・米雇用統計が堅調な内容で、円安とともに日経平均は大幅続伸!
・今日は先週末に発表された安川電機の決算やディスコの業績速報を点検
・米CPIや国内外の決算など今週の予定も
【1】今日の株式相場早わかり!
円安とともに大幅に3日続伸! 米雇用統計が堅調
日経平均株価は大幅に3日続伸! 4日の米国市場では主要株価指数がそろって上昇し、NYダウは最高値を更新した。注目された9月の雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びが前月比+25万4000人と市場予想を大幅に上回った。失業率も4.1%に低下し、経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が強まった。また、米金利が大きく上昇したことで、円相場は一時1ドル=149円台まで下落。米株高や円安が好感され、週明けの日経平均株価は大幅続伸してスタートすると、後場には3万9560.78円(+925.16円)まで上昇する場面があった。三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株やアドバンテストの上昇が目立った。安川電機などの先週末に決算発表した銘柄は、この後の注目株コーナーで解説する。
今週も国内で小売大手の決算発表が相次ぐ。また、米国では9月の消費者物価指数(CPI)が発表される上、金融大手を皮切りに決算発表が本格的にスタートする。コラムコーナーで予定をしっかり確認しておこう。
【日経平均】39332.74円↑↑(+697.12円)
【グロース250】650.01↑(+2.81)
【NYダウ】42352.75ドル↑(+341.16ドル、4日)
【ナスダック】18137.849↑↑(+219.373、4日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
注目の安川電機決算やディスコ速報、上がった株は?
先週末4日は、産業用機械の安川電機が2025年2月期の上期(3~8月)決算を発表。また、半導体製造装置のディスコは2025年3月期第2四半期(7~9月)の個別売上高・受注高の速報を発表した。今月下旬から決算発表が本格化するが、その前哨戦との位置付けから注目度の高い発表だ。その他4日に発表された主な決算とともに、内容や株価動向を確認しておこう。
安川電機の上期営業利益は前年同期比30.7%減の229億円。また、通期の営業利益予想を従来の700億円から640億円(前期比3.4%減)に下方修正した。半導体・電子部品市場の立ち上がりが緩やかな上、中国市場の回復が想定より弱いという。業績の先行指標である第2四半期(6~8月)の受注高は前年同期比で1%増えたが、利益率の低迷が続く点をネガティブ視する声が聞かれた。今日の株価動向を見ると方向感に乏しく、中国で相次ぎ発表された景気刺激策の効果を見極めたいといった思惑もありそうだ。
ディスコの第2四半期の個別売上高は前年同期比38.3%増の833億円となり、会社計画を上回った。一方、受注高は846億円と同27.5%増えたものの、前四半期比では1.2%減少。電力制御に用いられるパワー半導体向けの鈍化が意識されたか、今日の同社株は売買代金トップで-6.27%となった。
その他の決算発表銘柄では、沖縄の小売大手であるサンエーや気象情報のウェザーニューズが大幅高。ともに業績堅調な上、サンエーはROE(自己資本利益率)やPBR(株価純資産倍率)向上への取り組みが期待される。ウェザーニューズは株式分割で最低投資額が引き下がり、株主優待も取得しやすくなる。
■安川電機株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
イベント近づく中で様子見、米CPIに注目
先週の日経平均株価は-1193.94円(-3.00%)。週初は自民党総裁選で高市早苗氏の勝利を見込んだ円安・株高トレードの巻き戻しから今年3番目の下落幅を記録。その後はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長や自民党の石破茂総裁(1日に首相就任)の発言を受けた円安が株買いを誘った一方、イランとイスラエルを巡る中東情勢の緊迫化が嫌気され、週後半まで値幅を伴った一進一退が続いた。
今週は10日(木)の米9月消費者物価指数(CPI)に注目だ。先週末の米9月雇用統計は労働市場が非常に堅調であることを示唆したが、強すぎる内容ともいえ、今週のCPIの結果次第では米利下げ期待が一段と後退する可能性がある。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待の高まりからリスクオンの動きがさらに強まる可能性がある一方、米10年物国債利回りが4%を超えてくると、金利上昇圧力のネガティブな側面が意識される可能性も十分にあるだろう。
中東情勢の不透明感も依然としてリスクだ。米大統領選が近づき相場が神経質になりやすい一方、米国の株価指数は最高値圏にある。イスラエルが報復に動き事態がエスカレートした場合、リスク回避の動きが出やすいことには注意したい。また、今週末から米金融大手の7~9月期決算が発表され、来週以降、日米ともに決算発表が徐々に本格化してくる。米大統領選や企業決算を前にした様子見ムードから株価の上値は重くなりそうだ。
国内では8月毎月勤労統計調査やファーストリテイリングの決算に注目。実質賃金の伸びやファストリの決算で個人消費の堅調さが確認されれば、デフレ脱却期待を背景に日本株が買われる展開も想定される。9日(水)には衆議院が解散される。解散日から総選挙投開票日までは株高になりやすいアノマリーは引き続き相場を支える要因として働きそうだ。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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