【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,583.32 △597.97 (3/24)
NASDAQ: 18,188.59 △404.54 (3/24)
1.概況
昨日の米国市場では、主要3指数がそろって大きく続伸しました。トランプ政権が4月2日に発動を計画している「相互関税」について、対象となる国や品目を限定する方針が伝わり、過度な警戒感が和らいだことで、安心感から幅広い銘柄に買いが広がりました。さらに、米S&Pグローバルが発表した3月のサービス業PMIが予想に反して上昇し、景気減速懸念が緩和されたことも相場を押し上げる要因となりました。
ダウ平均は194ドル高で取引を開始すると、終日堅調な展開となりました。取引終盤には一段高となり、上げ幅は一時653ドルに達しました。最終的にはやや上げ幅を縮小し、597ドル高の42,583ドルで取引を終えました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は404ポイント高の18,188ポイント、S&P500株価指数は100ポイント高の5,767ポイントで取引を終えています。
2.経済指標等
3月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.5と、前月の51.6から上昇しました。内訳では、製造業PMIが49.8と前月の52.7から低下して市場予想を下回った一方で、サービス業PMIが54.3となり、低下を見込んだ市場予想に反して、前月の51.0から上昇しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうち10業種が上昇となり、特に一般消費財・サービスは4%超上昇しました。また、コミュニケーション・サービスは2%超上昇したほか、資本財・サービスや金融、情報技術、不動産、素材、エネルギーは1%以上上昇しました。一方で、公益事業は小幅に下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中23銘柄が上昇となり、特にホームデポ[HD]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、エヌビディア[NVDA]は3%以上上昇しました。また、アメリカン・エキスプレス[AXP]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、ゴールドマン・サックス[GS]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、ビザ[V]が2%以上上昇したほか、セールスフォース[CRM]やアイビーエム[IBM]、スリーエム[MMM]など9銘柄が1%以上上昇しました。一方で、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やメルク[MRK]、ナイキ[NKE]など7銘柄は1%未満の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、年初から低調な推移が続いているテスラ[TSLA]が11.9%上昇と急騰してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]やビッグデータ解析のパランティア・テクノロジーズ[PLTR]が6%以上上昇したほか、物流大手のフェデックス[FDX]やアパレルのラルフローレン[RL]、フットウェアのデッカーズ・アウトドア[DECK]が5%以上上昇しています。一方で、防衛のロッキード・マーチン[LMT]とAI向けのサーバーを提供するスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は、アナリストによる投資判断と目標株価の引き下げを受けて、いずれも1%程度の下落となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前週末から0.08%高い4.33%となりました。ドル円は、円安方向へ進展して150円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場が大きく続伸となった流れを引継ぎ、本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は3万8000台回復に向けて、外国為替市場での円安方向への進展も支えに上げ幅を広げる展開が期待されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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