成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

アメリカでAIのトレンドはまだまだ続く! 今はかなり初期段階で、本格化すればドラえもんができちゃう!?日本はスタグフレーションになる可能性が高い

2023年12月1日公開
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

アメリカ株のセクターの年初来パフォーマンスを振り返り。日米の投資環境の違いは?

 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

  前回の放送で、米1年債を満期保有すれば5.3%の利息がもらえることから、個人投資家の米国債投資はよい戦略だと教えてくれたポールさん。米金利低下による円高進行はリスクだけれど、「ボンドラダー」という投資方法なら、その衝撃を和らげられるということだった。
【※関連記事はこちら!】
米1年債で5.3%の利息! 個人投資家の米国債投資はよい戦略。米金利低下で円高はリスクだが、その衝撃を和らげられる投資方法「ボンドラダー」とは?

 そして、今回の放送では、年末を控えてアメリカ株のセクターの年初来パフォーマンスを振り返り、来年(2024年)のアメリカ株の投資環境がどうなりそうかを考察。日本株とのパフォーマンスも比較して、日米の投資環境の違いも解説してもらったので、さっそくチェックしていこう。

オンラインでの買い物が増えていることから、年末商戦で店が混む様子はあまり見られなくなった

 番組冒頭、アシスタントの木村カレンさんから、サンクスギビングデー(感謝祭)のアメリカでの盛り上がりについて聞かれたポールさん。

 サンクスギビングはシリコンバレーに住んでいるポールさんの妹さんの家に行き、家族で集まったとのこと。車で1、2時間で行けるワインの産地、ナパバレーでワインテイスティングを楽しんだそうだ。

 すると、番組MCの渡部一実さんが「サンクスギビングと被るんですけど、ブラックフライデーやサイバーマンデーといった年末商戦で、街の消費の様子は肌感覚でどうですか」と質問した。

 消費は7.5%や8%ぐらい増えているという統計は報じられているけれど、ポールさんの肌感覚では、最近はオンラインでの買い物が増えていることから、店がすごく混むといった様子があまり見られなくなってきたそうだ。

 ナパバレーのホテルの値段がそんなに高くなかったのが少し意外で、サンフランシスコ空港もそこまで混んでいなかったものの、シアトルはわりと混んでいて、場所によるのかもしれないと話してくれた。

今年のアメリカ株はAIのテーマでテクノロジーがリードした

 続いては、年末ということでアメリカ株のセクターの年初来パフォーマンスを振り返ることに。

 まずはテクノロジーセクターからで、XLK(テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド)というETFがあり、これでパフォーマンスを見ると、年初来49%上昇してアメリカ株のセクターのなかでトップだったとポールさん。

XLK 日足 (出所:TradingView)

 次は、コミュニケーションセクターのETFであるXLC(コミュニケーション・サービス・セレクト・セクターSPDRファンド)。こちらにはメタやアルファベット、ネットフリックス、ディズニーが入っていて、年初来48%上昇したようだ。 

XLC 日足 (出所:TradingView)

 そして、一般消費財セクターのETFであるXLY(一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド)は年初来31%上昇して、主にアマゾンとテスラが貢献したという。

XLY 日足 (出所:TradingView)

 これらのことから導き出せる結論は、AIなどのテーマでテクノロジーが大きく貢献したことと、景気全体がそんなに悪くなかったということ。

 昨年(2022年)は今年の真逆で、XLKはマイナス27%、XLCはマイナス38%、XLYはマイナス36%となり、トップだったのはエネルギーセクターだったそう。そのエネルギーセクターの今年のパフォーマンスは、1番後ろから数えて4番目のマイナス0.5%だったから、今年は昨年の逆であり、昨年の反動が出た年だったとも言えるようだ。

 今年はAIのトレンドで、テクノロジーがトップに立ってリードしたから、来年はその反動でリードしないかというと、そうでもないとポールさんは考えている。

 2019年、2020年、2021年はテクノロジーがトップだったし、アメリカ株が良かった時のほとんどはテクノロジーがリードしていたそう。AIのトレンドも1年だけの話ではなく、数年続く可能性があるようだ。

日本はスタグフレーションになる可能性が高い

 また、昔は不景気になるとスタグフレーション、つまり不況に伴うインフレ上昇が心配されていたけれど、今のアメリカにスタグフレーションの心配は必要なさそうとのこと。

 ここで、日本株とアメリカ株のセクターパフォーマンスを比較してみると、日本がスタグフレーションになると市場は予想しているようだ。
【※関連記事はこちら!】
日本はいよいよ本格的にデフレ脱却→インフレへ。ただ、それは日本経済成長の起爆剤とはなりづらい。メインシナリオはスタグフレーションの到来か

 というのも、日本株を6カ月と1年の動きで見ると、いいパフォーマンスを出しているのは銀行、商社、エネルギー、鉄などコモディティの会社で、インフレやスタグフレーションに強いセクターが強いパフォーマンスを見せているから、日本がスタグフレーションになりそうと言えるのだという。

 日本株の景気敏感セクターはどうかというと、電気機器、IT、サービス、小売などはパフォーマンスが苦戦しており、そのことからも日本がスタグフレーションになる可能性は高いと市場は見ていて、ポールさん自身もそう見ている。

 銀行とスタグフレーションは一見、関係なさそうだけれど、スタグフレーションの最初の段階では金利が上昇し、貸出金利上昇の利ざやで銀行が稼げるため、スタグフレーションの初期は銀行にとってプラスなのだそう。

 もっとも、スタグフレーションが長期になると倒産が増えたり、地銀のポートフォリオの含み損の問題も大きくなって、銀行にはマイナスとなるようだ。

 つまり、アメリカと日本の投資環境を比べると、アメリカはインフレがある程度対応できる範囲に落ち着いた後、AIやテクノロジーのトレンドが続く一方、日本はデフレからインフレに経済全体の状況が大きく変わるため、日本国内向けの資産配分の考え方も従来のものから変える必要があるとポールさんは語った。

AIはかなり初期の段階。本格化すればドラえもんができてしまうかも!?

