【1】今日の株式相場早わかり!
反発もやや伸び悩み、中東情勢への懸念は根強く
日経平均株価は3日ぶり反発! 16日の米国市場では主要株価指数がそろって上昇した。週末にイスラエルがガザ地区での地上作戦に踏み切らなかったほか、各国が事態の沈静化へ動いていることも伝わり、リスク回避ムードが和らいだ。13日と16日に800円超下落した日経平均株価も、今日は反発してスタート。朝方には上げ幅を600円あまりに広げる場面があったが、中東情勢の悪化懸念は根強く、戻り待ちの売りが出てやや伸び悩んだ。個別ではレーザーテックや東京エレクトロンが堅調、三菱重工業が軟調だった。
なお、為替の円安推移について、神田真人財務官が「必要なときは適切な対応を取る」などと述べた。為替介入や金融政策の修正観測がくすぶりそうだ。また、今晩の米国では9月の小売売上高や鉱工業生産、金融大手のバンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスの決算が発表される。
【日経平均】32040.29円↑↑(+381.26円)
【マザーズ指数】666.61↑(+6.34)
【NYダウ】33984.54ドル↑(+314.25ドル、16日)
【ナスダック】13567.984↑↑(+160.750、16日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
2月期決算の「配当大幅増額」銘柄! 古野電など
2月期決算企業の中間決算発表が一巡した。世界的なインフレなど、事業環境の不透明感から期初の想定が保守的だったとみられ、今回の決算発表では業績上方修正や配当の増額が多く見られた。今日は従来予想から配当を大幅に増額した2月期決算企業を下表にまとめた。
トップは船舶用電子機器の古野電気。期初の今期配当予想は1株あたり20円だったが、第1四半期決算発表時に25円、中間決算発表時に45円(中間20円、期末25円)へと増額した(前期は年25円)。欧米やアジアを中心に海外での販売が好調に推移し、業績予想も2度にわたり上方修正。現行の中期経営計画では、「配当性向30%以上を安定的に実現できる経営基盤の構築」を目標に掲げている。2位の吉野家ホールディングスは従来の10円から16円(中間・期末とも8円、前期は年10円)に増額した。こちらも人流の回復や客数増加に向けた販売施策で業績は好調に推移し、通期予想を上方修正している。
直近1カ月(9月15日終値比)の日経平均株価の騰落率は-4.45%と軟調で、市場環境の悪化により掲載銘柄のパフォーマンスも全面的に良好とまでは言えない。ただ、配当の大幅増額と株価の下落で配当利回りが従来と比べ大きく上昇した銘柄も少なくないとみられる。それらの銘柄は高水準の配当利回りを支えに、底堅い株価推移が期待できそうだ。古野電やローソン、アパレルの三陽商会、小型建機の竹内製作所、コンビニ向け中食のわらべや日洋ホールディングスは新予想での配当利回りが3%超となっている。
■古野電気株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
楽天も参戦! オルカン投信の最新低コストランキング
10月27日、人気の全世界株型(オールカントリー、通称オルカン)の投資信託に、超低コストの楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドが新規設定される。激化する信託報酬の引下げ競争に、満を辞して楽天も参戦する形だ。今回は、全世界株型のインデックス投信(日本を含むタイプ)の最新低コストランキングを紹介しよう。
現在最安なのは、4月に設定されたインデックスファンドMSCIオール・カントリー(全世界株式)で0.4785%。ただしこの投信が購入できるのは一部の地銀のみで、つみたてNISA(2024年1月からの新NISAではつみたて投資枠)の対象にもなっていない。同投信を除き、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)、そして先述の楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドの0.5775%が実質的に最安と言っていい。超低コスト投資信託の新規設定や信託報酬の引下げが相次ぎ、この4本が横並びとなった。
なお、全世界株を表す有名な指数としては、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」の2つがある。FTSEの指数をベンチマークとする投資信託は表の2本が最安だが、MSCIタイプに対し、信託報酬の引下げでは一歩遅れる状況だ。MSCIの指数は大型株と中型株を対象とするのに対し、FTSEの指数は小型株まで含むのが大きな違い。ただ、MSCIでも世界の株式時価総額の85%をカバーしているので、そこから選んで問題ないだろう。
熊谷久美子
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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