【1】今日の株式相場早わかり!
大幅に4日続落、日米で持ち高削減の売り続く
日経平均株価は大幅に4日続落! 終値で4万円を割り込んだ。19日の米国市場で主要株価指数はそろって続落。大統領選や半導体政策をめぐる不透明感に加え、ハイテク大手の決算発表が迫ってきたことから、引き続き持ち高削減の売りが優勢となった。世界的なシステム障害で、セキュリティーソフトのクラウドストライク・ホールディングスが急落したことも、投資家心理を冷やしたようだ。週明けの日経平均株価はこうした流れを引き継いで続落スタートすると、一時3万9519.39円(-544.40円)まで下落。ディスコなどの値がさハイテク株を中心に全般軟調だった。一方、運賃引き上げを申請したJR九州は大幅高となった。
米国ではバイデン大統領が大統領選からの撤退を表明し、ハリス副大統領が民主党候補指名を目指す意向を示した。金融市場では共和党のトランプ前大統領の勝利を織り込む動きが進んできたが、変化が出てくるか注視したい。日米の注目決算や経済指標の発表スケジュールもコラムコーナーで確認しよう。
【日経平均】39599.00円↓↓(-464.79円)
【グロース250】657.25↓↓(-18.48)
【NYダウ】40287.53ドル↓(-377.49ドル、19日)
【ナスダック】17726.940↓(-144.283、19日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
2月決算企業では百貨店などが業績上方修正!
先週までに発表が一巡した2月期決算企業の第1四半期(3~5月)業績動向を振り返ろう。今回の決算発表時に通期の営業利益予想を上方修正した銘柄を下表にまとめた。2月期決算企業は小売などの内需系が多く、足元のように外部環境の不透明感が強まる局面で安心感がある。好業績株となればなおさらで、実際に表中の銘柄は直近1カ月(6月21日比)の株価パフォーマンスがおおむね良好だ(同期間の日経平均株価は+2.60%)。また、今週から4~6月期の決算発表が本格的に始まるため、業種ごとの好不調を探る上でもこの振り返りは有用だろう。
従来の営業利益予想に対する修正率トップは+100.0%の松屋。期初予想は25億円だったが、今回の決算発表時に50億円(前期比68.1%増)へ上方修正した。また、百貨店ではJ.フロント リテイリングや高島屋も上方修正に踏み切った。円安による物価上昇などで個人消費の持ち直しは足踏みしているが、高額消費や訪日客(インバウンド)の恩恵が大きい百貨店の業績は堅調に推移しているようだ。Jフロントの上方修正は第1四半期の上振れ分のみにとどまり、更なる超過が期待されて株価も好調だ。
修正率2位の古野電気は前期から業績が上振れ基調だ(1月22日号などを参照)。船舶用電子機器などを手掛けるが、温室効果ガス削減を目的とした新造船需要の増加や、中古船売買の活発化による機器のリプレイス(置き換え)需要が追い風となっている。また、ティーケーピーは貸会議室の需要回復、トレジャー・ファクトリーは物価高による中古品・リユース品のニーズの高まりから好調。古野電と比べると、やはり内需系の方が株価堅調と言えそうだ。
■J.フロント リテイリング株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
日米で注目決算、大型ハイテク株と為替の動きに注意
先週の日経平均株価は-1126.89円(-2.73%)。週初こそは小幅に上昇したが、週後半は大幅に下落した。米国が対中半導体規制を強化する方針と伝わったほか、トランプ前米大統領の発言を受けて急速に円高が進行したこともあり、半導体株を中心に大型株に利益確定売りが広がった。
今週の株式市場は軟調もみ合いが予想される。米国では主要企業の決算発表が本格化し、ハイテク関連ではアルファベットやテスラなどが予定されている。国内でもニデックや信越化学工業などが決算発表を予定している。来週も日米ともに主要企業の決算発表が相次ぐ上、日銀の金融政策決定会合が開催されるため、様子見ムードが強まりやすいだろう。
一方、週末には米連邦準備理事会(FRB)が重視する6月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表予定で、食品・エネルギーを除くコア指数は前月比+0.1%が予想されている。予想通りとなれば利下げ期待を一段と高めることになり、相場を下支えしてくれそうだ。また、米国では7月の購買担当者景気指数(PMI)や4~6月期国内総生産(GDP、速報値)が発表予定。強すぎず堅調な結果となれば、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が相場の持ち直しに寄与することが期待される。
注意したいのは為替だ。要人発言や米利下げ期待を背景に足元では円高圧力がやや強い状況が続いている。今週末の7月東京都区部消費者物価指数(CPI)や日銀金融政策決定会合に関する観測報道などの内容次第では、さらに円高が進む可能性もある。為替以外では、日米で進行中の大型ハイテク株の調整の行方も注目される。株価指数への影響力が大きいため、大型株の調整が続くようだと、相場の調整も長期化する可能性があり注意したい。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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