東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発となりました。109円高の40,277円で寄り付いた日経平均は9時20分前に252円高の40,420円まで上昇した後伸び悩みましたが、前引けにかけて上げ幅を広げると298円高の40,466円で前場を終えました。170円高の40,339円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に100円高の40,268円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと上げ幅を広げ14時50分前には353円高の40,521円まで上昇しました。しかし、節目の40,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮め結局201円高の40,369円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
小糸製作所(7276)が24.6%上昇しストップ高となりました。2029年3月期までの5年間で計2000億円以上の株主還元を実施する方針に基づき、自己株式を除く発行済株式総数の11.37%にあたる3500万株、500億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いを集めました。富士通(6702)も一時3.6%高となりました。欧州各地域のグループ会社を2025年4月までにIT(情報技術)サービス事業とハードウエア事業の2つに集約し、それに伴い2024年3月期に約1300億円の税負担減が見込まれると発表したことで買いが優勢となりました。オリンパス(7733)も一時3.2%高となりました。1月に発生した能登半島地震の影響について、サプライヤーの操業再開と代替サプライヤーの生産増強に伴い生産能力を増強しつつあり、新たな内視鏡製品の生産が5月上旬には通常どおりに戻ると発表したことで買いが優勢となりました。フジ・メディア・ホールディングス(4676)も一時9.9%高となりました。投資有価証券売却益の計上により通期の純利益の見通しを260億円から360億円に上方修正したことに加え、自己株式を除く発行済株式総数の4.6%にあたる1000万株、150億円を上限とした自社株買いを発表したことで大幅高となりました。セガサミーホールディングス(6460)も一時11.8%高となりました。欧州事業の構造改革で特別損失などを計上するものの、構造改革実施の効果として年間約100億円程度のキャッシュアウトが抑制される見通しと発表したことで上げ幅を広げました。不動産運用のいちご(2337)も一時7.3%高となり昨年来高値を更新しました。ホテル関連収入が期初の想定を大きく超過していることなどにより95億円とみていた2024年2月期の営業利益の見通しを129億円に引き上げたことを好感した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は201円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。しかし、一日を通して堅調に推移したものの、2月の米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を控えていることもあり節目の40,500円を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。その米個人消費支出(PCE)物価指数は日本時間の21時30分に発表となります。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視していることから結果が注目されます。また、パウエルFRB議長の講演も予定されていますが、今晩の米国市場はグッド・フライデーで休場です。さらに週明けの4月1日の8時50分には3月の日銀短観が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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