東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続伸となりました。256円高の39,839円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で359円高の39,942円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと11時20分過ぎに62円高の39,645円まで上げ幅を縮め104円高の39,687円で前場を終えました。
112円高の39,695円でスタートした後場の日経平均は13時前にマイナスに転じましたが、45円安の39,537円と節目の39,500円を前に下げ渋るとやや持ち直し結局47円高の39,631円で取引を終えています。
一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した高島屋(8233)やJ.フロント リテイリング(3086)が年初来高値を更新しました。高島屋は訪日客による高額品の販売が伸びていることなどにより500億円とみていた通期の営業利益の見通しを550億円に引き上げたことから11.1%高となりました。
J.フロント リテイリングもインバウンド(訪日外国人)需要が従来の想定を上回って推移していることなどにより375億円とみていた通期の営業利益の見通しを415億円に上方修正したことで14.7%高となっています。
他の百貨店株にも連想買いが入り、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が4.4%高となり、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)も6.5%高となりました。
また、6月28日の国際指標である中国コンテナ船運賃指数(CCFI)が前週に比べて5%余り上昇したことから大手海運株が高く、日本郵船(9101)が3.2%高、商船三井(9104)が3.0%高、川崎汽船(9107)も6.8%高となりました。
さらに長期金利の上昇を受けて生保株が高く、第一生命ホールディングス(8750)が3.7%高となり上場来高値を更新したほか、T&Dホールディングス(8795)も4.0%高となり年初来高値を更新しています。
一方で第1四半期決算を発表したアダストリア(2685)やピックルスホールディングス(2935)が売られました。カジュアル衣料大手のアダストリアは景気減速の影響で米国事業の卸売りが不調だったことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で4.2%減となったことで一時12.0%安となりました。
漬物メーカーのピックルスホールディングスも消費者の節約志向が強まり減収となるなかで、暖冬や春先の天候不順などの天候要因により原料となる野菜の価格が高騰したことから第1四半期の営業利益が前年同期比で32.9%減となったことで一時4.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は47円高となりました。米国市場でダウ平均の下げが小幅に止まるなか、先週末の堅調な地合いを引き継ぎ買いが優勢となりました。
また、寄り付き前の8時50分に発表となった6月の日銀短観で大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス13と2四半期ぶりに改善し市場予想も上回ったことから上げ幅を広げ朝方には360円近く上昇する場面もありました。
こうしたなかでTOPIXは14ポイント高の2,824ポイントとなり3月22日に付けた年初来高値(2,813ポイント)を更新しています。
しかし、日経平均は40,000円の大台を前に上値が押さえられると一時マイナスとなるなど伸び悩み小幅高で取引を終えています。そのため40,000円近辺での上値の重さが意識されそうで、今週は40,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の本日23時には6月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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