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日経平均株価は、歴史的な暴落を見せた8月5日に底入れを果たし、
足元で75日移動平均線の「レジサポ転換」が期待できる展開に!
記憶にも記録にも残る2024年8月の相場が終わりました。8月の日経平均株価を振り返ると、終値ベースの下落幅は月間で454.07円(1.16%)にとどまりましたが、取引時間中の安値と高値の値幅は7513.67円と非常に大きなものでした。8月の日経平均株価の値動きをザックリ言えば、「5日がセリングクライマックスとなって底打ちし、その後、月末にかけて大規模なリバウンドが発生した」となります。
時間軸を「7月~8月」に広げて見ると、日経平均株価は7月11日の史上最高値の4万2426.77円から8月5日の年初来安値の3万1156.12円まで、1カ月弱で1万1270.65円(26.56%)も暴落しました。また、8月1~5日の3営業日に限って見れば、終値ベースで7643.40円(19.55%)の下落となります。
ちなみに、8月5日の前日比の下落幅は4451.28円で歴代1位、下落率は12.40%で歴代2位でした。そして翌6日は一転して上昇し、上昇幅は3217.04円で歴代1位、上昇率は10.23%で歴代4位を記録しました。
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この一連の値動きをもって「8月5日がセリングクライマックスであり、7月11日の4万2426.77円からの値幅調整は8月5日の3万1156.12円で底入れした」と考える投資家が増え始めました。その結果、その後の日経平均株価は本格的に戻り相場を演じました。
テクニカル的には、8月16日に終値で3万8062.67円と200日移動平均線(16日時点で3万7020.27円)を上抜き、「レジサポ転換(レジスタンスラインをブレイクすることで、そこがサポートラインの役目に切り替わること)」を実現しました。
そして、9月3日の終値は3万8686.31円と、75日移動平均線(3日時点で3万8645.41円)を上回っており、75日移動平均線に関しても「レジサポ転換」が期待できる状況となっています。
米国のPCEの結果によってNYダウが史上最高値を更新し、
一時1ドル=147円20銭まで円安・ドル高が進行!
一方、米国市場に目を移すと、8月30日のNYダウは続伸し、前日比228.03ドル(0.55%)高の4万1563.08ドルと連日で過去最高値を更新。ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、同197.19ポイント(1.13%)高の1万7713.62ポイントでした。
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8月30日に発表された7月の米・個人消費支出物価指数で、名目個人消費支出(PCE)が前月比0.5%増と6月の0.3%増から加速し、消費の堅調さを示したと受け止められたことが株式の買い材料になりました。
しかし、この米・個人消費支出物価指数を受け、「FRBが通常よりも速いペースで金融緩和に動いて大幅な利下げに踏み切る」との観測が後退。NY債券市場では長期債相場が5日続落し、米国10年債利回りは前日比で0.04%高い3.90%に上昇しました。
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この米国の長期金利の上昇を受け、外国為替市場では日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢になり、9月3日9時56分には、東京外国為替市場で1ドル=147円20銭まで一段と円安・ドル高が進む場面もありました。
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日経平均株価の上値が重い要因は「一方的な円安が見込めない」
「日中間の経済摩擦の発生懸念」「高水準の信用買い残」の3つ
ちなみに、米国の商品先物取引委員会(CFTC)が8月30日に発表した投機筋(非商業部門)の持ち高動向によると、投機筋は27日時点で円を2万5868枚買い越しており、買い越しは3週連続となりました。この投機筋のポジションを考えると、突発的な円売り材料が飛び出さない限り、円安が加速する状況ではないと見ています。そして継続的な円安が見込めないのなら、わが国の輸出関連企業の収益改善期待が盛り上がることはなく、それは日経平均株価の上値圧迫要因になると考えています。
また、9月2日にブルームバーグが「中国、新たな半導体規制巡り日本に報復を警告-関係者」と題した記事を配信しました。この記事によれば「中国は日本政府に対し、中国企業への半導体製造装置の販売および関連サービスの提供をさらに制限すれば、厳しい経済的報復措置を講じると示唆している」とのことです。このため、わが国の半導体関連株は、上値を追うことが難しい状況になっていると見ています。当然、これも日経平均株価の上値圧迫材料と認識しています。
そして、8月23日時点の信用買い残は4週ぶりに増加(939億円の増加)し、3兆9475億円でした。これは、直近のピークであった7月26日の4兆9808億円から1兆333億円も低い水準ですが、依然として高水準と言えるでしょう。
現在の信用買い残は、相場を急落させるエネルギーとしてはピークから大幅に低下したとは言え、上値を圧迫するには十分な“売り需要”です。とりわけ、信用買い残が積み上がり、信用倍率が高くなった銘柄を中心に、戻り売り圧力が強い状況が続く可能性が高いと見ています。
結論として、日経平均株価の急落リスクは著しく低下したものの、現在の相場水準から急騰する可能性も低いと考えています。前回の当コラムでは、75日移動平均線(9月3日時点で3万8645.41円)を上抜ければ上昇トレンドが発生することを期待していました。しかしながら、現時点では、前述した「一方的な円安が見込めないこと」「半導体絡みの日中間の経済摩擦の発生懸念」「高水準の信用買い残」という3つの上値圧迫要因を鑑みて、75日移動平均線を中心に±1000円程度の「ボックス相場」を想定しています。
ただし、弱気に転じるのは日経平均株価が200日移動平均線を終値で割り込んでからです。それまでは強気を維持して、信用取引の取り組み状況とチャートが良好(株価が25日移動平均線を上回っているなど)な好業績銘柄や、バリュー系高配当銘柄の押し目を積極的に狙うことをおすすめします。
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