「勝者のゲーム」と資産運用入門

令和のブラックマンデー後の急騰、投資家の動きは?
投機筋は投げ売り、買い向かった海外&個人投資家。
金融相場の到来で、再び年初来高値を目指す動きに!太田忠の勝者のポートフォリオ 第150回

2024年8月20日公開
太田 忠
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

日経平均株価は史上最大の下げ幅4451円安をわずか5営業日で回復

 先週は『令和のブラックマンデー到来、今後のマーケットはどうなる?』というテーマで執筆したが、今週はその続きである。8月5日の日経平均株価は史上最大の下げ幅4451円安(下落率12.4%は歴代2位)となり、1987年10月20日のブラックマンデーに匹敵する「暗黒の月曜日」となった。今回の暴落に対する正式名称はまだ決まっていないようだが、まさに「令和のブラックマンデー」と呼ぶにふさわしいイベントだった。ストップ安が実に800銘柄。三井住友フィナンシャルグループ(8316)を筆頭に時価総額が5000億円以上の大型株ですらストップ安が続出し、「売ろうにも売れない」状態が起こった。ストップ安でも売らなければならない人たちが大勢いたため、売りが止まらなくなった。

 ところが、翌8月6日は一転して3217円高(上昇率10.2%は歴代4位)と過去最大の上げ幅を演じて急騰。8月7日には日銀の内田眞一副総裁が「不安定な状況で利上げすることはない」と明言し、更に戻りを試す展開となった。そして、先週8月13日に1207円高となり日経平均は3万6232円まで上昇し、令和のブラックマンデー前日の3万5909円を上回った。すなわち、わずか5営業日で暴落を取り戻す形となった。更に8月16日は1336円高と大幅に上昇し、3万8062円にて終了。7月11日の史上最高値4万2224円から8月5日の3万1458円まで1万766円の下落(下落率25.5%)に対して61%戻した。一度はフラッシュクラッシュの如く瞬間的パンチで殴られてクラッときたものの、その後の立ち直りは非常に早い。「なかなかヤル気あるなぁ」というマーケット展開だ。141円まで急騰していたドル円も149円台まで下落し、再び円安基調となっている。

「二番底を試す」という相場の経験則も色褪せるほどの急反発ぶり

 先週のコラムで「いったん大きな暴落を浴びてしまうとマーケットは乱高下する」「売らないといけない投資家たちの投げ売りと急落で買いを入れる投資家たちとの綱引きが続く」と述べたが、日経平均の日中値幅は8月13日からは連日で1000円未満となっており、ボラティリティが収まってきた。「暴落後に反発した後、再び二番底を探るという相場の経験則がある」とのコメントも色褪せてしまう状況だ。

 8月5日の令和のブラックマンデーの売りの主体は2つだった。円キャリートレードの巻き戻しで大きな損失を抱えたヘッジファンドたちの売り、そして信用取引を行っている個人投資家たちが追い証祭り&ロスカット祭りで株をぶん投げ、恐怖を感じた新NISA投資家たちをはじめとする現物株保有の投資家も損失回避のために持ち株の売却に走った。この日は年初来の上昇をすべて帳消しにした日だ。含み益の急減や含み損の急増に耐えられずに売りに走るのも無理はない。

急反発局面での買いの主体は、割安と見た海外投資家や個人投資家たち

 では、急反発局面では誰が買ったのだろうか?

 8月第1週(5日~9日)の状況が公表されたが、海外投資家が5219億円買い越しているのが目立つ(財務省データ)。実に4週ぶりの買い越しだが「日本株は安い」と見た海外投資家がこぞって買いに回ったことがわかる。投機筋が一斉にポジション整理のため売らざるを得ない行動しかできなかったのとは対照的だ。海外投資家の日本株売却額は31兆3395億円で過去最大、購入総額は31兆8613億円でこちらも過去最高だ。

 そして、買い向かった個人投資家たちだ。日本株に投資する投資信託への流入額が1644億円となり週間ベースで今年最大となった。もちろん、狼狽売りで流出してもおかしくなかったが、積み立て投資には平均買い付けコストを下げる買い場であったこと、また保有投信をぶん投げる行動も限定的だったことがうかがえる。ちなみに資金流入上位10本を見ると、すべて株価指数と連動するインデックス型の投信だ。1位はアセットマネジメントOneの「日経225ノーロードオープン」の228億円、2位は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」の103億円である。インデックス投信は信託報酬が年0.1~0.5%前後でありアクティブ投信に比べて安い。今やインデックス投信の時代であるが、パフォーマンスが悪くコストの高いアクティブ投信を選ばないのは正しい投資行動だと私は思う。

 一方、海外株投信は売られている。海外株投信は8月6日に今年初めて小幅な流出超過(87億円)となり、8月6日~8日の合計純流出額は1569億円。もちろん週間では408億円の流入超であるが海外物は敬遠されている。年初のドル円は141円レベルだったが161円まで円安が進んだ後は円高転換している。基準価格が実際の株安以上に下落し、為替の先行き不透明感から利益確定の売りがなされている姿が浮かび上がる。

日経平均3万8000円~4万円は上値重いものの、FRBの利下げが打ち破る

 ところで、今後マーケットはどうなるのか?

