東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反落となりました。711円安の39,117円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を広げると、前引け間際に1,900円安の37,928円まで下落し1,849円安の37,980円で前場を終えました。
1,909円安の37,919円でスタートした後場の日経平均は14時20分過ぎに2,031円安の37,797円まで下落すると結局1,910円安の37,919円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
大幅な円高を受けて自動車株が売られました。トヨタ(7203)が一時8.2%安、日産(7201)が一時6.1%安、ホンダ(7267)が一時7.3%安、マツダ(7261)が一時8.8%安、SUBARU(7270)も一時8.6%安となりました。
日経平均が大きく下落するなか先週末に大きく上昇していた反動が出て半導体関連株も売られました。東京エレクトロン(8035)が一時8.1%安、レーザーテック(6920)が一時10.4%安、SCREENホールディングス(7735)が一時7.3%安、アドバンテスト(6857)が一時6.8%安、ディスコ(6146)も一時8.0%安となりました。
一方で金融政策運営に関して日銀の独立性を尊重するとの姿勢を取る石破茂氏が自民党の新総裁に選ばれたことで、日銀の利上げが想定通りに進むとの見方から銀行株が買われました。メガバンクでは三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.2%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時4.3%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時5.5%安となりました。
地銀株も高くコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が一時4.9%高、千葉銀行(8331)も一時4.8%高となりました。
円高メリットでニトリホールディングス(9843)や「業務スーパー」を展開する神戸物産(3038)も買われました。ニトリホールディングスが一時4.5%高、神戸物産も一時4.2%高となりました。
ホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)も一時6.4%高となり上場来高値を更新しました。同業のケーヨーを完全子会社にしたことにより収益が拡大し、上期の営業利益が前年同期比で18.3%増となったことで大幅高となりました。
ステンレス鋼線最大手の日本製線(5659)も一時13.6%高となりました。太陽光発電パネルなどの製造プロセスで使用される極細線に対する需要の強さが継続していることなどにより、通期の営業利益の見通しを40億円から49億円に上方修正したことで上げ幅を広げました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1,910円安となりました。大幅な円高に加え、金融所得課税や法人税引き上げに前向きな姿勢を示していた石破茂氏が自民党の新総裁に選ばれたことを懸念した売りが出て大幅安となりました。下げ幅は今年3番目の大きさとなり、75日移動平均線(38,277円)や節目の38,000円を割り込みました。
そのため下値への警戒感が意識されそうで、明日以降も売りが優勢となった場合には本日サポートとなった200日移動平均線(37,752円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算発表が先週からスタートしています。本日も引け後にはアダストリア(2685)やしまむら(8227)などが決算を発表する予定です。
また、日本時間の22時45分に9月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されるほか、10月1日の午前2時55分にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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