場「大谷翔平銘柄!株価もSHO-TIME!」
◆マンガ「収入減の心配は無用!男性こそ育休を取ろう」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!
「9月も低調が続き100本中4本の分配金がダウン!」

 

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報