【1】今日の株式相場早わかり!
金利上昇や中東情勢への不安で上値が重い
日経平均株価は小幅続伸! 17日の米国の主要株価指数では、NYダウがほぼ横ばい。同日発表された9月の小売売上高や鉱工業生産が予想を上回り、金利上昇への懸念と強い景気への好感で売り買いが交錯する形となった。一方でナスダック総合指数は0.25%の下落。半導体の対中輸出規制の強化が発表され、エヌビディアなど半導体関連やハイテク株が売られた。今日の日経平均株価も終値で2円高とほぼ横ばいに。軟調気味のスタートから後場に値を戻したものの、上値が重かった。国内の長期金利は、一時10年2カ月ぶりの水準となる0.815%まで上昇。中東情勢への懸念も重石となっている。個別では第一三共やソフトバンクグループが軟調、東京エレクトロンやレーザーテックが堅調だった。
今晩の米国では、9月住宅着工件数、地区連銀経済報告(ベージュブック)、テスラやネットフリックスの決算が発表される。
【日経平均】32042.25円→(+1.96円)
【マザーズ指数】673.03↑(+6.42)
【NYダウ】33997.65ドル→(+13.11ドル、17日)
【ナスダック】13533.747↓(-34.237、17日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
ファストリに続け! 好決算カジュアル衣料株に注目!
12日に決算を発表したファーストリテイリングの株価が回復中だ。6月19日に3万7500円台を付けた後、3万1000円台まで下落していたが、決算後は急速に値を戻してきている。国内外で好調で、2023年8月期は売上高、利益とも過去最高に。今期も市場想定以上の増益を見込む。まさに快進撃だが、実は他のカジュアル衣料関連株も好業績が見込まれ、株価も上昇機運が高まっている。その中でも特に注目すべき銘柄を見ていこう。
良品計画は10月13日に本決算を発表。海外事業が好調で2023年8月期の営業利益は市場予想を上回った。加えて、今期の営業利益は過去最高の452億円(2018年2月期)を上回る480億円を見込んでおり、こちらも市場予想を大幅に上回る。この発表を受けて、翌週16日の株価は8%以上も高騰。それでもPERは16倍台にとどまっている。
コックスとパルグループホールディングスはEC(電子商取引)事業が好調だった。コックスはEC事業の利便性や効率性を改善した。2024年2月期は通期で37%営業増益を見込んでいるが、第2四半期までで営業利益は2.6倍増と、すでに通期計画を大幅に超過。第1四半期決算時に業績を上方修正しているが、さらなる上方修正は必至だ。一方、パルグループホールディングスはEC販売強化のための各種プロモーションを積極展開、10月11日に2024年2月期の営業利益予想を期初比14%増など、計画を大幅に上方修正した。
リアル店舗が好調だったのはアダストリアとしまむら。アダストリアは外出需要を捉えた商品展開やヒット商品の育成が奏功し、9月29日に業績を大幅に上方修正。2024年2月期の営業利益は従来予想より29%も増加する見通しだ。既存店売上高は19カ月連続で前年を上回った(9月時点)。しまむらは上期が営業減益予想から一転、増益を達成し、増収増益を見込む通期業績への安心感が増す格好となった。
■ファーストリテイリング株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
証券取引所はナニで儲けている?
(ご質問)
証券取引所の収益構造はどうなっているのでしょうか?
(答え)
東京証券取引所などを運営する日本取引所グループの例を見てみましょう。同社は主に4種類の収益を得ています。
1つ目は取引関連収益。投資家は証券会社を通じて売買の注文を行い、証券会社に代金を支払い、株式などを受取っています。同社は証券会社からの売買注文を執行する対価として、取引参加料金を得ています。基本料のほか、約定代金や注文発注の件数に応じた料金などで構成されます。同社の2022年度の営業収益のうち、最大の約4割がこの取引関連収益です。
2つ目は清算関連収益。清算は株式の売り手と買い手の間に立ち、代金の受け渡しを保証する仕組みです。買い手には証券を引き渡し、売り手には代金を支払う義務を負います。取引成立後に確実に決済されることを保証する対価として、同社は清算手数料を得ています。
3つ目は上場関連収益。同社は、上場会社に対して「資金調達ができる」「知名度や信用力が向上する」といった上場のメリットを提供しています。その対価として、上場料金を得ています。上場料金には、新規上場料のほか、上場後に必要な年間上場料などがあります。
4つ目は情報関連収益。株式情報や経済ニュースなどを提供する情報ベンダーに、株価や指数の情報を配信する対価として、同社は情報料金を得ています。投資家はその情報を、証券会社を通じて、または情報ベンダーから直接閲覧しています。
営業収益のうち、2つ目の清算関連収益と4つ目の情報関連収益がそれぞれ約2割。3つ目の上場関連収益が約1割となっています。
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