【1】今日の株式相場早わかり!
国内長期金利の上昇が重石
日経平均株価は反発! 13日の米国市場で主要株価指数は高安まちまちで、NYダウは9日ぶりに反落した。NY連銀の消費者調査で1年先の期待インフレ率が上昇した一方、労働市場に対する見方が悪化したことでスタグフレーション(インフレと景気後退の同時進行)への懸念が強まった。また、連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長がインフレ鈍化までの間の金利据え置きを主張したことも重石になった。今日の日経平均株価は上昇して始まると、円安・ドル高も追い風に一時上げ幅を300円近くまで広げた。ただ、日銀による金融政策の早期正常化観測が高まり、長期金利が上昇する中、上値は重く、その後は下落に転じる場面もあった。
取引終了後に発表されたソニーグループの2024年3月期営業利益は前期比7.2%減の1兆2088億円となった一方、2025年3月期見通しは金融分野を除くベースで9.2%増の1兆1300億円とされた。また、1→5株の株式分割や自社株買いも発表されている。なお、今晩は米4月卸売物価指数(PPI)が発表予定。
【日経平均】38356.06円↑(+176.60円)
【グロース250】659.26↑↑(+8.66)
【NYダウ】39431.51ドル↓(-81.33ドル、13日)
【ナスダック】16388.238↑(+47.369、13日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
ソフトバンクGは事業転換、大林組は追加株主還元に期待
13日も日経平均株価への影響が大きい注目株の決算があった。投資家心理や市場の方向感を左右しうるだけに、決算内容と株価反応をしっかり確認しておこう。
ソフトバンクグループの2024年3月期の純利益は2276億円の赤字(前の期は9701億円の赤字)と、黒字転換の市場予想に反して赤字着地となった。一方、投資事業が主体ゆえに四半期業績のブレは想定内とされ、今日の株価は上昇して始まると、取引終了まで上げ幅を広げる動きとなった。同社が重要視する保有株式価値から純有利子負債を差し引いた時価純資産(NAV)は、英半導体設計大手アーム・ホールディングスの株価上昇などにより、昨年末の19.2兆円から3月末時点の27.8兆円まで急拡大した。今後は英アームHDを武器に半導体開発やデータセンター、発電、ロボットなど、AIを軸にした事業転換を図るとも報じられており、先行きに対する期待が強まっているもよう。今後、事業投資や株主還元の再開に向けて資産売却に動く可能性もあり、当面は期待が株価を下支えしそうだ。
大林組は、前期実績および今期見通しが市場予想を上回ったほか、前期末の増配額の引き上げと今期の増配計画を発表。足枷になっていた建築の完成工事総利益率も改善する見通しで総じて好印象。昨年4月のアクティビスト(物言う株主)による株主提案を契機に上昇してきた株価は、今年4月の資本政策の見直しを受けて一段と上昇した。同社は必要な自己資本を1兆円としているが、前期末時点ではすでに同水準を超えているため、追加の株主還元に対する期待も残る。
古河電気工業とUBEは前期実績と今期見通しが市場予想を大きく上振れ。古河電気工業はエネルギーインフラや自動車に加え、生成AI(人工知能)向けでも幅広く製品需要が拡大する見通しで、期待が持てそうだ。
■ソフトバンクグループ株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
「ザイ投信グランプリ2024」フレッシャー賞は下落知らず!?
新NISAのつみたて投資枠で「オルカン(オール・カントリー)」や「S&P500」などのインデックス型投資信託で投資を始めたものの、次の一手をどうするか迷っている人も多いだろう。成長投資枠をうまく使うことで、利益の上乗せやリスクを分散する効果も期待できる。インデックス型にプラスオンするなら、指数を上回る優秀なアクティブ型を表彰している「ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2024」を参考にしよう。今回は「フレッシャー賞」にフォーカスしてお届けする。
当グランプリは5年の実績で表彰しているが、運用歴が浅くとも優秀な投資信託はあり、それを見逃すのはもったいない。そこで特別枠「フレッシャー賞」を設け、3年以上の実績がある投資信託の中からベストな1本を選出している。日本株総合部門で受賞したのは「One高配当利回り厳選ジャパン」だ。実績が短いとはいえ、企業年金向けなどに10年以上の運用実績がある投資信託の公募版。利益成功と配当利回りの高さの両方を重視する戦略で、株価の上昇が見込める上、底値が堅い。特に評価項目の1つである「下がりにくさ」は秀逸で、日本株総合の最大下落率がマイナス9.9%なのに対し、同ファンドはプラス2.2%という結果だった。
当グランプリは「成績」「下がりにくさ」「成績の安定度」の3点で評価。長期で安心して持てる成績の良い投資信託を選定している。「One高配当利回り厳選ジャパン」は全ての項目で90点以上の高得点をマークした。今後もこの好成績が続くことを期待したい。
「ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2024」の特設サイトも公開中だ。受賞ファンドの一覧がチェックできるほか、「One高配当利回り厳選ジャパン」のファンドマネージャー河井貞治さんのインタビューも掲載している。チェックしてみよう。
石川絵美
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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