トランプが大統領選で勝つ確率はほぼ100%! トランプの政策や外交はアメリカや世界にどんな影響を与える?
元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。
前回の放送で、ポールさんはアップルとアマゾンを例に、短期のプレイヤーが失敗して下げたところを、自信を持ってピックアップする方法を解説。米大統領選でトランプの勝利がほぼ確実視されているのに、バイデンが立候補し続ける理由についても語ってもらった。
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今回の放送では、トランプ(以下、氏は省略)の銃撃事件を受けて、アメリカが団結し、トランプが大統領選で勝つ可能性がほぼ100%となったという話題に。マーケットはトランプ大統領を織り込み始め、トランプの政策や外交がアメリカや世界にどのような影響を与えるのか、ポールさんの見方を聞いていったので、さっそくチェックしていこう。
カナダの港に停泊中のヨットから経済番組に生出演!
番組冒頭、シアトル在住のポールさんが今回、カナダのオクトパスアイランドに泊めてあるヨットから生出演していることを、アシスタントの木村カレンさんが紹介した。
ポールさんが番組放送時にいたオクトパスアイランドは、ディソレーション・サウンド・マリーン州立公園の一部で、小さい島群がいっぱいあるそう。
オクトパスアイランドを日本語で訳すとタコ島だけれど、タコはあまり見かけず、地形がタコっぽいのかもしれないとのことだった。
すると、木村さんがポールさんのヨットの背景が動いていることに注目した。
ポールさんの船は錨で停泊している状態で、風で船が横にスライドしたりするため、ヨットの背景が動いているとのことだった。
番組の最後の恒例行事となっている、ヨットの外をぐるっと見せてもらう様子を先に載せておくと、美しい朝日が差し込む港からポールさんが出演していることがわかる。
トランプ銃撃事件で、大統領も上下院も共和党になり、中長期で影響が出そう。民主党によるバイデン撤退の話もおとなしくなった
続いて、ポールさんがカナダでヨットの旅をしている間に発生した、トランプの銃撃事件のことをどう見ているのか、番組MCの渡部一実さんが質問した。
まず「トランプは本当に無事で良かったですね」とポールさん。
トランプにもし何かあったら、アメリカでは暴動起きて大問題になるため、無事だったのは本当にラッキーだったとのこと。トランプを銃撃したのは二十歳の子供で、本当のプロだったら相当危なかったようだ。
ポールさんはこの銃撃事件の前から、トランプが大統領選で勝つ可能性は高いと考えていたけれど、この銃撃事件を受けて、トランプはほぼ100%勝つと考えている。
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そして、民主党の人によるバイデンの大統領選撤退の話も、銃撃事件を受けておとなしくなった(7/19時点でバイデン氏撤退の可能性も報じられています)のだという。
なぜかというと、トランプに勝てないと思う人が多くなったからだそう。大統領選にいま出馬しても政治的に終わるんじゃないか、4年後を待って出た方がいいんじゃないかと考える人達が多いようだ。
また、大統領が共和党になり、上院と下院も両方共和党になりそうなため、少なくとも中間選挙までは色んな政策を通すことができるし、最高裁にも影響が出る可能性があって、中長期で大きな影響がありそうとのことだった。
トランプの輸入関税は特定の業界にはインパクトがあるが、マクロ経済全体にはそれほど影響がない
次は、トランプの輸入関税の話題に。
トランプが輸入関税を高くすると、アメリカで物価が上がり、インフレがぶり返すという見方について、渡部さんから質問が飛んだ。
結論から言うと、ポールさんは関税についてそこまで心配していなかった。
その理由の1つは、前回の関税引き上げでも、アメリカ経済に打撃はそこまでなかったこと。もう1つは、関税引き上げでインフレになると、FRBが利上げして米ドルが強くなり、米ドル高には物価抑え込みの力があること。
関税は特定の業界にはインパクトがあるけれど、マクロ経済全体を平均的に見ると、それほど影響はなさそうで、過度に心配してアメリカに投資しない理由にしなくてもいいとのことだった。
