「勝者のゲーム」と資産運用入門

日米中銀が金融政策を同日発表。株式市場の行方は?
3月メジャーSQで幻の安値が出現。反転攻勢の兆し。
好調「勝者のポートフォリオ」は+100%達成に邁進太田忠の勝者のポートフォリオ 第181回

2025年3月25日公開
太田 忠
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3月18日と19日、マーケットの行方を占う日米の金融政策会合が同時開催

 米国の米連邦準備理事会(FRB)、そして日本の日銀。改めて言うまでもなく国家の中央銀行である。国家における金融システムの中核となる銀行であり主に4つの役割を担っている。貨幣や紙幣を発行する「発券銀行」、民間銀行に対する資金の貸し出しを行う「銀行の銀行」、 国家の預金口座の運営を担う「政府の銀行」、そして景気や物価の安定を図る「貨幣の番人」である。4つ目の貨幣の番人としての仕事が金融政策とよばれ、きわめて重要な役割を担っている。

 「株式市場の方向性を決めるのは、景気や企業業績ではなく金融政策だ」と私は過去のコラムで何度も述べてきたが、世界で最も影響力があるのがFRBであり、米国の金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)は世界一重要な会議である。約6週間に1回、合計で年8回開催され、開催される曜日は火曜日&水曜日の2日間と決められている。FOMCにはFRB議長の他、7名のFRB理事と5名の連邦銀行総裁の12名が参加する。FOMC終了後に声明発表&議長会見が行われ、これが金融市場にダイレクトに影響を与える。日銀も同様のスタイルで金融政策決定会合を行う。約6週間に1度、年8回開催されているが曜日はバラバラだ。ところが、今回は日米とも3月18日と19日の同日開催という珍しい形となった。

FRBは政策金利を据え置き。利下げ回数変化なしの安心感から米株は上昇

 まずはFRB。1月のFOMCに続き3月も政策金利を4.25~4.50%に据え置いた。また、3ヵ月ごとに発表するドットチャート(FOMCメンバーによる政策金利予想)は2025年内に0.25%の利下げを2回実施し、年末には3.75%~4.00%まで引き下げるとの見方を提示した。昨年12月は2025年の利下げ回数を従来の4回から2回に大胆に変更するというビッグサプライズがあり、米株式市場は急落したが、今回は変更がなかったため安心感から上昇した。

 米経済の見通しについては2025年10〜12月期の実質経済成長率(前年同期比)を1.7%とした。前回見通しの2.1%から下げたが、中長期の巡航速度である1.8%とほぼ同じ水準である。一方、同時期の米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率を2.5%から2.7%に引き上げた。トランプ政権はすでに中国製品に20%の追加関税を課し、カナダ・メキシコからの輸入品や鉄鋼・アルミ製品にも関税を25%上乗せした。輸入価格の上昇がインフレ率を押し上げる公算が大きいとの見立てである。経済悪化と物価高が同時に進むのが「スタグフレーション」だが、その可能性を私は極めて小さいと見ている。なぜなら、すでに第1次トランプ政権において、米中貿易戦争による関税合戦のインパクトを学習しているからだ。影響は軽微だった。

日銀も政策金利を据え置き。次回の5月会合で政策金利引き上げを予想

 FRBのパウエル議長は記者会見でトランプ政権の経済政策を念頭に「見通しの不確実性は異常なほど高まっている」と述べる一方、米経済の底堅さを強調して「利下げは急がない」とコメント。また、4月から保有資産を圧縮する量的引き締め(QT)を減額する決定を下した。金融混乱を避けるため米国債減額の上限を月250億ドルから月50億ドルに減らすとの内容だ。ハト派的な色合いが濃かったのが3月のFOMCである。次回の利下げは6月と私は予想している。

