【1】今日の株式相場早わかり!
日経平均は3日続落、円高進行で米株高を好感できず
日経平均株価は3日続落! 前日の米国市場では主要株価指数がそろって上昇。タカ派とされる米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事のハト派発言を受け、近い将来の利下げ期待が高まった。米10年物国債利回りが9月中旬以来の水準まで低下したことで、電気自動車のテスラなどハイテク株が買われた。一方、一時1ドル=146円台まで円高が進んだことが嫌気され、今日の日経平均株価は朝方に200円超下落する場面があった。円高が一服すると買いが入り、一時は3万3500円台に乗せた。しかし、香港ハンセン指数の下落なども重石となり、取引終盤にかけて再び下落に転じた。
レーザーテックなど半導体株の一角や、ニトリホールディングスなどの円高メリット銘柄が上昇。一方、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株、三井物産などの商社株が下落した。なお、今晩の米国では7~9月期の国内総生産(GDP)改定値や地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。
【日経平均】33321.22円↓(-87.17円)
【グロース250】720.97↑↑(+9.85)
【NYダウ】35416.98ドル↑(+83.51ドル、28日)
【ナスダック】14281.756↑(+40.733、28日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
タカラトミーやヤマハ発、森永乳などが優待変更!
今日は11月に発表された株主優待の変更や廃止を確認したい。来年からの新NISA(少額投資非課税制度)スタートを前に、引き続き株主のすそ野拡大を狙った優待拡充は多い。一方で、「公平な利益還元のあり方」という観点から廃止する企業も散見される状況となっている。
タカラトミーは3月末に贈呈する優待品の保有株数を変更。従来は100株以上1000株未満で「トミカ」特別企画2台セット、1000株以上2000株未満で同4台セット、2000株以上で同4台セットと「リカちゃん」だった。新区分はそれぞれ100株以上500株未満、500株以上1000株未満、1000株以上となる。ファンにとっては特別企画品の取得ハードルが下がり、うれしいところだ。
また、森永乳業は11月末を基準日として、ヤマハ発動機は12月末を基準日として株式分割を実施(森永乳は1→2株、ヤマハ発は1→3株)。同時に、分割後100株以上を保有する株主も対象とするなど優待を拡充した。株式分割で最低投資額が下がり、優待を利用しやすくなる。森永乳は分割後100~299株で「森永絹とうふ」を含む1500円相当の同社商品、もしくは寄附から選択。ヤマハ発は12月末の優待で分割後100株以上300株未満、3年未満保有の株主に1000ポイントを贈呈し、ポイント数に応じ各地の名産品など好きな優待品が受け取れる(ただし2023年12月末は従来制度で実施)。
一方、みずほリースやエクシオグループ、チェンジホールディングスは優待廃止を決めた。みずほリースは配当の増額、チェンジHDは特別配当の実施もあわせて発表しているが、優待廃止の際は満足のいく株主還元の代替策が示されるかどうか注目されそうだ。
■タカラトミー株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
ソシオネクストだけ、なぜ値動き悪い?
(ご質問)
レーザーテックやディスコ、東京エレクトロンなどの半導体株の多くが上昇しているにもかかわらず、ソシオネクストだけ動きが悪いのはなぜなのでしょうか? 決算も悪くないと思うのですが。
(答え)
大きな理由としては好材料が相応に織り込み済みと考えられるためです!
同社はSoC(複数の機能を1つにまとめた半導体)をオーダーメイドで設計するカスタムSoCを展開しています。設計・開発から量産・品質保証までをトータルにサポートできる総合力に強みを持っています。半導体市況が悪い時でも影響を受けにくい独自のビジネスモデルが注目され、株価は6月に昨年末比で一時4.9倍、昨年10月に上場した日の初値比では7.4倍にも上昇しました。しかし、主要株主による売出発表を契機に株価は急落し、そこから次第に人気は離散。
10月31日に発表した2024年3月期上期(4~9月)決算は大幅増益でした。また、業績および配当予想を上方修正したことに加え、株式分割も発表し、好材料が複数リリースされました。しかし、その後も株価は軟調です。上述したように、同社の株価はわずか半年程で約5倍も上昇しました。短期間で大相場を築いてしまったことで、好材料に反応しづらくなってしまったと考えられます。
もう1つは、同社が得意としている分野と市場が期待している分野が異なるということが挙げられます。「チャットGPT」などの生成AI(人工知能)サービスの台頭をきっかけに、半導体株の中でも特に米エヌビディアなど、生成AI向けに強みを持つ銘柄の上昇が際立っています。一方、ソシオネクストはこうした生成AI向け案件の売上に占める割合が大きくないため、足元の半導体株高の波に乗れていないと考えられます。ただ、高成長が期待される自動車向けやデータセンター向けで同社は強みを持っており、今度再び見直される局面が来ることも期待されます。
■ソシオネクスト株価チャート/日足・6カ月
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