2024年12月に新規上場した「IPO株」17銘柄のうち、アナリストの投資判断が”買い“の「ユカリア」と“強気”の「dely」に注目!
ダイヤモンド・ザイ3月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2024年12月に新規上場した「IPO株」全17銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。
今回は、その中でも小林さんが特に注目しているIPO株を2銘柄ピックアップし、詳しく解説しているので、投資の参考にしてほしい!
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2024年12月に新規上場した「IPO株」は17銘柄!
9カ月ぶりに初値2倍の銘柄も出て盛況に!
2024年12月は17社が新規上場。20社を超えていた2022年ほどではないが、例年通りのIPOラッシュとなった(ちなみに、2023年12月は15社が上場)。12月18日には、上場時の時価総額で東京地下鉄(東京メトロ・9023)を超えて、2024年トップのキオクシアホールディングス(285A)も上場した。
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公開価格に対する初値の平均騰落率は、プラス26%。12月の第3週までは、キオクシアホールディングスなどで公開価格割れも見られ、好結果とは言えなかった。しかし、そのキオクシアホールディングスも初値後に株価上昇。相場全体に年末高への期待が高まったこともあり、12月の第4週には取引が活発化した。
なかでも、12月26日上場のフォルシア(304A)は、初値が公開価格の2倍超に。IPO株で、これほど初値が高くついたのは約9カ月ぶり。ほかにも、初値後に株価が上昇した銘柄は多く、2024年はまずまずの賑わいで締めくくられたと言えそうだ。
ただ、第4週の上場は小型の銘柄が目立つ。「需給主導で上がった面もあり、腰の入った買いとは言いづらい」と、IPOに詳しいダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんは指摘する。
「年明け後、しばらくはIPOがないため、直近上場した銘柄に関心が向く傾向にあります。割高感が出ているものもあるため、注意しましょう」(小林さん)
投資判断は、17銘柄中「強気」以上が8銘柄。以下で詳しく見ていこう。
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【2024年12月上場】投資判断が“買い&強気”の「IPO株」8銘柄 |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (1/8) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
4日 | ◆TMH(280A・東G) | |||||
1500円 | 2128円 (+41.9%) |
1805円 | 22.9倍 (12.20倍) |
2200円 (1200円) |
強気 | |
【分析コメント】大分に本社を置き、半導体製造装置や部品の販売・修理を行う。装置や部品の越境ECサイトも運営。国内外で装置販売が急拡大。半導体工場の老朽化も追い風。 | ||||||
9日 | ◆インフォメティス(281A・東G) | |||||
1080円 | 993円 (-8.1%) |
1091円 | 51.0倍 (8.15倍) |
1600円 (850円) |
強気 | |
【分析コメント】消費電力や太陽光発電量、気象情報のデータを収集し、AIで分析。省エネ支援などのサービスを提供する。次世代スマートメーター導入開始で成長加速に期待。 | ||||||
12日 | ◆ユカリア(286A・東G) | |||||
1060円 | 975円 (-8.0%) |
898円 | 15.7倍 (2.34倍) |
1500円 (750円) |
買い | |
【分析コメント】病院の経営支援事業を柱に、高齢者施設の運営・紹介も展開(詳細は下で紹介)。 | ||||||
13日 | ◆ラクサス・テクノロジーズ(288A・東G) | |||||
281円 | 426円 (+51.6%) |
294円 | 16.6倍 (6.70倍) |
450円 (250円) |
強気 | |
【分析コメント】ブランドバッグのサブスク(定額貸し)サービス。ワールドの持分法適用会社。値上げ後に減少した会員数は純増に転換。保有バッグを増やし、さらなる成長へ。 | ||||||
17日 | ◆黒田グループ(287A・東S) | |||||
700円 | 885円 (+26.4%) |
1060円 | 12.3倍 (1.23倍) |
1200円 (850円) |
強気 | |
【分析コメント】2018年に上場廃止した黒田電気が前身。電子部品の商社事業と、HDD部品などニッチ分野に強い製造事業を展開。配当利回りが6%近く、当面は累進配当の方針。 | ||||||
17日 | ◆リスキル(291A・東G) | |||||
3730円 | 4840円 (+29.8%) |
3530円 | 17.4倍 (6.96倍) |
5000円 (3000円) |
強気 | |
【分析コメント】ビジネススキル全般、およびIT未経験者向けエンジニア・DXの研修・動画講座。標準化された低価格の研修を強みにシェア拡大を図る。顧客企業数は順調増。 | ||||||
19日 | ◆dely(299A・東G) | |||||
1200円 | 1001円 (-16.6%) |
1039円 | 26.6倍 (4.43倍) |
1700円 (900円) |
強気 | |
【分析コメント】LINEヤフー傘下で、料理動画アプリ「クラシル」を運営(詳細は下で紹介)。 | ||||||
27日 | ◆ビースタイルHD(302A・東G) | |||||
2070円 | 3325円 (+60.6%) |
2213円 | 10.3倍 (4.18倍) |
3500円 (1900円) |
強気 | |
【分析コメント】主婦層向けの人材派遣・紹介など。近年は求人サイト「しゅふJOB」のメディア事業が拡大。初値後の急落で割高感は後退した。「年収の壁」解消で追い風期待も。 | ||||||
※データは2025年1月8日時点。 |
12月のIPO株の中で、アナリストおすすめの2銘柄を紹介!
“買い”の「ユカリア」、“強気”の「dely」に注目!
ここからは、12月のIPO株の中で小林さんが「買い」「強気」と診断し、特に注目する銘柄を深掘りしていこう。
一つ目は、17銘柄のうち唯一の「買い」推奨となったユカリア(286A)だ。
ユカリアは病院の経営支援事業を柱に、高齢者施設の運営・紹介なども展開する企業。傘下にコンタクトレンズのシンシア(7782)も。公募・売出規模が120億円超で、株式需給に対する懸念が先行して初値は不調だったが、事業は好調。株価水準的に見直しの余地が大きい。
続いて紹介するのは、投資判断が「強気」のdely(299A)だ。
delyは料理動画アプリ「クラシル」を運営する企業。LINEヤフー(4689)傘下。公募・売出規模が170億円超あり、2社同日上場で買いの分散も影響して、初値は軟調。だが、市場規模の大きい買物(販促)アプリ「クラシルリワード」が成長を牽引。来期の業績も視野に、株価上昇が見込める。
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