「勝者のゲーム」と資産運用入門

世界主要国でいよいよ始まった利下げ。本丸の米国は据え置き、日本は追加利上げを予想。金融政策を踏まえた最適な日本株の投資戦略とは?太田忠の勝者のポートフォリオ 第140回

2024年6月11日公開
太田 忠
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

2024年相場を占う中央銀行の金融政策。先週は重要イベントが2つ発生

 本連載で今年取り上げる題材は「金利」を中心としたものが圧倒的に多い。年頭において「今年の相場を占うポイントは何と言っても日米の中央銀行の金融政策転換が最重要である。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めから金融緩和への転換、そして、日銀のマイナス金利から金融正常化への転換である」と申し上げたが、先週は政策金利を巡って重要なイベントが2つ起こった。

 まず、先陣を切って政策金利を引き下げたのがカナダの中央銀行だ。6月5日に政策金利を5.0%から4.75%に引き下げると発表。利下げは2020年3月以来となる4年3カ月ぶりだ。4月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率が2.7%と3月の2.9%から鈍化して2021年3月以来の低水準になるなど足元でインフレ鈍化が進んでいることが背景にある。2022年から始まった一連のインフレ局面で利下げに転じたのは主要7カ国(G7)の中央銀行で初めてである。

カナダ中銀に続き、欧州中銀も政策金利を4.25%に引き下げることを決定

 続いて、注目された6月6日の欧州中央銀行(ECB)理事会は、政策金利を4.50%から4.25%に引き下げることを決定。利下げは2019年9月以来4年9カ月ぶりとなる。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で「金融引き締めの度合いを緩めるのが適切」「インフレ見通しは大幅に改善してきた」と語り2%の物価目標達成に自信を示した。インフレが中期的に落ち着くとみて金融引き締めの度合いを緩めるのが適切との判断である。

 5月のユーロ圏のCPIは前年同月比2.6%上昇し、上昇率は4月の2.4%から加速したものの、2022年10月につけた過去最高の10.6%からは大幅に鈍化。インフレの主因だった食品・エネルギー価格が落ち着いたことが大きい。一方で、欧州経済は堅調な米国経済とは対照的に個人消費の冷え込みで需要回復が遅れている。経済をテコ入れするとの意味合いも今回の政策金利の引き下げに含まれている。

政策金利引き下げも欧州株価は停滞。追加利下げへの慎重姿勢が要因か

 ちなみに四半期に1度公表される景気・物価見通しにおいて、ユーロ圏の物価上昇率は2024年に2.5%、2025年に2.2%で推移するとのシナリオが示された。前回3月時点の予測から0.2%ずつ上方修正されたが、2026年には1.9%まで落ち着く見通しとなっている。

 政策金利を引き下げたとは言え依然として4.25%という高水準のままだ。今後の焦点は、ECBがどのようなペースで利下げしていくかである。いまだ賃上げ圧力は衰えておらず、人件費に敏感なサービス業ではしつこいインフレが定着している。公表された声明文では2%の物価目標の達成に向けて「必要な限り政策金利を高水準にとどめる」と明記されており、利下げを急がない姿勢を強調している。6月6日の欧州株式市場は上昇したものの、追加利下げが不透明なことから伸び悩んでいる。次回7月の理事会での連続利下げは見送られる可能性が極めて高い。

FRBは据え置きが濃厚。先走るマーケットに肩透かしを食らわせる格好か

 本丸のFRBの金融政策はどうなるだろうか。6月12日(日本時間6月13日未明)に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが予想される。現在の米国の政策金利は5.25~5.50%であり、これはリーマン・ショック直前の水準を上回るレベルにある。米国では直近の1週間で景気や雇用の減速を示唆する指標が相次ぎ、足元で利下げ観測が再び強まっているが、FRBが目標とする2%に達するには時間がかかる。また、3カ月ごとに更新されるドットチャート(FOMCメンバーによる政策金利の見通し)では2024年の利下げ回数は3月時点の3回から減る可能性が高い。要するに、マーケットは目先の数字を頼りに先走り過ぎており、肩透かしを食らう形になると予想する。

 5月22日に公表された5月FOMCの議事要旨では、FOMCメンバーが強いインフレ警戒懸念を示していたことが明らかとなり、最近もFRB高官から相次ぐ利下げへの慎重発言が飛び出している。そもそもパウエル議長は一貫して「早期の利下げには慎重」との姿勢を示しており、この姿勢は直近1週間の景気や雇用のデータでやすやすと覆らないだろう。また今年は11月に大統領選挙もあるため安易な利下げは行われないと考えるべきであろう。個人的なシナリオでは、今年利下げがあったとしても12月のFOMCだと考えている。

6月の日銀会合では国債買い入れ額の減額、7月には追加利上げを決定か

 一方、6月14日の日銀の金融政策決定会合。こちらは金融正常化に向けた動きが見られる筈だ。すなわち「国債買い入れ額の減額」を発表すると私は見ている。すでに5月13日に債券市場で私たちはサプライズを見た。国債買い入れオペ(公開市場操作)において、日銀は5年超10年以下の国債の買い入れ額を従来の4750億円から4250億円に500億円減額した。6月発表の金融正常化に向けての地ならしである。

 そして、早ければ7月の金融政策決定会合において植田和男総裁は0.25%の追加利上げを決定すると私は考えている。市場関係者の間では「9月か10月頃」との見方がなされていると思うが、今の長期金利の急速な上昇ペースではそんな悠長なことを言ってはいられない。やや軽はずみの感があった植田総裁の「円安容認発言」でドル円は一気に160円台まで円安が進み、政府が2度に渡って9.7兆円ものドル売り・円買いの為替介入を行なった。今は植田総裁も更なる円安には歯止めをかけたいはずである。日銀は為替レートそのものを金融政策の目標にはしないが、経済の安定を損ねかねない円安への警戒を強めていると思う。

バリュー投資戦略を採用する「勝者のポートフォリオ」は最高値を更新!

