・米ハイテク株高を受けて日経平均は反発!
・今日は10月の株主優待を点検しますが、よく知られた神戸物産のほか中小型株にも注目
・投資の疑問は分析にも役立つ株価指標の関係性
【1】今日の株式相場早わかり!
反発、エヌビディアなどの米ハイテク株高が追い風
日経平均株価は反発! 8日の米国市場では主要株価指数がそろって反発した。半導体のエヌビディアが5日続伸して+4.05%となるなど、ハイテク株の上昇が目立った。「AI(人工知能)の父」とされるジェフリー・ヒントン氏らがノーベル物理学賞を受賞することが決まり、原油先物相場や長期金利の上昇が一服したことも追い風となったようだ。今日の日経平均株価は米株高を受けて反発スタートすると、朝方には一時3万9456.28円(+518.74円)まで上昇。ただ、10日に発表される米9月消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの思惑などから伸び悩む場面もあった。
エヌビディアの新半導体の恩恵が大きいとみられているアドバンテストや、カナダ企業による新たな買収提案が報じられたセブン&アイ・ホールディングスが買われた。今晩の米国では連邦公開市場委員会(FOMC、9月17~18日開催)の議事要旨が公表される。また、日本では石破茂首相が衆院解散に踏み切り、政治情勢も重要な投資論点となりそうだ。
【日経平均】39277.96円↑(+340.42円)
【グロース250】647.24↑(+6.32)
【NYダウ】 42080.37ドル↑(+126.13ドル、8日)
【ナスダック】18182.916↑↑(+259.012、8日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
10月優待は神戸物産やHIS、中小型株にも注目!
今日は10月に実施される人気の株主優待を確認しよう。9月と比べ優待実施する企業は多くないが、食品や外食、レジャーといった人気どころの優待が散見される。これまで見逃していた中小型の人気優待株や、優待を楽しみつつ成長を期待できそうな株を知るチャンスでもあることから、顔ぶれを見ておこう。
大型株では、「業務スーパー」の神戸物産が優待を実施。100株かつ3年未満の保有でJCBギフトカード1000円分が受け取れる(保有株数・期間に応じ増額、希望すればグループ商品詰め合わせと引き換えも)。月次の単体業績は、為替予約の評価損で7~8月と経常赤字を計上。しかし、円高が進めば商品の輸入コスト低減が期待できる。ビュッフェレストラン「神戸クック・ワールドビュッフェ」や焼肉オーダーバイキング「プレミアムカルビ」、惣菜店「馳走菜」といった外食・中食事業も好調で、出店により拡大中だ。
海外旅行の回復の鈍さが気になるところだが、やはり円高によるメリットを期待するならエイチ・アイ・エスも選択肢。中小型株に目を向ければ、ロック・フィールドの「そうざい券」や萩原工業のオリジナルカタログ商品が人気の優待だ(萩原工業は2026年10月末を最後に廃止予定)。美容室運営のAB&Companyは配当&優待利回りが11.0%(100株保有時)と非常に高い。ラーメン店「町田商店」「豚山」などが人気のギフトホールディングスは、株式市場でも成長期待が高く、優待をもらいながらの長期保有も一案だろう。
なお、権利確定日が10月末の株主優待の権利付き最終売買日は29日となる。優待が欲しい投資家は、この日の取引終了までに必要な株数を確認の上で購入しよう。
(ザイ優待アナリスト 小林大純)
■神戸物産株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
PBRやPER、ROEなどの意味と有効な使い方
(ご質問)
色々とある株価指標の関係性を詳しく教えてください。
(答え)
まずはPBR(株価純資産倍率)=PER(株価収益率)×ROE(株主資本利益率)を覚えましょう!
PBRとは株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍かを示す指標です。1株あたり純資産とは仮に企業が解散した場合に株主のもとに残る価値を表します。PBRの1倍割れは株価が1株あたり純資産よりも安い状態を指し、一般に「割安」とされます。2023年に東証がPBR1倍割れの企業に対して改善策の実行を求めたことを契機に、多くの企業が注目するようになりました。
PERは株価が1株あたり利益(EPS)の何倍かを示し、最も一般的な株価指標です。PERが高いと「割高」と言われることもありますが、PERは投資家の企業に対する「期待値」でもあるため、高いPERはそれだけ投資家がその企業に対して期待していることの表れといえます。一方、ROEは株主が投下した資本を使って企業がどれだけ効率的に利益を稼いでいるかを示し、これは(A)売上高純利益率と(B)総資産回転率、(C)財務レバレッジの3つに分解できます。Aは収益性、Bは資産をどれだけ有効に使えているか、Cは負債を上手に使えているか、をそれぞれ表す指標です。
つまり、PBRが低い企業は「PERが低い=期待値が低い」、「ROEが低い=株主資本を効率的に使えていない」といえます。PERが高いのにPBRが低いのは期待値が高いにもかかわらず収益性が低いと言え、ROEを高める施策を実施すれば株価・バリュエーションの切り上がりにつながるでしょう。一方、ROEが高いのにPBRが低ければ、それは期待値が低いと言えます。投資家の期待値を高めるような大きな事業変革や環境変化がない限り、株価の上昇は期待しづらいでしょう。
(ザイアナリスト 仲村幸浩)
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