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トランプ氏が人気番組でジョー・ローガンに語ったオドロキの内容とは? 関税収入を活用すれば、所得税をゼロにできるって本当? その実現性を検証!

2024年10月30日公開(2024年10月29日更新)
ポール・サイ
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 ジョー・ローガン氏が主催する「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」はアメリカで非常に人気のあるポッドキャスト番組です。アップルから世界1位のポッドキャスト番組と認定されたこともあります。

 10月26日、その「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」にドナルド・トランプ氏が初登場し、注目を集めました。今回はその番組でローガン氏のインタビューに対し、トランプ氏が語った内容をご紹介したいと思います。

ジョー・ローガン・エクスペリエンスドナルド・トランプ氏が初登場した「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」

トランプ氏は中国が「5年以内に米国に追いつく可能性がある」と指摘した

 トランプ氏の語った内容からは、特にアジア市場の位置づけと、米国およびアジアへの投資機会に関連した重要な示唆が得られました。

 トランプ氏は、中国をはじめとするアジア諸国との経済・技術競争について深刻な懸念を示し、半導体産業やAI技術が米国・中国間の競争の焦点となっていることを強調していました。

 彼は中国が「5年以内に米国に追いつく可能性がある」と指摘しており、これが米国のハイテク産業とアジア市場全体への投資機会にどのように影響するかが注目されます。

 特に、トランプ氏は台湾の半導体産業について言及し、台湾が米国の半導体市場を支配していることを指摘していました。

 これにより、台湾の半導体メーカーが世界のサプライチェーンで重要な役割を果たしていることがより一層浮き彫りとなり、投資家の台湾市場への関心はさらに高まるでしょう。

 ただ同時に、米国が半導体製造を国内で強化しようとする動きもあり、それがアジア全体のハイテク産業にも影響を及ぼす可能性があります。

関税収入を活用すれば、所得税をゼロにできる!?

 トランプ氏はまた、今回、関税政策についても詳しく語り、これを米国経済の再建に利用する考えを示しました。

 彼は関税を賢く使うことで、他国からの不正な競争を防ぎ、国内製造業を復活させることができると主張しています。さらに、トランプ氏は関税収入を活用して、連邦所得税を削減したり、まったくなくしてしまうことができるとも述べました。

 関税の件は、特に製造業に依存し、アメリカへの輸出が相応に多い国々にとって経済的な影響が大きいです。投資家にとっても、今後の投資戦略に影響を与える重要なテーマと言えるでしょう。

 また、トランプ氏は中国との貿易戦争や、関税を活かして米国企業の保護を目指した過去の政策についても触れていました。

 こういった戦略は、米中間の経済対立をさらに深め、今後も中国や他のアジア諸国の経済状況に影響を及ぼす可能性があります。このため、投資家は米中関係の動きを注視し、アジア全体の市場動向を見極める必要があります。

関税収入を活用しても、所得税をゼロにするのは難しい

 先ほど触れたとおり、トランプ氏は今回のポッドキャスト番組の中で、連邦所得税を削減したり、まったくなくしてしまう政策に言及していました。しかし、トランプ氏が提案したこの政策は、実現が難しいと思います。

 関税は輸入品に課されますが、2023年の米国の輸入額は総額で約3.1兆ドルです。それに対し、連邦所得税が課される収入は20兆ドルを超えています。

 米国政府は現在、連邦所得税から約2兆ドルの税収を得ていますが、関税のみでこれを代替することは不可能です。さらに、高関税は輸入額を減少させるため、税収が期待されたほど増加せず、経済成長を損ね、インフレを引き起こし、低所得層や中所得層に不釣り合いな負担を強いる恐れがあります。

トランプ氏はUFOや宇宙関連の話題にも言及

 興味深いことに、トランプ氏はUFOや宇宙関連の話題にも触れていました。

 彼は米軍パイロットが奇妙な現象を目撃した事例に言及し、将来的に軍事技術など、これに関連した分野の技術革新が期待されるとしています。

 この未知の領域での技術革新が今後、良い投資機会となる可能性もあるため、これも重要な注目ポイントとなるでしょう。

トランプ氏は複雑な問題に対し、簡単に思える解決策を提示して大衆にアピールするが、そう簡単に問題は解決しない

 トランプ氏はよく、問題に対して一見簡単な解決策を提案します。

 彼は複雑な問題に対して、簡単に思える解決策を提示して、大衆にアピールするのです。これは経済や歴史に詳しくない人々にとっては魅力的に映ります。

 しかし、たとえば関税は一部の業界には良さそうに見えても、全体的にはインフレを招くことが多いです。実際、トランプ政権時代に洗濯機に課した関税は、最終的に洗濯機の価格上昇を招き、結果的に米国民がその関税分を負担することとなりました。

 人々は困難や危機に直面している時、簡単な解決策を求めがちです。トランプ氏は常に簡単な答えを提供し、自分だけがその問題を解決できると断言しています。これが彼の魅力であり、米大統領選の世論調査で現在、彼がリードしている理由です。

 結論としては、ローガン氏に対してトランプ氏が語った内容から、トランプ政権が成立すれば、製造業はアメリカに回帰する可能性がありますが、それと同時に米ドル高になったり、アメリカのインフレ率が上昇するリスクが高まると言えるでしょう。

[参考記事]
トランプ勝利、上下院共和党ならさらにインフレに! 賭けサイトは異常な動きでトランプ圧勝に傾く。ハリス勝利なら、上下院ねじれで過激な政策はなさそう
 

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。11月18日(月)メルマガ会員向けに初のライブセミナーを開催予定。

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