・パウエル議長発言を受けた円安やバフェット氏の日本株買い観測から日経平均は大幅反発!
・石破関連株で話題の「防災」「防衛」関連株を点検
・ESGに代わる「サステナビリティ投資」も解説!
【1】今日の株式相場早わかり!
円安やバフェット氏の日本株買い観測で大幅反発
日経平均株価は大幅反発! 前日の米国市場で主要株価指数はそろって上昇し、NYダウとS&P500指数は最高値を更新。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて大幅利下げ観測が後退したが、経済は底堅いとの認識を示したことが投資家に安心感を与えた。今日の日経平均株価は3万8000円を回復してスタート。前日の急落直後とあって自律反発狙いの買いが先行した上、米国での大幅利下げ観測後退に伴い円安・ドル高に転じていたことも追い風になった。さらに、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイによる円建て社債の発行計画が伝わったこともあり、日経平均株価の上げ幅は一時800円に迫った。
石破茂新総裁の関連銘柄として東京計器などの防衛関連株が急伸したほか、バフェット氏に関連する報道を受けて三井物産などの商社株も大きく上昇した。今晩は8月の米雇用動態調査(JOLTS)や9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が発表される。
【日経平均】38651.97円↑↑(+732.42円)
【グロース250】665.79↑↑(+13.16)
【NYダウ】42330.15ドル→(+17.15ドル、9月30日)
【ナスダック】18189.170↑(+69.580、9月30日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
「国策に売りなし」か? 石破関連株
自民党の石破茂新総裁による新内閣が今日発足。株式市場では早くも昨日から石破関連株に買いが向かっている。「国策に売りなし」という格言があるように、相場の先行き不透明感が強い中でも、関連銘柄については今後も相対的に底堅いパフォーマンスが期待できそうだ。
石破総裁は「防災省」の創設を唱えている。もともと、日本では高度成長期に整備されたインフラの老朽化問題に加え、地震や台風などの自然災害が多いことから、国土強靭化計画による防災・減災の需要が高まっていた。こうした構造的な背景に加えて今回の石破内閣誕生により、防災・減災は国策テーマとしての性格が一段と強まった。火災報知設備などを手掛ける能美防災などが昨日は人気化したが、地盤改良工事などを行うライト工業や盛土補強材などを手掛ける前田工繊なども、以前からの国土強靭化による追い風を考えれば、期待できるだろう。
元防衛大臣の石破総裁は外交・安保に強いイメージがあり、防衛関連も外せない。筆頭格としては三大重工の一つである三菱重工業が挙げられるが、日本製鋼所も火砲システムで実績が豊富で、最近ではレールガン開発案件で防衛省からの受注が好調。NECは防衛省向けに人工衛星をつなぐ地上管制システムやレーダー装置を提供。災害監視システムやBCP(事業継続計画)ソリューションなども手掛け、防災関連としてのテーマ性もある。
賃上げの継続による内需主導型経済を唱えていることもあり、ニトリホールディングスなどの小売りのほか、食品やサービスなど広く内需関連株も注目できそうだ。昨日は地方創生関連株が賑わっていたが、地方創生の具体的な政策内容が分からないことや関連株の業績との関係性が見通しづらいことから、「防災・減災」「防衛」などの方が息の長いテーマになりそうだ。
■ライト工業株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
ESGはもう古い!? 「サステナビリティ投資」の時代へ!
BNPパリバ・アセットマネジメント藤原延介さんの連載をダイジェストでお届け! 最近のトレンドは「サステナビリティ(持続可能性)投資」。単にESG(環境・社会・ガバナンス)企業に投資すればいい、という考え方とは異なるようで……。
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2024年7月、金融庁が『「サステナビリティ投資商品の充実に向けたダイアログ」対話から得られた示唆』という報告書を発表しました。
これまで、「サステナビリティ投資」は、「ESG投資」と呼ばれることも多かったのですが、この報告書では「サステナビリティ」という言葉に統一されています。これは、“特定の分野”に着目する投資ではなく、事業の“長期的な潜在性”に着目する投資と整理されています。
ただ、ひと口に「サステナビリティ投資」と言っても、用いる基準や分析期間の違いで、成績が異なります。そこで「サステナビリティの基準が投資パフォーマンスに与える影響」を見てみましょう。今回は3つの基準で比較します。期間は2020年~2023年で、全世界、米国株、欧州株、新興国株の4地域で、インデックスとの成績の差を調べました。
基準は次の3つです。(1)「責任ある企業行動指針(RBC)」に基づき、基準に満たない企業を除外、(2)「ESGランキング」の上位を組み入れ、下位30%を除外(ESG指標を使用)、(3)「サステナブル投資(SI)」に該当する企業のみを組み入れ。
結果は下の表の通り。
(1)は、リスクを軽減することが主な目的となっている投資アプローチと言えるでしょう。逆に(3)の「サステナブル投資(SI)」はよりリターンの向上を目指した投資アプローチと考えられます。
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3つの基準別の成績の詳しい分析や、その結果をどう投資に活かすかなどはコラム本編へ。
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