 以上、見てきたように欧米では利下げへの舵を切り、日本はマイナス金利を脱却して金融正常化へと踏み出した。今は逆業績相場から金融相場への過渡期だ。私の経験則からすれば、かなり相場がガタガタする時期である。日々、金融政策を巡る思惑で株式市場は楽観的になったり悲観的になったりを繰り返している。この環境下においてはジタバタしても仕方がない。じっくりと金融相場の到来を待ちつつ、投資戦略を練ることが大事だ。しばらくの間は今のマーケットに合致したバリュー投資戦略がベストであると私は考えている。

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行なっている「勝者のポートフォリオ」。6月3日時点でのパフォーマンスは+57.2%となり3月末の最高値+57.0%を更新した。2021年10月から運用開始したが、同期間のTOPIXは+47.0%、日経平均+39.3%、東証グロース250指数-44.8%となっており圧勝している(いずれも配当込みベース)。非常に好調だ。

7月4日開催のWebセミナーは必見。パフォーマンス好調な投資戦略を解説

 2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。6月6日(木)20時より開催したWebセミナーは平日夜にもかかわらず266名もの参加となり大いに盛り上がった。テーマは『好調な米国株vs軟調な日本株 ― 今後の展開を読む』。次回は7月4日(木)20時より開催する。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。

 そして、スペシャル講義では『ポートフォリオ理論』に続いて太田流『ポートフォリオ実践』がスタートした。資産運用においてポートフォリオ運用のノウハウを知っておくことは必須であり、個人投資家が身に付けることを目的としている。また、太田流『新NISA活用法』もすでに完結した。700名近くの会員たちはすでにバッチリ新NISAに取り組んでおり大きな成果を出している。資産運用を真剣にお考えの皆さま、「勝者のポートフォリオ」で一緒に大きく飛躍しましょう。ぜひ、ご参加をお待ちしております。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


ダイヤモンド・ザイのお得な定期購読はこちら!
年200万円利用で高級ホテル宿泊券がもらえる!最強ゴールドカードを検証! ダイヤモンド・ZAi無料会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!日本株の売買手数料が完全無料(0円)に! クレカ積立の還元率が業界トップクラスなのも魅力! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!日本株の売買手数料が完全無料(0円)に! クレカ積立の還元率が業界トップクラスなのも魅力! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

上がる&増える高配当株143
AI・半導体の本命株
iDeCo入門

9月号7月21日発売
定価950円(税込)
楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[上がる&増える高配当株143]
◎巻頭インタビュー
米国・欧州・インドのプロがズバ斬り!
世界株の行方と投資家がすべきこと

◎巻頭特集
業績絶好調!まだ狙える!
日本のAI・半導体の本命株34

●データセンターの中身から儲かる銘柄
●半導体の本命株9
●電子部品&電力の本命株10
●ロボットなどの本命株15

◎第1特集
インフレに勝てる!
上がる&増える高配当株143

●高配当株の選び方が変わった!
インフレ&金利上昇時代の新基準3

●AI一辺倒相場の今がお買い得!下がりすぎ人気高配当株14
●ぜんぶ4%超!長期保有でも安心!10年減配なしの高配当株100
●利益の成長とともに株価も上昇!配当がぐんぐん増える株19

◎第2特集
短期集中連載スタート!ガチ自腹50万円
株好きアイドル[ラフ×ラフ]高梨結VSザイ部員
スイングトレード株バトル

●第1回:ちょる子さんから学ぶ「スイングトレード」の極意
◎第3特集
空前の株高で立ち見の会社も!
2026株主総会32社直撃レポート

●モノ言う個人投資家・田端信太郎氏がアドバイス!
●AI・半導体株:キオクシアHD・ソフトバンクGなど

●お騒がせ株:日産自動車・ニデックなど
●中東問題で揺れる株:日本郵船・旭化成など

◎第4特集
AI相場に乗れる!長期成長が取れる!
新興国株投資の新常識&買うべき投信14

●<目的1>AI・半導体相場に乗る
●<目的2>長期の経済成長に期待

◎別冊付録
【4号連続企画の1回目】
iDeCo入門「改正点とメリット」

●マンガで理解!iDeCoって何?
●iDeCoのココがスゴイ!

ー掛け金ぜんぶが所得控除に!
ー受取る時にも税金優遇など
●iDeCoの5つのQ&A
―iDeCoとNISAの優先度は?
―何に投資するのが正解?など

◎いつもの連載も充実!
●10倍株を探せ!IPO株研究所2026年6月編
「日本のIPO株に海外の投資家が注目」
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.24
「新幹線に安く乗ろう!」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.19
「AIとの壁打ちで精度を上げる」
●おカネの本音!VOL.49 西岡孝洋さん
「タワマンは金融商品だ!?住んで、売って、築いた元フジアナの資産づくり」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.117
「家電業界くっつき物語!」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「株高の恩恵はいずこへ!?株価が上昇しても不況感が強い理由」
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ
「円安進行で本当の利回りは高水準を維持」
●ZAiクラブ拡大版!1カ月で1番上がる株を当てろ!
「上げ幅は大きくないがマツキヨ株が堅調に推移!」

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

ザイクラブ・アンケートはこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報