【1】今日の株式相場早わかり!
景気敏感株に買い広がり、3万9000円台回復
日経平均株価は続伸! 24日の米国市場では、NYダウが約1カ月ぶりの高値を付けた一方、ナスダック総合指数は続落。これまで好調だったエヌビディアなどの半導体株に売りが出る一方、相対的に出遅れ感のあった景気敏感株などに買いが入った。今日の東京市場でも引き続き円安基調を追い風に輸出関連などの景気敏感株を中心に買いが入った。取引序盤は半導体株の下落が重石になったものの、一部の海外投資家が、企業から支払われた配当金の再投資を行っているとの指摘もあり、幅広い銘柄に買いが入る中、日経平均株価は次第に上げ幅を広げ、3万9000円台を回復。取引終盤にかけては一段と騰勢を強める展開となった。
ディスコなどの半導体株の一角が下落した一方、トヨタ自動車などの自動車株のほか、銀行株や保険株が大きく上昇。今晩の米国市場では、コンファレンスボードによる6月の消費者信頼感指数や物流大手フェデックスの決算などが発表される。景況感に対する見方の変化などに注目したい。
【日経平均】39173.15円↑(+368.50円)
【グロース250】647.30↑↑(+8.53)
【NYダウ】39411.21ドル↑(+260.88ドル、24日)
【ナスダック】17496.817↓↓(-192.544、24日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
配当増額修正の高配当株、積水ハウスやシーアールイーなど
足元で3~5月期決算の発表が始まっているが、少し前の2~4月期決算を発表した企業を対象に、直近に配当予想の増額修正を行った企業をおさらいしておこう。増額修正後の株価推移が堅調な銘柄も多く、相場下落時などの押し目買い候補にもなりそうだ。
増額率1、2位のアイモバイルとシーアールイーは配当利回りも高水準だ。アイモバイルはふるさと納税サイト「ふるなび」が好調で、契約自治体数や会員数は順調に拡大。5月にはそれまで30%としていた配当性向を「2027年7月期までは50%」に引き上げるとし、配当予想を大幅に増額した。シーアールイーは好調な物流不動産の開発やストック型の管理ビジネスの拡大を背景に、昨年9月に中期経営計画の業績数値目標を上方修正。また、配当と自社株買いを合わせた総還元性向の目標を30%程度から「毎期30%を下限に50%を目標」「期末配当は累進配当」へと引き上げた。
高配当株として個人投資家からの人気が高い積水ハウスは、6日に発表された第1四半期決算では、営業利益が前年同期比28.7%増の好発進となった。また、米MDC社の買収に伴う影響も寄与し、早々に通期の業績・配当予想を上方修正。なお、同社は配当方針として「中期的な平均配当性向40%以上」に加えて「1株あたり年間配当金の下限を110円」も設定し、安定性を実現している。さらに、1月末時点で1000株以上を保有する株主であれば、株主優待として「魚沼産コシヒカリ」5kgも贈呈される。業績好調かつ株主還元にも積極的で中長期投資との相性が良さそうだ。
「NEXT GIGA」関連(5月9日号)の内田洋行や、データセンター関連(5月28日号)の泉州電業など、業績と株価がともに好調な銘柄も多く、今回の表掲載銘柄には今後もぜひ注目してほしい。
■シーアールイー株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
オルカンの罠に注意! “分散されているから安定的”じゃない
新NISAで圧倒的な人気を誇る、全世界株のインデックス型投資信託(オルカン)*。しかし、どんなものなのか、よくわからないまま買っている人も多い。全世界株型のインデックス投資信託は、1本で約50カ国、およそ3000銘柄を投資対象とする。その名のとおり世界中の株式に分散投資できる。さらに信託報酬が最安級のものでは年率0.05%台と、非常に低コストであることも魅力だ。一方で、“リスクが高め”であることは知っておきたい。
上の図は、全世界株型インデックス投資信託の多くが連動する指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)の過去20年の成績だ。長期的には右肩上がりだが、1年ごとではマイナスの時も。2008年のリーマンショック時には、じつに52.8%も下落した。買うタイミングによっては、一時的に損が出てもおかしくない。
これは、国の分散はされていても、投資対象で見ると“株式が100%”のため。株式はそもそも値動きが大きい、つまりリスクが高い投資対象なので、当然の結果だ。また海外株が9割以上を占めており、為替の影響を受けることも要注意。為替が円高ドル安方向に動いた場合は、成績にマイナスに働く。
こうした基本を知っておかないと、“だまされた!”となりかねない。言い換えると、基本さえ知っておけば怖がらなくても大丈夫。積立投資なら“購入価格がならさられる”結果、高値づかみのリスクを減らすことができる。一時的に損になっても慌てずに、長期の目線で投資を続けることが大切だ。
大好評発売中のザイ8月号の特集「オルカン入門」では、キホンはもちろん、ハマりがちな罠と正しい投資法、さらに他の投資信託と組合わせる応用ワザまで、わかりやすく紹介。ぜひ一読を!
*「オルカン」は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称として商標登録されているが、ここでは全世界株型インデックス投資信託の総称として使っている。
河野拓郎
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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