【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,992.21 ▼333.59 (12/27)
NASDAQ: 19,722.03 ▼298.33 (12/27)
1.概況
先週末の米国市場は、ハイテク株を中心に軒並み下落となりました。ダウ平均は183ドル安で寄付いた後、86ドル安まで下げ幅を縮めるも、長期金利の上昇を背景としてハイテク株を中心に利益確定の売りや持ち高調整の売りが広まり、再び下げ幅を広げる展開となりました。年末で市場参加者が少なく、薄商いとなったことから値動きも大きくなりやすく、下げ幅は一時564ドルまで拡大しました。
取引終盤にかけては下げ幅を縮めたものの、結局ダウ平均は333ドル安の42,992ドルで取引を終え、6日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は298ポイント安の19,722ポイントと続落となり、2万ポイントを割り込み1.5%近く下落しました。
S&P500株価指数も66ポイント安の5,970ポイントで取引を終え、続落となっています。
2.経済指標等
11月の米卸売在庫速報値は前月比0.2%減と、10月の0.1%増からマイナスに転じ、増加を見込んでいた市場予想を下回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、11業種のすべてが下落となりました。なかでも、一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、情報技術とコミュニケーション・サービスが1%以上の下落となり、不動産も1%近く下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中、ボーイング[BA]とシェブロン[CVX]の2銘柄がわずかに上昇しました。一方で、その他の28銘柄は下落となり、特にエヌビディア[NVDA]が2%超下落したほか、マイクロソフト[MSFT]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、アップル[AAPL]、ウォルマート[WMT]、ハネウェル・インターナショナル[HON]が1%超下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、在宅医療サービスのアメディシス[AMED]が4.7%上昇しました。ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が同社を33億ドルで買収することに関して、独占禁止法の観点で司法省から異議を受けていましたが、取引は破棄せず合併取引完了までの期間延長に合意したことが材料となりました。また、冷凍ポテト製造のラム・ウエストン・ホールディングス[LW]は、2.6%上昇してS&P500株価指数の値上がり率ランキングでトップとなりました。アクティビストとして知られる投資会社のジャナ・パートナーズが同社の取締役候補にジェフリー・デラップ氏を指名したことが好感されています。
一方で、テスラ[TSLA]は5%近く下落となったほか、上場廃止の懸念が続くスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は5.2%下落しています。また、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]は3.7%安、クラウドストライク・ホールディングス[CRWD]は2.8%安、ネットフリックス[NFLX]は1.8%安、アルファベット[GOOGL]とブロードコム[AVGO]は1.5%安となるなど、ハイテク株の下落が目立ちました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い4.62%となりました。ドル円は、157円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、2024年の取引を締めくくる大納会です。
先週末の米国市場の下落が逆風となり日本市場でも売りが先行するとみられる一方で、日本市場に対する投資家心理は改善しつつあることから、このまま「掉尾の一振」の動きが見られるか注目が集まります。こうしたなか、日経平均は心理的節目の4万円を維持し、2024年を4万円台で取引を終えることができるかが焦点となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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