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【1】今日の株式相場早わかり！
米利上げ観測が後退、今晩はPPIやFOMC議事要旨
日経平均株価は続伸！ 10日の米国市場では主要株価指数がそろって3日続伸した。この日もアトランタ連銀のボスティック総裁が追加利上げは不要との見解を示し、休場明けの債券市場では金利が急低下（債券価格は上昇）。中東情勢の緊迫化は安全志向の国債買いにつながり、株式市場でも金利低下に伴い買いが優勢となった。本日の日経平均株価はこうした流れを引き継ぎ、続伸してスタート。その後上げ幅を広げ、一時3万2000円台を回復したが、戻り待ちの売りも出たようだ。売買代金上位ではレーザーテックが大幅高となる一方、川崎汽船は大幅安となった。
今晩の米国では9月の卸売物価指数（PPI）や、9月に開催された連邦公開市場委員会（FOMC）の議事要旨が公表される。連邦準備理事会（FRB）高官の発言や地政学リスクの高まりから追加利上げ観測は大きく後退しているが、引き続き物価指標を注視しておこう
【日経平均】31936.51円↑（+189.98円）
【マザーズ指数】699.48↓↓（-8.61）
【NYダウ】33739.30ドル↑（+134.65ドル、10日）
【ナスダック】13562.844↑（+78.605、10日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
レーザーテック大幅高、半導体株は復調なるか？
今日の取引でレーザーテックは＋6.33％となり、東証プライムの値上がり率4位にランクイン。また、東京エレクトロンやアドバンテストといったその他の半導体関連株も全般堅調だった。今日の半導体株高の背景を整理し、本格的な復調につながるか探りたい。
まず、米国で長期金利が急低下し、PER水準の高いハイテク株の割高感が薄れたと考えられる。10日の米フィラデルフィア半導体株指数（SOX）は＋1.29％となり、AI（人工知能）向けの高性能半導体で注目されるエヌビディアは＋1.16％。ソフトバンクグループ傘下で9月にナスダックへ上場したばかりの英アーム・ホールディングスは＋2.69％となった。
また、韓国サムスン電子が今日、7～9月期の決算速報を発表。営業利益は前年同期比78％減の2兆4000億ウォンとなったが、4～6月期（6700億ウォン）から改善した。同社を含む主要メーカーがDRAMなどの半導体メモリー製品を減産しており、市況に底打ち感が出てきたとの報道も散見され、半導体関連株の買いを誘ったようだ。なお、今日はレーザーテックの株価上昇が相対的に大きいが、同社株は前期の受注減速が響き、今年前半の半導体株相場に乗り切れなかった。その出遅れで株価の割高感が薄れたからか、一部証券会社の投資判断引き上げが観測されている。EUV（極端紫外線）を用いた先端検査装置に対する期待も根強いようだ。
ただ、今月下旬から決算発表が相次ぐ点に注意したい。4～6月に一斉高となった半導体関連株だが、7～9月は足元の業績動向が株価の好不調を分けた印象だ。ディスコが手掛けるパワー半導体向け、それにブームに沸くAI関連を除くと、全般に需要回復は鈍いとの指摘もある。株価が本格的に復調するかどうか、今後の決算を見極めたい。
■レーザーテック株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
不正に揺れる日野自、経営統合を控え先行きは？
（ご質問）
日野自動車株を不正発覚後、チャンスと思い早期に購入。しかし、その後も長期にわたる不正が明るみとなり、株価は下落しました。三菱ふそうトラック・バスとの経営統合が発表されるとやや回復しましたが、損切りするかナンピン買いするか数カ月迷っています…
（答え）
経営統合への期待が先行している印象。仮に継続保有する際は不透明要因が大きいことも念頭に置いておく必要があるでしょう…
同社は2022年3月、エンジン認証に関する不正行為が発覚し、株価が急落しました。春先からの日本株の大相場をよそに、同社株価はいまだ不正公表日の終値（895円）を大きく下回っており、気を揉む投資家さんから同様のご質問を複数頂きました。
今年5月に三菱ふそうとの経営統合が発表されると、再建への期待から株価は一時急伸しました。日野自と三菱ふそうは統合会社の完全子会社となり、統合会社は東証プライム・名証プレミアに上場する一方で、日野自の親会社であるトヨタ自動車と三菱ふそうの親会社であるダイムラートラックが同割合で統合会社の株式を保有する形となります。統合会社とトヨタ、ダイムラーは新技術開発で協業していくといい、期待を後押ししました。
ただ、日野自の株主にとって最大の関心事となるのは、日野自1株に対し統合会社の何株が割り当てられるかという「統合比率」です。この統合比率は現時点では確定しておらず、今後協議の上で合意する予定。ただ、不正に起因する海外での訴訟などを抱え、金銭負担が膨らんだ場合は日野自の株主にとって「保有割合に著しい希薄化が生じるおそれ」がある上、「経営統合に関する最終契約の締結に至らないおそれ」もあるとしています。出荷停止の影響などから本業の苦戦が続くことを踏まえても、当面は慎重に対応する必要があるでしょう。
■日野自動車株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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