東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、反発となりました。前日比650円高の38,459円で始まった日経平均は、朝方に1ドル146円台半ばまで進んだ円安ドル高の進行を背景に、寄り付き早々、1,047円高の38,856円をつけました。前日の石破新首相の利上げに対する慎重姿勢が材料となり、輸出関連株などが買われています。また、2日の米国株式市場では、市場予想を上回る雇用者数を確認したことから、半導体関連が上昇、東京市場でも半導体関連株が上昇しました。朝方の高値以降は、一進一退で推移し、前場は前日比846円高の38,655円で引けました。
後場に入ると上値の重い展開となりました。今週末4日に控える米国雇用統計を前に、ポジションを取りづらいといった声もあり、後場は38,600円を挟んで、一進一退の展開が続き、最終的には743円高の38,552円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース市場250指数が反発、前日比0.9%上昇しました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)は引け間際に前日比309円(4.7%)高の6,866円を付けました。前日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことに加え、外資証券による目標株価の引き上げが発表されたこともあり大幅高となりました。台湾積体電路製造(TSMC)の設備投資増額や中国を含む半導体メモリーのDRAM投資が活況である点などが指摘され、そのうえで「アドテストは先端半導体におけるテスト時間の拡大の恩恵を大きく受ける」などといったコメントから買いが集まっています。
西武ホールディングス(9024)は一時、前日比460円(14.5%)高の3,566円と急騰しました。2025年3月期の連結純利益が前期の3.1倍となる840億円になる見通しだと発表し、4%減の260億円とする従来予想を引き上げ、2016年3月期以来9期ぶりに過去最高益予想となったことが材料視されました。持ち分法適用会社NWコーポレーションの子会社化に伴う負ののれん発生益や、ホテル・レジャー事業などの業績が利益を押し上げました。
前日の決算銘柄では、霞が関キャピタル(3498)が、2025年8月期(今期)の連結純利益が前期比99%増の100億円になる見通しだと発表、それを受けて、一時、前日比3,980円(25.7%)高の19,490円まで上昇しました。同時に2029年8月期を最終年度とする中期経営計画も発表し、同年度の純利益を今期見通しの5倍となる500億円を目指すとし、今期の大幅増益と今後の成長に期待した買いが流入、東証プライム市場で値上がり率トップとなりました。
西松屋チェーン(7545)も前日比51円(2.1%)高の2,493円まで上昇しました。2024年2~8月期の単独決算にて、中間純利益が前年比0.3%の減益を示したことなどから、寄り付き後は弱含むも、自社株買いと増配を好感した買いが入り上昇に転じました。発行済み株式総数(自己株式を除く)の0.4%にあたる24万3000株、金額で5億円を上限に自社株買いの実施、また中間配当を従来予想から1円積み増し1株当たり15円にすることを発表し、積極的な株主還元姿勢を好感し反転して取引を終えました。
その他、消費財関連銘柄も堅調に推移しました。ファーストリテイリング(9983)は、夏物商品が好調で9月の既存店売上高が前年比22.1%増となったことで、一時、前年比1,890円高(4.0%)の48,670円まで上昇しました。同様に9月既存店売上高が13.4%増であった良品計画(7453)も一時、前年比113.5円高(4.4%)の2,713.5円をつけました。百貨店などの一部に減速懸念のあった小売関連銘柄ですが、好調な販売状況を発表したことで買いが集まりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、首相の発言による早期の利上げの可能性が減退したことが主な買い材料となりました。
中東情勢は引き続き緊張感がうかがえ、新しく入るニュース次第でリスクオフの展開が予想されます。経済では、本日21時30分ごろに発表予定である、米新規失業保険申請件数と、同23時頃のISM非製造業景況感指数の2指標が注目されます。ISM非製造業景況感指数は、2ヶ月連続で拡大圏にあるなかで、市場予想ではほぼ横ばいとされています。今週末の雇用統計を控え、米国の景気動向をうかがいながらの展開となるでしょう。
明日は引け後に注目度の高い安川電機(6506)の決算に加え、ウェザーニューズ(4825)やハイデイ日高の(7611)決算が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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