これを受けた渡部さんは、トランプがアメリカを有数のエネルギー大国にすると言ったことで、エネルギー株が買われたり、防衛や重工業が買われたりしているが、マーケットがトランプ大統領を織り込みに行っているのか、ポールさんに聞いた。
トランプはテクノロジー業界に対して規制を少し緩和してきそうで、イーロン・マスクなどテクノロジー業界の人たちがトランプ支持を明言するようになったことも、テクノロジー業界にとってはプラスだそう。
また、アメリカはすでにエネルギー大国ではあるけれど、エネルギー業界は最近パフォーマンスがよくなかった反動が出て、トランプのエネルギー業界に前向きな発言も重なって、少し回復しているようだ。
重工業については、アメリカの重工業が空洞化すると、国防の関係で問題になるため、そこに力を入れていくのは合理的な動きなのだという。
重工業に力を入れると、国防だけでなく、アメリカ経済の不均衡を調整する意味もあるようだ。
アメリカの沿岸部の州はテクノロジー業界で結構栄えているけれど、重工業がある南部はあまり栄えていないそう。ワシントン州の平均寿命が80歳代である一方、南部の平均寿命は70代前半で、平均寿命が短い大変な場所に力を入れるのは、ある意味、国内の経済バランスをとるのにいい政策だとポールさんは考えている。
アメリカの輸入品で一番重要な半導体は、台湾がかなり重要な立場にいる
続いて、トランプの外交の話題に。
トランプが大統領になったら、ウクライナ戦争を1日で止めると言っているけれど、ウクライナや台湾といった外交面で注目すべきことはあるのか、渡部さんが質問した。
ポールさんはトランプ外交に不確定要素が大きいのではないかと考えている。
トランプはウクライナが昔からあまり好きではなく、バイデンの関わりもあって、ウクライナにとっては不利な状況になる可能性があるとのこと。
ただ、世界レベルで見ると、アメリカにとってウクライナはそこまで重要ではないため、ウクライナ戦争がどうなるかは未知数なようだ。
アメリカの輸入品で一番重要な半導体は、台湾がかなり重要な立場にいて、地理的にも産業的にも台湾を簡単にあきらめない限り、台湾は大丈夫なようだ。
また、中東については、民主党の中では分裂していたけれど、トランプはイスラエル派であることがはっきりしていて、イスラエル寄りの政策になりそうとのことだった。
トランプ銃撃事件は分裂続きのアメリカを団結に向かわせた! アメリカが大好きなトランプは、社長やビジネスの考えはあっても独裁者にはならない
そして、ポールさんは銃撃事件がもたらした長期の影響について語りだした。
アメリカはいま、今までのように分裂を続けるのか、それとも団結に向かうのかの分岐点に来ているのだそう。
銃撃事件のすぐ後のトランプの発言が「アメリカは団結しましょう。過激なことはやめましょう」という内容だったことで、これまでの分裂から団結に向かって、銃撃事件が結果的にはよい出来事だったと楽観視しているのだという。
銃撃事件があったことで、トランプのこれまでの考え方や気持ちが変わる可能性があり、銃撃事件は行き過ぎであることを、トランプ側もバイデン側も実感できたことで、お互いに目覚めたのかもしれないとのこと。
メディアはトランプのことを悪く書いたり、偏った見方で書くけれど、それはトランプが社長をやっていたからだそう。アメリカの社長は独裁者のイメージがあって、ビジネスの考え方があるから、普通の人とは少し違って見えるようだ。
でも、アメリカが大好きなトランプは、アメリカを良くしたい気持ちが強いため、独裁者になるという考えはないとポールさんは考えている。
逆に、民主党はいま、かなり難しい状況のようだ。トランプに対して強い攻撃の話はしづらいし、バイデンを降ろして若い人を大統領候補にする時間もない。民主党はトランプが民主主義を脅かしていると言っているけれど、今回の銃撃事件があって、民主党の方が民主主義を脅かしているように見えてしまって、最初から最後まで問題が残ったままで、残念だとポールさんは締めくくった。
ここまで、7月16日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。
冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近2年で100%近い上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。
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