【1】今日の株式相場早わかり!
続伸、米インフレ懸念後退でダウ500ドル超高
日経平均株価は続伸! 5月31日の米国市場ではNYダウが500ドル超上昇した。4月の個人消費支出(PCE)価格指数は食品・エネルギーを除くコアベースで前月比+0.2%(3月は+0.3%)と伸びが鈍化。インフレへの警戒感が和らぎ、金利低下とともに株式市場でも買い優勢となったが、ハイテク株の一角には売りが続いた。週明けの日経平均株価はNYダウが上昇した流れを引き継ぎ、続伸してスタート。朝方には上げ幅を500円超に広げる場面があったが、3万9000円を上回ると戻り待ちの売りも出たとみられ、堅調もみ合いの展開となった。
ハイテク株ではディスコなどが軟調だったが、日経平均株価への影響が大きい東京エレクトロンは堅調。国内では追加利上げ観測が根強いようで、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株は年初来高値を更新した。今週は海外で重要な経済指標の発表や金融政策イベントがあり、この後のコラムコーナーで確認しておこう。
【日経平均】38923.03円↑↑(+435.13円)
【グロース250】616.66↓(-1.83)
【NYダウ】38686.32ドル↑↑(+574.84ドル、5月31日)
【ナスダック】16735.015→(-2.064、5月31日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
5月の優待変更、良品計画・アシックスなどが拡充!
今日はザイ優待アナリスト小林大純とともに、5月に発表された株主優待の変更を確認しよう。引き続き優待拡充が多い一方、廃止・減額の動きも見られた。優待狙いの投資家は、企業を取り巻く環境や株主対応に関する考え方を注視しておきたい。
人気どころでは、生活雑貨「無印良品」の良品計画が優待を拡充。買い物時の優待カードの割引率を従来の5%から7%に引き上げた。2023年8月末から優待を導入したが、中長期保有者(3年以上)の割合は導入前の5%から約20%まで高まっているという。また、全国の店舗で株主ミーティング「MUJIダイアログ」を開催するなど、個人株主向けの活動を積極的に行っている。5月1日号でも述べた通り、株式持ち合いの解消や「物言う株主(アクティビスト)」の台頭で、ファン株主づくりの一環として優待拡充が増えているようだ。
業績・株価の好調が光るアシックスにも注目。6月末を基準日として、1株につき4株の割合で株式分割を実施する。最低投資額が大幅に引き下がる一方、分割後100株から従来通り優待対象となる。直営店舗・ECサイトともに電子チケットに統一(紙の優待券を廃止)するのに伴い、直営店舗の最小割引率(20→25%)などが向上するのもうれしい。また、サンリオや高島屋も株式分割後の100株から優待対象とし、回転ずし「スシロー」のFOOD & LIFE COMPANIESは優待券の電子化を機に贈呈枚数を増やした。
ただ、マクニカホールディングスが優待を廃止し、日本ハムが優待品を減額するなど、配当重視の株主還元にシフトする企業も散見された。長期的に優待をもらいたいなら、積極的に拡充を図る企業などを選ぶ必要がありそうだ。
(ザイ優待アナリスト 小林大純)
■良品計画株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
金利左右する日米欧のイベントに注目
先週の日経平均株価は-158.21円(-0.41%)。10年物国債利回りが約13年ぶりに一時1.1%台に乗せるなど、国内金利の上昇が続く中、週後半にかけて下落が続き、5月30日には900円超下落する場面もあった。一方、3万8000円割れでは押し目買いが入り、金利の上昇一服に合わせて週末は大きく反発した。
今週は金利を左右するイベントが国内外で相次ぐ。米国では5月のサプライマネジメント協会(ISM)景況感指数が発表予定。先んじて発表された5月購買担当者景気指数(PMI)は予想以上に強く、発表直後に金利上昇と株安を誘発した。ISMの製造業・非製造業ともに4月からの改善が予想されているが、大きく上振れてしまうと、再び金利上昇に拍車がかかる恐れがある。一方、週末の5月雇用統計を含め、雇用関連の指標で着実な労働需要の鈍化が確認できれば、利下げ期待が維持され、金利上昇は限定的となろう。
欧州では欧州中央銀行(ECB)定例理事会が開催予定で、利下げに踏み切ることが濃厚とみられている。その先の利下げスケジュールについては政策メンバー内で意見が分かれており、直近の物価指標も上振れていたことを考えると、ラガルド総裁からハト派的な発言は期待しにくいが、実際に利下げに踏み切れば、安心感につながりそうだ。
国内では長期国債の入札が予定されている。米経済指標が予想並みにとどまり、ECB理事会で利下げが決定されれば、グローバルな金利低下が期待されるが、米経済指標が上振れた上で長期債の入札結果が低調となると、上昇が一服したばかりの国内長期金利が再び上昇する可能性があり、注意したい。また、国内では4月の毎月勤労統計調査などが発表される。物価上昇率を考慮した実質賃金のマイナス状況に改善の兆しが見られるかを注視したい。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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