【1】今日の株式相場早わかり!
日経平均は一時1000円近い上昇、最高値を更新
日経平均株価は3日ぶり大幅反発! 8日の米国市場で主要株価指数は高安まちまち。11日(木)に発表される6月消費者物価指数(CPI)など今週に控える重要指標を前に様子見ムードが強く、序盤の上昇を保てずNYダウは下落。一方、半導体株をけん引役にS&P500指数とナスダック総合指数は連日で最高値を更新した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の大幅高を受けて今日の東京市場でも東京エレクトロンなどの関連株が大幅高となった。日経平均株価は朝方から上げ幅を広げる強い流れが終盤まで続き、一時は4万1769.35円(988.65円高)まで上昇。終値でも4日に付けた史上最高値(4万913.65円)を大きく更新した。
半導体株のほかソニーグループなどのハイテク株の上昇が目立ち、日立製作所は上場来高値を更新。米コーニングが生成AI(人工知能)向け光ファイバーの好調を理由に業績予想を上方修正したことでフジクラも上場来高値を更新した。なお、今晩の米国市場ではパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の上院での議会証言が予定されている。
【日経平均】41580.17円↑↑(+799.47円)
【グロース250】657.93→(-1.00)
【NYダウ】39344.79ドル→(-31.08ドル、8日)
【ナスダック】18403.738↑(+50.979、8日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
注目の小売決算、決算のハードルは高め?
小売企業の3~5月期決算の発表が今週ピークを迎える。今月下旬から本格化する4~6月期決算を前に、内容や株価反応から決算に対する期待のハードルを推し量ってみよう。
ウエルシアホールディングスの2025年2月期第1四半期(3~5月)営業利益は前年同期比25.5%減の54億円と市場予想を大きく下回った。ポイントサービスの変更やたばこ取扱いの終了に加え、販促強化や薬価改定などの影響から利益率が悪化。減益幅は予想以上との受け止めが多かった。同業のクリエイトSDホールディングスの2025年5月期営業利益は前期比8.8%増の220億円と連続増益を見込むほか、14期連続の増配を計画。家計の節約志向が強まる中、引き続き食品において価格訴求などを図る。一方、前期実績が会社計画を下回ったこともあり株価は下落。ウエルシアと同様、利益率の高い調剤部門は薬価改定による悪影響があり、ドラッグストア業界の重石になっているようだ。
食品スーパーのライフコーポレーションの2025年2月期第1四半期(3~5月)営業利益の通期計画に対する進捗率は28.1%と良好な出足。プライベートブランド(PB)などの高付加価値商品と値ごろ感のある商品の充実化で消費の二極化に対応。ただ、株価は下落し、大黒天物産やサイゼリヤなど今週に決算を控える他の小売株の下落も目立った。動画配信や店舗向けサービスなどを展開するU-NEXT HOLDINGSの2024年8月期第3四半期(9~5月)業績は大幅増益で、4月に上方修正した通期計画に対する営業利益の進捗率は84%と一段の上振れが見込まれる。しかし、上方修正がなかったことが失望を誘ったか、同社株価も下落。今日の株価反応からは総じて決算に対する期待のハードルは高いといえそうだ。
■ウエルシアホールディングス株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
「テンバガー・ハンター」運用担当者に聞く、10倍株の見つけかた
「テンバガー・ハンター[フィデリティ・世界割安成長株投信]」は、米国では34年の歴史を持ち、設定来の運用成績が65倍という折り紙付きの優良投資信託だ。日本では2020年に設定され、以降も好成績を維持している。
フィデリティ投信のファンドマネージャー、モーゲン・ペックさん、サム・シャモビッツさんに、現在の投資環境と、注目の日本株について聞いた。
***
──いまの世界的な投資環境をどう見ますか。
サム 慎重ながらも楽観視しています。世界的にインフレは落ち着いていますが、金利は高止まったままです。また地政学的な緊張は依然として続いています。しかし、米国企業の業績は若干低迷しているものの、健全なレベルにあります。(略)
──特に成長が期待できる分野や具体的な銘柄を教えてください。
モーゲン いまは米国よりもその他の地域に投資妙味があります。日本や英国をはじめとする欧州は、米国に比べ株式市場全体が割安です。(略)
──日本の株式市場についてもお聞かせください。
サム 日本には膨大な投資機会があります。(略)収益性もいいし、バランスシートも健全、経営陣も優秀です。でも、以前は資本効率をさほど考えておらず、稼いだ現金が会社の中に貯まっていました。(略)ここにきてようやく、株主価値や資本の効率性などについて考えるようになっています。その道のりはまだ始まったばかりで、今後ますます資本効率は上がると思います。
──日本はどの業種が魅力的ですか?
サム テクノロジー分野が有望です。(略)米国ではその分野は株価がかなり割高になりました。それに対して日本のテクノロジー銘柄にはまだ割安感があります。例えば、ルネサスエレクトロニクスなどはバランスシートが健全なわりには株価が割安です。
***
インタビュー本編では、サムさんがさらに、日本には他にも注目分野があると、語っています。具体的な銘柄名も。詳しくは本編へ!
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