 一方、日銀はどうか。こちらも予想通り政策金利は据え置きの0.5%となった。植田和男総裁は2024年3月にマイナス金利を解除し、政策金利を-0.1%から0%に引き上げ、7月には0.25%、さらに今年1月には0.50%へと利上げを行った。欧米の中央銀行がコロナ禍以降に大胆かつ急速な利上げを行ってインフレ沈静を図ったのとは全く違う意味合いの利上げだ。日本特有の「金融正常化」である。日本の実質金利はいまだマイナスであり、0.50%という過去30年ぶりの高水準の政策金利であっても実態はマイナス金利なのである。だから会合後の記者会見において「経済・物価の見通しが実現していけば引き続き政策金利を引き上げる」と強調した。次回の利上げは5月にあると私は予想している。

メジャーSQで「幻の安値」が出現。売り方の一方的な売り崩しは終焉か

 最近、目にするのが「日本が金利を上げれば株式市場にはマイナス」「日本市場は下がるだろう」というマーケット関係者の意見であるがそれは間違っている。マーケットは、そんな教科書通りには動かない。今のマーケットは海外短期筋のヘッジファンドによる先物バトルによって決まっている側面が非常に強い。昨年11月のマイナーSQ(特別清算指数)にて「幻の高値」が出現し、上値が抑えられる形となっていた。すなわち日経平均株価は3万8000円~4万円の完全なボックス圏で推移し、金融相場の高揚感を感じられない状況が続いた。ところが、2月28日のザラ場中に一時1416円安の3万6840円まで下落し、ボックス圏を完全に底割れした。売り方が実体経済以上に沈む相場局面で大きな勝利を収めて、3月のメジャーSQを迎えることとなった。

 その3月のメジャーSQでは「幻の安値」が出現したのだ。日中の日経平均の安値3万6594円に対して、寄付きベースで算出されるSQ値は3万6483円。何と111円もの大きな乖離となった。私はこれをもって昨年11月から続いていた「けだるい」「弱々しい」マーケットから決別したと考えている。もちろんトランプ関税の本格的発動と貿易摩擦が経済に与える悪影響、エヌビディアなどの急落がもたらすハイテク企業への成長懸念という米国発の2つの要因に加えて、急速に進展する円高・ドル安という懸念がなくなったわけではない。だが、こうした材料で売り方が一方的に相場を売り崩すことはもはやできなくなったと考えている。

「勝者のポートフォリオ」は設定来+86.7%の最高値更新。指数を凌駕

 その証拠に3月に入ってから太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチのコラボレーションによる個人投資家向けの投資助言サービス「勝者のポートフォリオ」のパフォーマンスは大躍進し、連日で最高値を更新している。3月21日には設定来+86.7%を記録。一方、同期間のTOPIXは+49.2%、日経平均は+36.3%、東証グロース250指数は-40.2%(いずれも配当込み)。また昨年来で見ると「勝者のポートフォリオ」は+46.0%に対し、TOPIXは+21.3%、日経平均は+14.7%、東証グロース250指数は-5.1%。要するに「勝者のポートフォリオ」のパフォーマンスは一貫してマーケットに対してアウトパフォームしていることがお分かりいただけると思う。

「勝者のポートフォリオ」のパフォーマンス(設定来推移)と主要指数との比較

 「幻の安値」の出現でマーケットは転換した。今年の「勝者のポートフォリオ」の目標は累計パフォーマンス+100%の達成であるが、それに向けて一層邁進していきたい。

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 「勝者のポートフォリオ」は毎週のメルマガ配信による運用指南に加えて、2大特典として毎月のWebセミナー開催と動画によるスペシャル講義を提供している。

 毎月恒例のWebセミナーを次回は4月9日(水)20時より開催する。テーマは『「幻の安値」出現で相場転換、勝者のポートフォリオは爆騰中』を予定。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能。オープンな開催はしていないのでご注意願いたい。

 スペシャル講義ではいよいよアンシステマティックリスク、すなわち個別銘柄リスクに関する詳細な講義がスタート。2月は『大型株・中型株・小型株の定義と株価属性』『グロース株 vs バリュー株』の2本立てでお届けした。皆さんは「きちんと決算短信を読めますか?」「財務分析できますか?」「業績予想に込められた企業の思惑を推測できますか?」。そして「個別銘柄にまつわる信用取引の状況を解読できますか?」。おそらく、個人投資家はそういう力が圧倒的に不足していると思うので、そうした力を育むのための講義を今後も継続していきたい。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

 

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