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株式投資しないでコツコツ貯金するのが好きなのは
日本人の国民性によるものとの俗説は誤り!?
日本人も米国に住めば投資アレルギーが克服できる!

2023年10月25日公開(2023年10月25日更新)
ポール・サイ
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 最近、アメリカ在住の日本人が集まる掲示板で、ある米国人と結婚している日本人の奥さんが投資について投稿しているのを読みました。そこにはアメリカ人と日本人の投資に対する考え方の違いがよく表れていると思いましたので、ここでご紹介したいと思います。

「だから日本人は貯まらないんだよ!」とアメリカ人の夫に言われた日本人の奥さん

 その掲示板への書き込みはおおよそ以下のような内容でした。

 「夫はアメリカ人、夫婦とも30歳代後半、子供は1人います。持ち家あり(住宅ローンあり)。今の時点で日本への帰国予定/引っ越し予定はありません。老後資金用の口座と子供の口座は別にあり、別途緊急用の貯金もあります。

 夫からバンガードを使って、資産を増やしていきたいとの話がありました。私自身投資に関して無知でバンガードは知りませんでした。

 ただ、投資にはリスクがつきものだと思うので少額ならお試しで始めることに承諾できますが、多額の投資となると承諾できず、夫婦間で意見が合いません。

 私は日本人だからか、投資よりコツコツ貯めていく方が安心です。ただ、夫からは「だから日本人は貯まらないんだよ!」と言われてあまり良い気がしませんでした。ちなみに今まではお金の運用で意見が合わなかったことはなかったのですが…。

 夫にはファイナンシャル・プランナーのところへ私だけが行き、バンガードの話を聞いてくれば…と言われましたが、それも納得できず。行くなら2人で行くべきだと私は思っていますが、今はファイナンシャル・プランナーより実際に利用している方(日本人の方)のお話がお聞きしたく、質問させていただきました」

 この日本人の奥さんは、掲示板にいるみなさんに対して、バンガードで投資することのいい点、悪い点などを尋ねていました。

 みなさんご存じかと思いますが、バンガードはアメリカの大手資産運用会社であり、個人投資家向けにインデックスファンドを初めて売り出したことで有名です。低コストのインデックスファンドやETFを提供しているのが特徴となっている運用会社です。

バンガード社 公式サイトバンガード社 公式サイト

日本にもインフレ、金利上昇リスクが到来している今、日本人にとって投資は不可欠

 私は投資はするべきだと思います。特に日本にもインフレ、金利上昇リスクが到来している今、株式投資、分散投資、世界株投資をすることは日本人にとって不可欠なことだと思います。

 日本の個人金融資産は6月末で2115兆円です。この数字を見ると、コツコツ貯めることでうまくいくと思いがちですが、このお金にはおそらく、コツコツ貯金だけでなく、事業などをやって貯めたものも結構含まれていると思います。

 事業などの収益で貯めたのであれば、これは株に投資しているのと同じです。中小企業の社長は自社の株を持つことができるので大丈夫ですが、サラリーマンが資本家になる方法は、上場企業の株に投資するしかありません。

 アメリカ在住歴の長い奥さまたちの掲示板での返事は、バンガードなどは取引にかかるコストが低いのでいいんじゃないかということでした。アメリカのファイナンシャル・プランナーは受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)を果たしているので、信頼できるなどの返事もありました。

 掲示板への他の書き込みで、いいポイントを押さえているなと思ったのは、インフレになっている中、現金を持つだけではリスクがあると指摘していた人がいたことです。貯金するだけでは資産を実質的に目減りさせることになってしまうと断言している人もいました。

株式投資をしないでコツコツ貯金するのが好きなのは、日本人の国民性によるものではない!

 日本人がアメリカにいると、自然に金融教育の話が耳に入ってきて、投資への見方が変わってきます。なので、株式投資をしないでコツコツ貯金するのは国民性とは言えないと思います。

 日本にいても、アメリカにいても、私たちが生活の中で接する金融システムはつながっています。アメリカで通用する投資方針は日本でもいつか通用するようになります。

 逆に言うと、日本の高度成長期以外は、アメリカ人と同じ投資手法をとっていれば、円ベースでもうまくいった可能性が高かったと言えるでしょう。

 また、日本人がアメリカに引っ越したら、金融教育の機会が増えて、金融リテラシーが上がり、投資に対するアレルギーを克服できることでしょう。

 そして、投資でもコツコツ投資するのがポイントです。「コツコツ」という点は貯金と同じですが、その対象を株にすればいいだけです。

 日本人は貯金はコツコツやるのが好きなようですが、貯金よりもリスクを取った資産運用になると、なぜかコツコツ投資するよりも、もっと投機的なところまで一気に行ってしまうことが割と多いようです。たとえば、レバレッジをかけて為替の取引を行うFXなどが日本では人気になっています。

 けれど、投資と投機の違いは意識しておいた方がいいと思います。

 この記事を読んでいるあなたも金融知識を増やし、投資を始めましょう。

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

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