 ここで、AIのトレンドは続くというけれど、どれくらい続くトレンドになりそうなのか、渡部さんは気になるようだ。

 これに対し、「AIは長いトレンドで1年で終わるとは思わない」とポールさん。インターネットバブルも数年続いたし、AIはかなり初期の段階で、バブルの領域にも入っていないようだ。

 AIが本格化した場合、例えば学校の先生が要らなくなったり、日本の漫画で言うとドラえもんそのものができてしまって、人間みたいになるような未来がくるとポールさんは想像していた。

 これには渡部さんも「ドラえもんができたら僕はもう仕事なんかしないですよ。全部ドラえもんにお願いしますよ」とノリノリで反応。木村さんも「ちょっと夢がありすぎて」と漫画みたいな未来の想像に笑うしかない様子だった。

米大統領選の共和党の候補者はトランプか若手か。民主党のバイデンはヨボヨボだけど、大統領選から退出するのは時期的に遅い

 最後はアメリカの政治情勢の話題に。

 アメリカで最近、米中首脳会談が開催されたことで、中米関係は少しいい方向に向いているとポールさんは感じているようだ。

 一方で、その会談のビデオを見ると、バイデン米大統領がかなり年を取ってヨボヨボで、動きが遅く体が硬そうな印象を拭えなかったそう。

 米大統領選を賭け市場と世論調査で見ると、トランプ(氏は以下省略)が40%以上の支持を得てバイデンより大統領になる可能性が高まっているとのこと。

 もっとも、ポールさんに言わせると、トランプとバイデンのどちらが大統領になっても、アメリカや世界にとっては良くないようだ。

 バイデンが大統領になると、アメリカの半分の人間が怒るし、それはトランプが大統領になっても同じことで、アメリカの平和には貢献しないのだという。

 それでは、トランプやバイデン以外の候補者はどうなっているのかというと、共和党では最近、女性候補のニッキー・ヘイリーが少し人気になってきていて、ニッキー・ヘイリーがトランプを倒すことができたら、女性全体が大きく変わることになるそう。

 そうなると、民主党ももっと若手が出ないと、ニッキー・ヘイリーが勝ってしまうため、バイデンが出馬しない可能性も出てくるようだ。

 年寄りのバイデンが再び大統領選に出る理由は、トランプを倒せるのは自分だけという考えからだが、今はトランプが優勢なのだから、バイデンは国のためにも大統領選から退出すべきと考える人は増えてきているとのこと。

 年寄りなのはトランプも同じだけれど、元気で動きが速く声も大きいため、バイデンよりはマシということで、共和党は候補者がトランプになるか、若手になるかというところが大きいという。

 民主党の候補者としては、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムやマンチン上院議員など数人いるものの、バイデンが大統領選から退出するというのは少し時期的に遅く、すでに水面下で動き出しているということだった。

 ここまで、11月28日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に電話出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオを見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、1年で60%以上上昇している珠玉のポートフォリオ提示も! 登録から10日以内の解約無料。Youtubeチャンネルも開始。


UI銀行の「金利&手数料」はなぜお得なのか?詳しくはこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強株主優待
人気投信をズバ斬り!
最新iDeCo入門

4月号2月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強株主優待/投信格付]
◎巻頭特集
人気20銘柄の売買診断も!
最新決算でわかった2025年の大本命株28

●トランプ追い風株
●来期も好業績株
●好調の中小型株株
●配当を増額修正した株

◎第1特集
優待の達人25人が選んだ!
合計利回り30%超も!
最強株主優待ベスト150

桐谷さんの愛してやまない推し優待株
「優待+配当利回り」「最低投資額」2大ランキング
●多種多様なお店が並ぶ!外食
●押しグルメを探そう!食品
●家計の救世主!日用品
●いろんな買物に使える!百貨店・家電量販店
●化粧品や洋服でキレイに!美容・アパレル
●心躍る体験を!エンタメ・レジャー
●欲しいものが選べる!カタログ
●自由度が高い!金券・ポイント
●優待新設・廃止の最新ニュース
●優待弁護士が指南!優待株の失敗しない選び方
●女性優待ブロガー3人の座談会

◎第2特集
★★★の数を見るだけでOK!
人気投信をズバ斬り!
2年目NISAで買うべきは?
投信格付242【2025年春版】

2年目NISAの投信の選び方!
●コストの引下げアリ!インデックス型
●市場環境の変化が影響!アクティブ型
●株式比率の高い投信が好調!バランス型
●最高利回りは36%超!毎月分配型100

◎第3特集
手数料比較はもう古い!
大手ネット証券7社を徹底比較!
NISAで最強の証券会社セレクトガイド

基本サービスの充実度
ポイントのオトク度
●資産管理のしやすさ

【別冊付録】
今スグ始める?やめとくべき?
改正ポイントがわかる!最新iDeCo入門

iDeCoの何がスゴイ?
●受取のルールをマスター
●運用商品は何がオススメ?
●出口戦略こそ考えどころ
●手数料と買える投信で金融機関を選べ!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆おカネの本音!VOL.32
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報