東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。646円安の38,039円で寄り付いた日経平均は直後に606円安の38,080円を付けた後下げ幅を大きく広げると9時40分過ぎに1,563円安の37,122円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋るとやや戻し1,280円安の37,405円で前場を終えました。
1,353円安の37,332円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると14時10分過ぎに1,806円安の36,879円まで下落しました。その後下げ渋ると節目の37,000円を回復しましたが、引き続き安値圏で推移すると結局1,638円安の37,047円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で米エヌビディア[NVDA]が9%を超える下落となるなど、半導体株が大幅安となったことで半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)とSCREENホールディングス(7735)が一時9.5%安、アドバンテスト(6857)が一時10.1%安、レーザーテック(6920)が一時8.2%安、ディスコ(6146)が一時10.0%安、ソシオネクスト(6526)も一時9.9%安となりました。
ソフトバンクグループ(9984)も傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が昨日の米国市場で7%近く下げたことから一時8.6%安となっています。
原油先物価格の下落を受けて石油関連株も売られました。INPEX(1605)が一時7.0%安、石油資源開発(1662)が一時5.2%安、出光興産(5019)が一時6.2%安、ENEOSホールディングス(5020)が一時5.5%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時6.8%安となりました。
円高を受けて自動車株も売られました。トヨタ(7203)が一時3.6%安、日産(7201)が一時4.3%安、ホンダ(7267)が一時4.9%安、マツダ(7261)が一時5.6%安、SUBARU(7270)も5.3%安となりました。
一方でニトリホールディングス(9843)が一時4.1%高となりました。円高による採算改善を期待した買いや、8月の既存店売上高が前年同月比7.8%増となったことを好感した買いで上げ幅を広げる場面がありました。
富士ソフト(9749)も一時9.3%高となり上場来高値を更新しました。米投資ファンドのベインキャピタルが富士ソフトに対して非公開化の提案をしていると発表し、10月にも法的拘束力のある正式なTOB(株式公開買い付け)を提案する方針と伝わったことで買いを集めました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1,638円安となりました。米製造業の景況感が市場予想を下回るなか、半導体株を中心にハイテク株に利益確定売りが出て昨日の米国市場が大幅反落となったことや、一時144円台まで進んだ円高の影響もあり大きく下げ幅を広げました。一時は1,800円以上下げ、節目の37,000円を下回る場面もありましたが、37,000円を下回ったところで下げ渋ると37,000円を小幅に上回って取引を終えました。
しかし、下げ幅が今年3番目の大きさとなり、200日移動平均線(37,444円)や25日移動平均線(37,115円)を割り込んだことから警戒ムードが強まりそうで、ここからさらに値を下げ二番底を探るような展開を警戒する見方も出てきそうです。
なお、日本時間の23時に7月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表されるほか、5日午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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