【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,330.15 △17.15 (9/30)
NASDAQ: 18,189.17 △69.58 (9/30)
1.概況
米国株式市場は、米経済のソフトランディング期待からダウ平均は続伸で連日最高値を更新、S&P500は反発で最高値を更新しました。23ドル安でスタートしたダウ平均は、9月のシカゴ購買部協会景気指数が予想外に改善したため先週末の終値近辺まで戻す場面もありましたが、上値は重く戻しきれないと、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が講演で小幅な利下げペースを示唆しこともあり大きく下げ幅を広げ一時は380ドル超下落しました。ただし、FRBはすでに利下げに転じており、景気を支える姿勢を鮮明に打ち出していることから、米景気の大幅な悪化を回避できそうだとの見方が投資家心理の支えとなり、大引けにかけては上昇に転じ、結局17ドル高の42,330ドルで取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、69ポイント高の18,189で取引を終えました。
2.経済指標等
9月の米シカゴ購買部協会景気指数は、46.6となり、市場予想の46.0を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやコミュニケーションサービス、不動産などの9業種が上昇しました。一方で、一般消費財・サービス、素材の2業種は下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では16銘柄が上げ、なかでもアップル[AAPL]が2%を超える上昇となったほか、ホームデポ[HD]やシェブロン[CVX]、ウォルマート[WMT]も1%以上上げました。一方で、14銘柄が下げホーイング[BA]が2%を超える下げとなったほか、インテル[INTC]やナイキ[NIKE]、セールスフォース[CRM]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、ドラッグストア運営のCVSヘルス[CVS]が、物言う投資家のグレンビュー・キャピタル・マネジメントと業務改善策を巡り会合を開催したとの報道が好感され、2.4%の上昇となりました。また、クルーズ船を運営するカーニバル[CCL]が第4四半期の見通しが予想を下回り下落したほか、衛星通信インフラのエコスター[SATS]が傘下のディッシュネットワークをディレクTVに売却することで合意し、11.5%下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い3.78%となりました。ドル円は143円台後半で推移しています。FRBのパウエル議長の発言を受け、FRBは利下げを急いでいないとの見方から米長期金利が上昇し、円安方向に進む展開となりました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。寄付前には日銀の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)が公表されるため、結果に注目が集まります。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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