※年末年始は以下の期間、通常の「デイリーZAi」の配信をお休みさせていただきます。ご了承ください。
休止期間:2023年12月28日~2024年1月4日
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【1】今日の株式相場早わかり!
金利低下でハイテクの一角に買い、円高は引き続き重石
日経平均株価は反発! 前日の米国市場で主要株価指数はそろって上昇し、NYダウは連日で過去最高値を更新。11月小売売上高が市場予想を上回ったことで、景気減速懸念が和らいだ。また、利下げへの言及があった連邦公開市場委員会(FOMC)のハト派な結果を好感する流れが続き、10年物国債利回りが4%を割り込む中、半導体株などに買いが入った。一方、短期的な過熱感もあり、大型IT株では軟調なものも散見された。日経平均株価は米株高や為替の円高一服を追い風に上昇して始まると、3万3000円台を回復。一方、円高の進行が再開すると、午後は次第に上げ幅を縮小し、3万3000円を再び割り込む展開となった。
個別では、アドバンテスト、日本郵船など、ハイテク株や海運株の上昇が目立った。なお、今晩の米国市場では、12月のS&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)が発表される。来週は国内で日銀の金融政策決定会合が開催される一方、米国では11月の個人消費支出(PCE)などが発表予定だ。
【日経平均】32970.55円↑(+284.30円)
【グロース250】677.57↑↑(+15.56)
【NYダウ】37248.35ドル↑(+158.11ドル、14日)
【ナスダック】14761.559→(+27.595、14日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
金利低下でグロース株に追い風も、決算反応はまちまち
足元では米長期金利が大きく低下し、グロース(成長)株には追い風が吹く環境だ。しかし、決算後の株価反応については明暗が大きく分かれている。
プロフェッショナル人材向け会員制転職プラットフォーム「ビズリーチ」を運営するビジョナルの2024年7月期第1四半期(8~10月)営業利益は前年同期比33.8%増加。季節性要因があるとはいえ、堅調な需要を背景に通期計画に対して好スタートを切った。プロジェクトマネジメントを支援するマネジメントソリューションズの2023年10月期営業利益は前期比200.6%増加し、会社計画を超過。DX(デジタル・トランスフォーメーション)領域における組織変革を含めた高付加価値の支援サービスは需要が旺盛なもよう。成果報酬型のマーケティング支援サービスを展開するMacbee Planetの2024年4月期上期(5~10月)営業利益は前年同期比118.0%増加。また、通期の営業利益予想は28億5000万円から37億円(前期比71.1%増)へと上方修正した。
一方、印刷通販サイトなどを展開するラクスルの2024年7月期第1四半期(8~10月)営業利益は前年同期比38.2%増と悪くない出足だが、売上総利益などの進捗率の低さが懸念されたか、株価は大きく下落した。また、VTuberグループの運営を行うANYCOLORの2024年4月期上期(5~10月)営業利益は前年同期比50.4%増加し、こちらも一見して悪くない印象。しかし、注力している海外事業の苦戦が成長鈍化を想起させたか、株価は大幅安となった。金利が低下しているからといって、グロース株だったら何でも株価が上がるわけではなく、投資家の選別力が試される環境といえる。
■ビジョナル株価チャート/日足・6カ月
【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『ホットなテーマ!』」
年末年始は「円高メリット」「親子上場」「新紙幣」
今回は直近のニュースや市場動向から、年末年始に注目されそうな投資テーマと関連銘柄を見ておこう。
18~19日に開かれる日銀の金融政策決定会合をめぐり政策修正観測が再燃したのに続き、12~13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米金利が大きく低下したことから、円相場がたびたび急伸している。輸入仕入れコストの低下などが見込める円高メリット銘柄は11月28日号でも紹介したが、今回は特に円安局面で苦戦した印象のある企業を3つ取り上げた。セリアやワークマンは販売価格を維持する姿勢を貫き、ニトリホールディングスは今期、長期の為替予約を封印。いずれも4~9月期は減益となったが、それだけに円高による採算改善への期待が高まるだろう。これら企業は11月の既存店売上高に復調感がある点も注目される。
次に、東証が親子上場企業などに情報開示の拡充を求めると報じられた。ソフトバンクグループは「ひ孫」にあたるZOZOなど上場するグループ企業を多く抱える。また、「親」と「子」で時価総額のねじれが生じているGMOインターネットグループとGMOペイメントゲートウェイ、東映と東映アニメーションなどはかねて「物言う株主(アクティビスト)」が関心を寄せているようだ。資本政策をめぐり説明責任や何らかの対応を求める声が強まっており、これら企業の動向が注目されそうだ。
最後に、財務省と日銀が12日、新紙幣の発行を2024年7月3日に開始すると発表した。20年ぶりの刷新となるが、貨幣処理機大手のグローリーはすでに製品更新や改造作業が業績を押し上げているもよう。クラウドPOSレジのスマレジも対応特需が想定より早く発生しているといい、来年の発行開始に向けて注目テーマとなっていきそうだ。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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