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【1】今日の株式相場早わかり!
日銀「緩和策維持」観測報道で買い、27~28日会合
日経平均株価は3日ぶり大幅反発! 21日の米国市場ではNYダウが小幅ながら10日続伸した。また、ナスダック100指数で主力ハイテク株の構成比を引き下げる「スペシャルリバランス」が24日実施されるのを前に、ハイテク株はやや売り優勢だった。一方、日銀が27~28日の金融政策決定会合で緩和策を維持するとの観測報道を受け、円相場は21日夕方に一時1ドル=142円近くまで下落。週明けの日経平均は反発してスタートすると、500円近く上昇する場面があった。レーザーテックやアドバンテストなどが堅調で、決算発表とともに業績予想を上方修正した東京製鐵はストップ高を付けた。
今週は日米欧の中央銀行の金融政策決定会合、国内外の主要企業の決算発表など重要イベントが目白押し。コラムコーナーで予定を確認してほしい。今日はS&Pグローバルが7月の欧米の購買担当者景気指数(PMI)を発表する。
【日経平均】32700.94円↑↑(+396.69円)
【マザーズ指数】770.21↑(+4.68)
【NYダウ】35227.69ドル→(+2.51ドル、21日)
【ナスダック】14032.805↓(-30.502、21日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
自動車株と銀行株、金融政策めぐり明暗分かれたが…
今週27~28日に開催される日銀の金融政策決定会合で緩和策が維持されるとの観測報道が伝わった。これを受け、今日の取引で明暗が分かれたのが自動車株と銀行株だ。円相場は7月中旬、日銀副総裁の発言や名目賃金の上昇を背景に急上昇する場面もあったが、この週末を挟んで再び一時1ドル=142円近くまで下落。自動車を中心とした輸出企業の採算改善が期待される。一方、銀行は政策修正による利ざや改善への期待が後退した。金融政策の行方に揺れるこれらの業種を点検しておこう。
時価総額上位の完成車メーカーで今日の株価上昇が目立ったのは日産自動車だ。日産・仏ルノーと3社連合を組む三菱自動車が、今日の取引時間中に2024年3月期の第1四半期(4~6月)決算を発表。通期の営業利益予想を従来の1500億円から1700億円(前期比10.8%減)に上方修正した。想定為替レートを通期で1ドル=129円から131円へと円安方向に見直したことが要因。三菱自の株価は+4.99%と大きく上昇し、日産にも買いが入った。
期初時点の想定為替レートはトヨタ自動車とホンダが1ドル=125円、日産が130円と、軒並み実勢より円高水準だ。また、インフレによる需要減退への懸念がくすぶる一方、半導体不足などの供給制約が緩和され、足元の自動車市場はまずまず堅調のようだ。三菱自の決算を受け、他の自動車メーカーへの期待も高まりそうだ。
一方、メガバンク株は3月の米銀危機時に急落するも、7月にはそろって年初来高値を更新するまで上昇。金融政策の修正期待も上昇要因の1つだったとみられることから、7月会合で据え置きとなれば短期的に売りが出そう。ただ、金融政策が正常化へ向かうことには変わりないとの見方もあり、短期的な株価調整が押し目買いの好機となる可能性はありそうだ。
■トヨタ自動車株価チャート/日足・6カ月
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【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
中銀会合ウィーク、日本据え置き・米欧利上げ?
先週の日経平均株価は-87.01円(-0.27%)。週前半は米経済指標や決算が良好だったことや、日銀の植田和男総裁が長短金利操作の早期修正に慎重な姿勢を示したことで堅調だった。一方、週後半になると海外企業の決算を受けて、半導体関連などのハイテク株に売りが出た。
今週は日米欧の中銀会合ウィークとなる。25日(火)~26日(水)に米連邦公開市場委員会(FOMC)、27日(木)に欧州中銀(ECB)理事会、27日~28日(金)に日銀の金融政策決定会合といった日程だ。先週後半の複数の報道から、今回の日銀会合での政策修正観測は後退。一方、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で物価見通しを引き上げるとみられており、政策修正の思惑が残るか注視したい。もちろん、今回サプライズ修正があれば市場への影響は大きいだろう。
米欧は0.25%の利上げが有力視されている。今後の利上げについては「データ次第」との立場を改めて強調するだろうが、何らかの示唆があるかに注目が集まりそう。また、日米の金融政策の違いが改めて意識され、為替相場が円安に振れるとの見方も多い。
金融政策イベント以外では、25日に発表される国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しを中心に、各国の景気動向を探ることになりそう。また、米国に続き日本でも主力企業の決算発表が本格化する。米国ではAI(人工知能)ブームに沸くハイテク大手のマイクロソフトなど、日本では年前半の大相場をけん引した半導体関連のアドバンテストなどが注目されそう。なお、27日は7月末の配当・株主優待などの権利付き最終売買日となる(7月7日号参照)。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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