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割安銘柄を好むバリュー投資家の著名人が、割高なマグニフィセント・セブンの押し目買いをオススメするワケは? イーロン・マスクが政治力を高めテスラ上昇

2024年12月6日公開(2024年12月6日更新)
ポール・サイ
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 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

 前回の放送では、トランプがインフレを直すと約束して大統領になったのに、実はインフレは解決しなさそうなこと、そしてトランプ政権下で発生するボラティリティが投資機会を生むことを教えてくれたポール・サイさん。
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 今回の放送では、バリュー投資家として有名なある教授が「マグニフィセント・セブンに調整があるなら買った方がいい」と発言していることに、ポールさんは注目。イーロン・マスクがトランプ政権の中に入り、政治的な力が大きくなる可能性が高く、自動運転やロボットの規制緩和期待でテスラ株が上昇しているそうなので、さっそくチェックしていこう。

アメリカのブラックフライデーはオンラインで活発。前年比5~10%増の報道も

 番組は、アシスタントの木村カレンさんが、11月末から感謝祭、ブラックフライデー、12月に入り年末商戦と続き、アメリカの個人消費がどのような盛り上がりなのか、ポールさんに聞くところから始まった。

 「オンラインは活発で、報道を見ると前年比5~10%増みたいです」とポールさん。クリスマスのプレゼントもブラックフライデーで割引となり、オンラインで安く買えたそう。

 また、ポールさんが住んでいるシアトルのベルビューが先々週、嵐に見舞われ、倒木で電線が切れたため、冷凍庫の食材が全部溶けてしまったそう。食材買い直しのため、街中の人がコストコなどに殺到したという出来事もあったようだ。

行き過ぎたウォークネスが薄まると、テクノロジー業界にとってある意味規制緩和となり、進化が加速する

 続いては、「ESG投資」や「ウォークネス」の話題に。

 ESG投資とは「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」に対する企業の取り組みを重視した銘柄選定をすることで、ウォークネス(wokeness)とは人種差別の撤廃、ジェンダー平等、LGBTQ+の権利、環境保護といった社会的正義を追求する動きのことを指す。
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 ESG投資とウォークネスは、左派的なバイデン政権を象徴するものだったけれど、来年1月から始まるトランプ政権がそれをひっくり返すことで、投資行動やお金の流れがどう変わるのか、番組MCの渡部一実さんがポールさんに聞いた。

 ESGはここ5年、10年で大きなテーマになっていたものの、テーマの人気度が下がっていきそうとポールさんは考えている。それは、トランプ政権がESGを重要視しないのもあるけれど、政府というより社会全体でESGを調整する方向にあるからだという。

 続けて渡部さんは、ウォークネスに関連する例として「バドワイザー不買運動」を取り上げた。

 バドワイザー不買運動とは、バドワイザーが若年層の顧客開拓のため、イメージキャラクターにトランスジェンダー俳優のディラン・マルバニーを起用したところ、トランプ支持者や保守層の著名人、批評家から猛反発を浴びて「バドライト」ビールの売上が低迷した事件のこと。

 イデオロギー(社会思想)が不買運動につながると、企業も経営しづらくなるけれど、トランプ政権になるとそういうプレッシャーは薄まっていくという見方でいいのか、ポールさんに質問した。

 ポールさんは渡部さんの見方に同意。バドワイザー不買運動に似たようなウォークネスの例として、バイデン大統領が最高裁判事を黒人女性から選ぶよう宣言した出来事を挙げ、トランプ政権になれば最高裁でも企業でも、ウォークネスは薄まっていく流れのようだ。

 トランプ(敬称略)を支持したイーロン・マスクも、行き過ぎたウォークネスは良くないと言っていて、ハイテク業界もそのようになりそうとのこと。

 例えば、大学や研究開発、AIでイデオロギーに合わないような結果が出ると、発表できないこともあり、そこにはいい部分もあるけれど、トランプやイーロン・マスクの下でもう少し自由になると、ある意味規制緩和になって、全体的なテクノロジーの進化も加速するとポールさんは見ている。

著名バリュー投資家「マグニフィセント・セブンに調整があるなら買った方がいい」

 次に、ポールさんの注目銘柄の話題に。

 ポールさんは最近、ある教授の話に注目しているそう。バリュー投資家として有名な、ニューヨーク大学のアスワス・ダモダランという教授が「マグニフィセント・セブン(※)に調整があるなら買った方がいい」と発言していることに注目しているのだ。

(※マグニフィセント・セブンとは、米国株式市場を代表するテクノロジー企業7社であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアを指す言葉)

 エヌビディアはPER33倍、マイクロソフトはPER30倍と一見高いように見えるけれど、教授が調整したら買いをオススメする理由は、キャッシュの創出力、つまり稼ぐ力がかなり強いから。

エヌビディア 日足 (出所:TradingView)

 株価が割安な銘柄に投資することが多いバリュー投資家が、すでに割高感があるマグニフィセント・セブンをオススメするのは珍しいというところも、ポールさんが着眼する要因のようだ。

 その一方で、マグニフィセント・セブンのうち、最初の負け組がどこになるかも気にしておかなければならないという。

 すぐにではないけれど、負け組になるかもしれないマグニフィセント・セブンとして、ポールさんが挙げたのがアルファベットだ。

 アルファベットはウェブサイトにトラフィックを送ることで、広告手数料を取る形で儲けているけれど、AIが発展すると質問に対して直接答えが出てくるため、トラフィックをどう誘導するのかなど、ビジネスモデルが結構変わるとのこと。

 アルファベットはもちろんAIにも強いものの、従来のビジネスモデルがひっくり返される可能性がある点に注意する必要があるようだ。

アルファベット 日足 (出所:TradingView)

テスラが自動運転やロボット開発の規制緩和期待から上昇。イーロン・マスクがトランプ政権に入り、政治的な力が大きくなる可能性

 最後はテスラとイーロン・マスクの話題に。

 ずっと株価で苦戦していたテスラが直近で上に跳ねたのは、トランプが大統領選で勝ったからだけれど、テスラの業態はEV(電気自動車)や宇宙関連で、マグニフィセント・セブンの中でも別物として考えたほうがいいのか、渡部さんが切り出した。

 テスラの自動運転にはAIが関連しているし、車を売るより、車のネットワークを使うビジネスモデルをテスラは目指しているとポールさん。

 また、テスラを車会社として見ると、時価総額を説明できないけれど、自動運転やロボットも含めると時価総額を説明できるため、マグニフィセント・セブンの中で別物として考える必要はないそう。

 イーロン・マスクはトランプ政権の中に入り、政治的な力も大きくなる可能性が高く、自動運転や人間のようなロボット開発の規制緩和期待で株価が上昇している面もあるようだ。

テスラ 日足 (出所:TradingView)

 そんなイーロン・マスクは、ロシアのオリガーク(少数の特権階級の支配者)みたいだと一部で言われているそう。イーロン・マスクの会社は、特にスペースXが補助金や米政府との取引が多く、政府に影響を及ぼして、自分の目標を達成させるというところが、ロシアのオリガーク、政治と経済の合併に似ているとのことだった。

 ここまで、12月3日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

※冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近1年で50%以上の上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。


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