【1】今日の株式相場早わかり!
続落、取引時間中のバブル後高値更新も失速
日経平均株価は続落! 円安の進行もあり反発してスタートすると、前場には3万6239円と33年11カ月ぶりの高値まで上昇した。ただ、その後失速すると後場にはマイナスへ転じ、141円安で終了。中国の上海証券取引所が同日、上場する日経平均連動型の上場投資信託(ETF)の売買を一時停止したと伝わったことも下げ材料となった。日本株への強い期待から海外からも資金流入が続く一方で、急ピッチの上昇による警戒売りや利益確定売りも増える荒い値動きを見せた。個別株では、英国での冤罪事件などを受けて富士通が4%の下落。インバウンド(訪日客)消費が業績を後押しする三越伊勢丹ホールディングスやJ.フロント リテイリングの上昇が目立った。
米国では今晩、12月の小売売上高や鉱工業生産、地区連銀経済報告(ベージュブック)などが発表される。株価に大きな影響を与える今後の米国の利下げを占う指標もあるため、関心を払いたい。
【日経平均】35477.75円↓(-141.43円)
【グロース250】689.08↓↓(-17.88)
【NYダウ】37361.12ドル↓(-231.86、16日)
【ナスダック】14944.347→(-28.413、16日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
新NISAでみんなが買っているのはどんな株?
1月から始まった新NISA。さっそく、成長投資枠でどのような株が買われているかチェックしてみよう。下の表組は、先週1週間(1月8日~12日)の、SBI証券の成長投資枠の買付金額ランキング上位10銘柄だ。
この表組から新NISAでは大型の高配当株が人気なのが明らか。予想配当を出している8銘柄中で6銘柄の配当利回りが3%超だ。1位は高配当株の代表ともいえるJT。配当利回りは4.93%だ。2位の三菱UFJフィナンシャル・グループも3%超の高い利回りかつPBRが0.82倍と割安株として注目されている。5位の日本製鉄や8位のアステラス製薬、9位の武田薬品工業も4%超の高利回り株だ。
そのほか、昨年6月末に1対25の大型の株式分割を実施し買いやすくなったNTTが4位、日本を代表する企業であるトヨタ自動車が7位に入った。
上位10銘柄すべて、株価も年初から堅調に推移している。1位のJTは昨年末に少し調整したものの、株価が中期で上昇トレンドを描いている。安心して長期で保有できる銘柄が新NISAでは買われているようだ。
■JT株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
経営の効率性を示すROEに注目!
(ご質問)
PERやPBRのほかに、チェックするべき株式指標はありますか?
(答え)
ROEにも注目してみましょう! 経営の効率性を示す重要な指標です。
投資の重要な判断材料になる株式指標。中でも近年、重要性が増しているのが「ROE(自己資本利益率)」です。
Return On Equityの略で、計算式は【ROE=当期利益÷自己資本×100】です。当期利益は、会社が出している「今期予想」を使うのが一般的です。また自己資本とは、会社が返済する必要のないオカネのこと。株主から集めた資金や、事業での儲けを蓄積した分などです。
たとえば当期利益が20億円、自己資本が100億円のA社の場合、ROEは20%です。一方、当期利益が同じ20億円でも、自己資本が400億円のB社のROEは5%になります。2社とも当期利益は同額ですが、A社はB社の4分の1の自己資本で20億円の当期利益を生み出しており、経営効率がよいといえます。
このように、ROEが高いほど自己資本を効率よく用いて利益を上げている企業といえるのです。ただし自己資本は、負債を抱えるほど小さくなるという点に注意が必要です。どんな理由であれ、自己資本が小さければROEは高くなります。自己資本比率など、財務の健全性もチェックしておきましょう。
日経平均を構成する企業のROEは平均して約9%です。業種にもよりますが、一般的に日本株の場合はROEが10%以上であれば高ROE企業とみなされます。一方、米国のS&P500を構成する企業をみると、ROEが15%以上の企業が6割以上を占めています(2022年7月時点)。日本企業のROEは近年上昇しているものの国際的にみればまだ低水準。さらなる収益性の向上を求める声もあります。
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