・今晩の米雇用統計を前にもみ合いも円安基調を支えに日経平均は続伸!
・10月高配当株を確認、業績・株価堅調な銘柄も!
・10月IPOをチェック、東京メトロのポイントは?
【1】今日の株式相場早わかり!
中東情勢の不透明感が重石、今晩は米雇用統計
日経平均株価は続伸! 3日の米国市場で主要株価指数はそろって下落。9月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が予想を大きく上回り、景気への楽観的な見方が広がった。ただ、中東情勢の不透明感が重石となり、ナスダック総合指数などは上昇する場面もあったが、終日上値の重い展開となった。今日の日経平均株価は小幅高でスタート。円安基調が引き続き相場を支えた一方、今晩の9月米雇用統計の発表を前に様子見ムードが強く、前日終値を挟んだ一進一退が続いた。
中東情勢を受けた原油市況の上昇を背景に前日に続きINPEXなどの資源関連株が大きく上昇したほか、セブン銀行の売却報道が伝わったセブン&アイ・ホールディングスが大幅高。一方、米東海岸港湾でのストライキが終結した報道を受け、海運株が急落した。今晩の9月米雇用統計は8月と比較して雇用者数の伸びが小幅に増加、失業率は横ばいが予想されている。予想通りとなれば、景気への楽観論が強まりそうだ。
【日経平均】38635.62円↑(+83.56円)
【グロース250】647.20↓(-3.13)
【NYダウ】42011.59ドル↓(-184.93ドル、3日)
【ナスダック】17918.476→(-6.647、3日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
10月高配当株、ナレルグループやグッドコムアセット
今日は10月末に権利確定日を迎える高配当株を確認しよう。数こそ多くはないが、高利回りに加えて業績・株価好調な銘柄も散見され、一見に値する。高配当株は一般に、相場下落時には株価下落による利回り妙味の増大が投資家を惹きつけ、相対的に下値が固い特徴などを有す。米大統領選や中東情勢など先行き不透明感が強い中、改めて高配当株に注目したい。なお、権利付き最終売買日は29日である。配当が欲しい投資家はこの日までに購入しておこう。
ナレルグループは技術者派遣などを展開。建設業界では熟練労働者の高齢化や時間外労働の上限規制という「2024年問題」により人手不足が深刻化している。こうした構造的な背景を追い風に、同社は連続最高益記録を更新中だ。ROEも15%前後と高い一方、PERは11倍台と割安感が強い。株価は2月高値をピークにその後下落したが、5月以降は概ね横ばいで推移しており、値固めは済んでいそうだ。
投資用マンション販売などを行うグッドコムアセットは俳優・タレントの山下智久さんのテレビCMなどでお馴染み。今期は2期ぶりに大きく最高益を更新する見込みで株価も堅調だ。配当は今期計画を含めて7期連続増配と株主還元への積極的な姿勢も好印象。物件は需要が旺盛な東京23区最寄駅徒歩10分圏内を中心としており、業績に対する懸念も小さいだろう。期末一括配当のため、月末にかけては権利取りの動きが強まる展開が期待できそうだ。
ヤガミは名証メインの上場銘柄ではあるが、「前期まで5期連続増配」「今期減配も利回り5%超」「キャッシュ潤沢」と配当を狙う投資家にとって注目できる要素が多い。足元の利回りは過去5年平均利回りを大きく上回っているため、利回りの平均回帰の傾向を踏まえると、株価の上昇も期待できそうだ。
(ザイ配当アナリスト 仲村幸浩)
■グッドコムアセット株価チャート/日足・6カ月
【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
10月は11社予定、注目の東京メトロのポイント解説
今日は10月のIPO(新規株式公開)予定を確認しよう。
10月は11社のIPOが予定されている(3日時点)。今週1日にはシマダヤが上場。国内では2例目のスピンオフ(分離・独立)上場だったが、1例目のカーブスホールディングス(2020年上場)同様に公開価格を下回る初値となった。来週はジュエリー・時計のケイ・ウノが8日に名証ネクストへ、AI(人工知能)開発のオルツが11日に東証グロースへ上場する。
さて、10月のIPOで最も注目される東京地下鉄(東京メトロ)は、上場時時価総額が当初想定価格(1100円)ベースで6391億円に上る。売出規模も3196億円あり、2018年のソフトバンク(2兆6461億円)以来の大型IPOだ。仮条件決定は7日、ブックビルディング(BB、需要申告)期間は8~11日で、23日上場という日程。営業収益に占める運輸業の割合が91%(2024年3月期)と、事業の多角化を進める他の鉄道各社に比べ非常に高いのが特徴。ただ、当面は沿線人口の安定的な増加が見込め、訪日客(インバウンド)増加や都心再開発による恩恵も期待できそう。
政府保有株の売却収入は東日本大震災の復興財源に充てられるため、市場環境の変化に合わせ、柔軟にIPO条件を変更できるかはやや不透明。ただ、想定価格ベースの株価指標に割高感は感じられず、配当利回りの高さ(2025年3月期配当予想は1株あたり40円、利回り3.6%)や株主優待(優待乗車券や関連施設での優待、200株以上)が話題となっているようだ。個人投資家を中心に多くの需要を集めることが期待される。25日上場のリガク・ホールディングスも売出規模が1000億円を超える見込みで、ここにきて大型のIPOが相次ぎ登場してきた。
なお、東京メトロのIPOの詳細は以下の記事にまとめたので、こちらもご覧頂きたい。
【※続きはコチラから】
⇒「東京地下鉄(東京メトロ)」のIPOは買い!? 専門家による「初値予測」のほか、上場スケジュールや仮条件、公開価格、株主優待など注目の超大型IPOを徹底解説
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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