・欧米株の最高値や自民党総裁選の高市氏勝利を見越した買いで日経平均は900円高!
・ただ新総裁は石破氏に決定、週明けは反動に注意?
・景気刺激策で注目高まる中国関連株を点検
・9月IPO結果もチェック! 10月は東京メトロが上場
【1】今日の株式相場早わかり!
欧米株の最高値などで900円高、自民党新総裁は石破氏
日経平均株価は大幅続伸! 26日の米国市場で主要株価指数はそろって上昇し、S&P500指数は最高値を更新した。雇用関連の指標が堅調だったことに加え、中国当局による景気刺激策を好感し、経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まった。また、欧州市場ではドイツDAX指数も最高値を更新した。欧米株高を受け、今日の日経平均株価は3万9000円を回復してスタート。円安・ドル高が進むなか、株価は強含みで推移した。午後に入り、自民党総裁選で高市早苗氏と石破茂氏の決戦投票が決まってからは高市氏の勝利を見込んだ動きが強まり、円相場は一時1ドル=146円台まで円安が進んだ一方、日経平均株価は上げ幅を900円超にまで広げ、この日の高値で取引を終えた。
東京エレクトロンなどの半導体株やダイキン工業などの中国関連株が連日で大きく上昇した一方、日銀の追加利上げ観測が後退したことで、三井住友フィナンシャルグループなどの銀行株が下落した。自民党新総裁は石破氏に決定した。今晩は8月米個人消費支出(PCE)が発表予定。
【日経平均】39829.56円↑↑(+903.93円)
【グロース250】675.75↑↑(+14.10)
【NYダウ】42175.11ドル↑(+260.36ドル、26日)
【ナスダック】18190.291↑(+108.086、26日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
出遅れ解消に期待の中国関連株
今週は中国関連株が強い動きをみせている。24日、中国当局が相次いで景気刺激策を打ったことが背景にある。具体的には(1)金融緩和(預金準備率の引き下げなど)、(2)不動産対策(住宅ローンの金利や頭金比率の引き下げ)、(3)株価対策(政府系ファンドの投資拡大など)である。日本株は”世界の景気敏感株”と呼ばれており、米国での予防的な大幅利下げに加えて、中国での景気刺激策は、米中2大国の経済のソフトランディング(軟着陸)期待を高める形で日本株の追い風になる。中国本土株の上昇は空売りの買い戻しに過ぎないとの声もあるが、年末にかけての上昇継続を見込んですでに買っている著名投資家もいるようだ。東京市場でも出遅れ感の残る中国関連株に注目したい。
特に注目したいのは日本ペイントホールディングスとピジョン。日本ペイントHDは中国の建築用塗料市場でシェアトップ級を誇る。不動産市況を支える今回の景気刺激策は同社ビジネスに直接的にプラスに働くことが見込まれる。育児用品のピジョンは直近の決算で中国市場でのシェア回復が確認されたばかり。出産や育児といったライフイベントと重なる住宅購入を支援する今回の政策は同社にとっても追い風となりそうだ。配当利回りが4%台半ばと高いことも魅力だ。
一方、FA(ファクトリーオートメーション)関連や消費関連については、政策内容と事業内容の直接的な関係性が薄いため、やや慎重にみておきたい。特に化粧品市場は現地ブランドとの競争が激しくなっており、資生堂やコーセーは業績動向を注視していく必要があるだろう。FA関連は、来週末の10月4日(金)に安川電機が決算を発表するため、内容を見極めてからでも遅くないだろう。
■ピジョン株価チャート/日足・6カ月
【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
初値は需給で明暗、10月は東京メトロなど11社
今日はAiロボティクスが東証グロースへ新規上場し、9月のIPO(新規株式公開)結果が出そろった。
9月は7社が新規上場し、公開価格に対する初値の騰落率は平均で+17.2%となった。6月(11社で+21.9%)や7月(7社で+24.1%)よりも伸び悩んだ印象だが、上場日が集中した影響もありそうだ。複数の企業が同時に上場すると買い注文が分散し、初値が伸び悩む傾向にある。今回は25日に同時上昇したROXXとリプライオリティの2社、また26日に同時上場した4社のうちキッズスターが公開価格割れスタートとなった。ROXXとキッズスターは公募・売出規模が相対的にやや大きく(=換金売りが出やすい。ROXX70.9億円、キッズスター20.5億円)、株式需給(売りと買いのバランス)への懸念から買いが向きにくかったのだろう。
一方、26日の集中日でもグロースエクスパートナーズ、INGS、アスアの3社は公開価格を2~4割強上回る初値を付けた。公募・売出規模10億円あまりまでの小型IPOで、需給懸念が少なかったためだろう。また、27日のAiロボティクスは公募・売出規模が26.7億円あったが、1社のみの上場だったため順調な出足だった。今月は株式需給の影響が初値に色濃く出た印象だ。初値後の株価を見ると、INGSが堅調。同社は「らぁ麺 はやし田」などの飲食店を運営している。
10月は11社のIPOが予定されている(26日時点)。来週、10月1日のシマダヤはメルコホールディングスからのスピンオフ(分離・独立)上場となり、「流水麺」で知られる。また、東京地下鉄(東京メトロ)が10月23日に上場することも発表されたが、これらは来週の当コーナーで確認しよう。なお、半導体のキオクシアホールディングスは11月以降に上場を延期すると報じられた。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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