 「半値戻しは全値戻し」という相場格言がある。下げ幅に対して半分まで戻る反発力があれば再び高値まで回復するという意味だ。今回の急落は経済・金融イベントが引き起こしたものではなく円キャリートレードの巻き戻しという市場イベント、いわゆるテクニカル的要因だったことを考えれば、再び今年の高値4万2224円を目指す動きになると思う。急落前のストーリーは何一つ崩れていない。とは言え、3万8000円~4万円レベルで売買代金が大きく積み上がっているため、このレベルでは上値が重く、戻り待ちの売りが出やすい状況になる。そもそも今は逆業績相場の最中だ。以前のコラムで述べたように「ガタガタする」のが普通だ。

 だが、それを打ち破るのが9月の大きなイベントだ。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始で金融相場が始まる。それに備えて準備をしておくべき時なのだ。「勝者のポートフォリオ」では十分な備えを行っており準備万端である。金融相場入りで一段と加速していきたいと思う。

金融相場到来への準備万端な「勝者のポートフォリオ」で資産形成を!

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。8月8日(木)20時より第32回Webセミナーを開催。テーマは『令和のブラックマンデー到来、今後のマーケットと投資戦略を考える』。平日夜の開催にもかかわらず313名もの参加者となり、Q&Aを含めた終了時刻は22:40。すでに会員ページのアーカイブにて動画がアップ済みだ。次回は9月5日(木)20時より開催予定である。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。

 スペシャル講義では『ポートフォリオ理論』に続き、太田流『ポートフォリオ実践』がスタートした。資産運用においてポートフォリオ運用のノウハウを知っておくことは必須であり、個人投資家にそれを身に付けてもらうことを目的としている。また、太田流『新NISA活用法』もすでに完結した。700名の会員たちはすでにバッチリ新NISAに取り組んでおり大きな成果を出している。資産運用を真剣にお考えの皆さま、「勝者のポートフォリオ」で一緒に大きく飛躍しましょう。ぜひ、ご参加をお待ちしております。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します

「勝者のゲーム」と資産運用入門の関連記事


auじぶん銀行の公式サイトはこちら!
最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード! 新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
マネックス証券の公式サイトはこちら 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード! 新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強日本株
第1四半期絶好調株
ふるさと納税

10月号8月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[2025年夏の最強日本株]
◎巻頭特集
人気20銘柄の最新判断も!
初速がスゴイ!第1四半期絶好調株
●2025年後半の主役はコレ!快進撃の人気株
●配当&値上がりの両狙い!即買い高配当株
●業績好転で上昇に弾み!急騰狙いの逆襲株

◎第1特集
高利回りも大化けも!
買いの105銘柄を一挙紹介
2025年夏の最強日本株
●買い時は9~10月!日経平均は4万8000円
●強気派VS弱気派の戦い方
●安心して持てる人気株!大型優良株

1位:ソニーグループ 2位:NEC
●配当利回り4%以上がズラリ!高配当株
1位:伊藤ハム米久HD 2位:INPEX
●優待+αが狙える!株主優待株
1位:サイバーエージェント 2位:ラウンドワン
●お手ごろ価格で買え分散も!10万円未満株
1位:ソフトバンク 2位:野村不動産HD
●まだ上がっていない割安株!出遅れ株
1位:SRE HD 2位:ウエストHD
●大化け期待の中小型株!新興市場株
1位:Aiロボティクス 2位:タイミー
●リスクをとって資産増を狙え!1年で2倍株
1位:インティメート・マージャー

◎第2特集
サボったら家族がこんなに困る!
投資家のための終活大全

●「口座情報の共有」が第一歩!財産の一覧表を作ろう
●信用取引やFXは特に注意!株の相続の基本を知ろう

●子どものいない夫婦は要注意!30代でも遺言書は必要!?

◎第3特集
☆☆☆の数を見るだけでOK!
NISAで売れてる投資信託をズバ斬り!
投信格付240

●見直し!NISAで買う投資信託の選び方
●NISAで最安投信!インデックス型
●大きな利益を狙う!アクティブ型
●リスクを抑えられる!バランス型

【別冊付録】
ポイント還元終了の駆け込み直前!
ふるさと納税45品

●ポイント還元が終わる前におトクなサイトで寄附を!
●10月以降はどのサイトで寄附する?
●肉/魚介類/果物野菜/お菓子/日用品

◎連載も充実
​●NEWS:「ホームラン級の爆騰も⁉ 大谷翔平スポンサー株本命3選」 
●次の1カ月何が起きる?プロが今の株式相場のポイントを解説!
「米国の値下げ狙いで再び4万円台が定着か」
●ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「車は買う? 借りる?」
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年7月編
「初値4倍超の銘柄も! ただし過熱感に注意」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略
「セル・ザ・ファクトには要注意!」
●連載・おカネの本音 レンタルなんもしない人さん
「令和の新しい生存戦略。“なんもしない”で家族と生活していく!」
●マンガ恋する株式相場「100g175万円! 恋のゴールドラッシュ」
●マンガ「デメリットの回避策も! 事実婚のお金事情」


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報