【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,352.75 △341.16 (10/4)
NASDAQ: 18,137.85 △219.37 (10/4)
1.概況
先週末の米国株式市場は、反発となりました。米東海岸港湾ストライキが終了し、9月の米雇用統計が良好な結果を示したことでダウ平均は236ドル高でスタートしましたが、同時に強い雇用統計の結果を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が速いペースで利下げを進めるとの期待が後退したため、売りに押されて一時小幅安になる場面もありました。午後には、イスラエルがイランのミサイル攻撃に対する報復として石油関連施設を標的にする可能性についてバイデン米大統領が支持しない慎重な姿勢を示したことが投資家心理を支え、再び買いが入りました。終盤にかけて上げ幅を広げ、結局ダウ平均は341ドル高の42,352ドルで取引を終え、史上最高値を更新しました。一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、219ポイント高の18,137ポイントで取引を終えました。
2.経済指標等
9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比25.4万人増となり、市場予想の14.8万人増を大きく上回りました。また、7月の雇用者の伸びは8.9万人から14.4万人に、8月は14.2万人から15.9万人にそれぞれ上方修正されました。失業率は4.1%と前月から0.1ポイント改善しました。さらに、平均時給は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.3%を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、エネルギーなどの9業種が上げました。一方で、公益事業と不動産の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では21銘柄が上げ、なかでもボーイング[BA]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]が3%近く上昇したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、セールスフォース[CRM]が2%を超える上昇となりました。また、ゴールドマン・サックス[GS]やウォルト・ディズニー[DIS]、ダウ[DOW]、キャタピラー[CAT]なども1.5%超の上昇となりました。一方で、9銘柄が下げ、ホームデポ[HD]やベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、コカコーラ[KO]などが下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]が、10月10日に予定されているロボタクシー「サイバーキャブ」の公開イベントを控えた期待感から、前日の下げを取り戻し3.9%上昇しました。また、ティーン向けアパレル小売業者のアバクロンビー&フィッチ[ANF]は、アナリストの投資判断引き上げを受けて9.1%上昇しました。一方、格安航空会社のスピリット航空[SAVE]は、ジェットブルー・エアウェイズ[JBLU]との合併計画が失敗に終わったことを受けて、米連邦破産法第11条の適用を申請する可能性があると報じられ、24.6%の大幅下落となりました。なお、これを受けて、ジェットブルー・エアウェイズは14.2%の大幅上昇となっています。その他、電気自動車メーカーのリビアン・オートモーティブ[RIVN]は、部品不足を理由に年間の生産計画を下方修正したことを受けて、3.2%下落となりました。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.13%高い3.97%となりました。ドル円は、148円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国株高と円安を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、節目の39,500円を上回ることが出来るかどうかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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