『サステナビリティ(持続可能性)』は投資のスタンダードに! ただし運用の中身で成績に差があるため、投資信託選びには注意【投資信託の最前線】
「ESG」→「サステナビリティ」へ用語の変化も
長期で好成績が期待できる商品として注目が集まる
2024年7月、金融庁が『「サステナビリティ投資商品の充実に向けたダイアログ」対話から得られた示唆』という報告書を発表しました。報告書は、2023年12月から2024年6月までに開催された、計4回の会合での対話から得られた示唆をまとめたもの。このダイアログ(対話)は、経済・社会の成長・持続可能性(サステナビリティ)の確保につながる投資を推進していくため、より魅力的なサステナビリティに関する投資商品を開発し、多くの投資家を呼び込むことを目的としています。
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これまで、「サステナビリティ投資」は、「ESG(環境・社会・ガバナンス)投資」と呼ばれることも多かったと思います。改めて推進していくべきものとして、この報告書では「サステナビリティ」という言葉に統一しています。
また、「サステナビリティ投資」と「テーマ型投資」との違いについても指摘されています。「テーマ型投資」は、特定の分野に着目する投資のこと。これに対して、「サステナビリティ投資」は、事業の長期的な潜在性に着目する投資です。この報告書では、両者は概念的には異なる、との見解が示されました。
さらに、サステナビリティ投資商品は、経済社会のサステナビリティ向上の観点から重要性が高く、私たち投資家にとっても長期的な投資収益を実現できる可能性があるとの前向きな見方が示されました。したがって、今後も注目が集まることが期待さ
「サステナビリティ」投資における主要な3つのアプ ローチ
どの基準を使うかで組入れる企業も違う
一方で、「サステナビリティ投資」は、分析する期間や用いる基準の違いによって、成績が異なるので注意が必要です。今回は、BNPパリバ・アセットマネジメントが公表したリサーチ「サステナビリティの基準が投資パフォーマンスに与える影響」から、2020年から2023年の成績に関する調査結果を見ていきたいと思います。
その前に、認識しておきたいのが、「サステナビリティ」を組み入れた投資のすべてのアプローチが同じ目標を持っているわけではないという点です。
ここでは「サステナビリティ」投資における主
「サステナブル投資(SI)」に該当する企業のみを
組入れる手法の成績は各地域でプラスで好調
気になる成績の結果は下の表の通り(各カテゴリーの3つの投資アプローチ別の2020年から2023年の成績を、そのカテゴリーのインデックスと比較)。
(1)のRBC(責任ある企業行動指針)
(1)は、リスクを軽減することが主な目的となっている投資アプローチと言えるでしょう。逆に、(3)の「サステナブル投資(SI)」はよりリ
こうした違いを明確にすることで、サステナビリティ関連の投資への理解がより深まります。投資信託を選ぶ際は、どの投資アプローチを組み入れているか確認して選ぶようにしましょう。
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1998年三菱信託銀⾏(現三菱UFJ信託銀行)⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。投信営業本部マーケティンググループ 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
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